第30通目 荷物を持って帰宅

陽芽は、左手の薬指に差した指輪を見てうっとりしていた。


俺は、彼女の右手を握って歩いていた。


「陽芽、指輪は逃げないから前見て歩こうよ」


「え、あ!ごめん、透夜くん。嬉しくて」


「うん、分かってるよ。

俺も同じ気持ちだから」


正直、俺も指輪を見ていたい。


でも、それはいつでもできる。


それに、陽芽みたいに周りを見ないのは違うから。


「陽芽、そろそろ帰ろうか」


「うん、そうしよう」


俺たちは、コインロッカーに預けてあった荷物を持ってイオンを出る。


大半の荷物は俺が持っている。


「私も持つよ?」


「結構重いものあるから大丈夫だよ」


「じゃあ、軽いものは貸して」


「ありがとう、じゃあこれね」


俺は、嵩張って軽い物を陽芽に渡した。


食器以外にもいろいろな買い物をしていた。


夕飯の買い出しもついでにしていたんだ。


あとは、消耗品とかの買い足しとかも。


だから、その消耗品を陽芽に持ってもらった。


これから、30分ほどは徒歩だから。


「もぅ、もっと持てるよ。私」


「嵩張るのは持ちづらいんだ。だから、よろしく」


「仕方ないなぁ、でも疲れたら言ってね」


「ああ、分かったよ」


それから、30分何事もなく家に辿り着くのだった。


行きみたいになにかあっても困るけどね。

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