第33通目 胃袋を掴まれて
ぐぅーと俺のお腹が鳴った。
「ふふふ、もぅ。透夜くんたら。
ほら、ご飯作ろ」
「あはは、ごめんね」
俺は、回していた腕を離す。
陽芽を離したくないが空腹には勝てなさそうだ。
「ご飯は昨日炊いてあるからおかずだけでいいかな。
あ、そうだ。お鍋にしようよ」
「いいね、お鍋」
「じゃあ、お野菜を切っていこう。
透夜くんには、包丁を使わずにちぎってもらおうかな」
俺たちは、そのあとすき焼きを作った。
春菊とか糸こんにゃくとか豚バラとかは俺が鍋に入れた。
ホント簡単なことだけやらせてもらった。
味付けは、陽芽がしてくれた。
そして、食べることに・・・。
美味い、醬油ベースで。
「俺、すっかり胃袋掴まれてるんだけど」
「えへへ、ホント?嬉しいな」
「これからも毎食お願いします・・・できれば一生」
「うん、えへへ」
気が付いたらプロポーズみたいなことを言っているな。
まあ、それだけ陽芽のご飯は美味しい。
再会してまだ2日しか経ってないのに好みは知りつくされているし。
それに合わせて、味も調整してくれている。
ずっと一緒にいた様なほどに。
「透夜くん、明日はデート行こうね」
明日は、日曜日。
どこに行こうかなぁ。
「陽芽は、行きたいところある?」
「うーん、どこだろう。行きたいところはいっぱいあるんだけど」
「そっか、じゃあ動植物園とかどうかな?」
「あ、
「うん、あそこならいろいろあるしさ」
地下電車で5駅離れたところにある動物園と植物園、遊園地が一緒になっている施設である。
子供の時遠足でよく行った記憶がある。
「行こ行こ、お弁当作っておくね」
「良かった、明日も楽しもうね」
「うん」
明日行くところが決まった。
ピクニックみたいで楽しそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます