第26通目 お揃いの物

俺たちは、高校の前を過ぎて30分ほど歩いて、イオンへと辿り着いた。


「陽芽、お疲れ様。到着だね」


「うん、透夜くんとお散歩楽しかったよ」


俺たちは、いろんな話をした。


好きな物も嫌いな物も結局はなにもお互い変わっていなかった。


まあ、一部を除いてだけど。


「陽芽。とりあえず、食器とかタオルとか買えばいいかな?」


「うん、食器と小物関係かな・・・ねえ、透夜くん」


「ん?ああ、お揃いの物でも揃えてみる?」


「うん、ありがとう。透夜くん」


俺たちはイオンの中に入って雑貨屋を巡った。


猫の形のマグカップ。


尻尾が弧を描いていて二つのカップを合わせるとハートになるペアのマグカップとか。


猫の顔をした柄のカトラリー。


箸は、水色とピンクの色違いの物だった。


猫の刺繍が施されたタオル。


これも、水色とピンクの色違いの物だ。


実は、俺たちは無類の猫好きなのだ。


お皿やボウルは、木製の物で猫の焼き印が入ったものを買った。


「えへへ、透夜くんが変わらず猫好きでよかった」


「陽芽も、変わらず好きでよかったよ」


俺たちは、買った荷物をコインロッカーに入れてデートの続きをすることにした。


陽芽は、俺の手を取っていた。


彼女の顔は、にこやかだった。

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