苺のジャムを。

頂きものの

少しばかり

傷んだ苺を

ジャムにしようと思ったのです


レモンと

ヘタを取った

その

宝石のような輝きをもった

1パックの苺を

砂糖と一緒に鍋に入れるのです


あなたに連絡をしました

「あなたの家の、戸棚の上にあったパン、あれに乗せて食べましょう」

と。


ジャムは口実に過ぎなかったのです


ただ、

あなたと

共に過ごしたかったのです


鍋は嫉妬したように

中のジャムを

くつくつと

煮立たせていました


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る