第17通目 計画され過ぎていた計画
「ひーちゃん、さっきお風呂沸かしておいたから先入っていいよ」
「う、うん。じゃあ、先にいただくね」
陽芽は、トランクを持ってリビングを出ていった。
あれ?そういえば今日どこで寝るんだろう。
うちって、そんなに居住可能な部屋はない。
両親の部屋も、親父の書斎も鍵がかけられてる。
そうすると俺の部屋しかない。
もしかして、今回鍵が掛けられていたのはかなり前から計画されていたということでは。
俺は、準備をするために二階の物置へと向かった。
二階には俺の部屋と物置があるだけだ。
いや、この物置が物置でなければ普通に陽芽が泊まれたのでは。
あれ?ここっていつから物置だっけ?
あ・・・そうか去年急に物置になったんだ。
いやいや、どんだけ前から計画してたんだよ。
物置に入った俺。
そして目の前にいつ買ったのか、組み立て用のベッドが置いてあった。
ご丁寧に付箋が付けてあった。
「陽芽ちゃんのベッドね、頑張って組み立ててね」と書かれていた。
はいはい、計画してたってことね。
もしかして、親父の転勤も・・・いや、それはないな。
え、ないよね。
俺は、陽芽のためのベッドを持って自室へと戻った。
そして、組み立てをしていくことにした。
◇
私は、湯舟に浸かっていた。
見慣れない浴室。
昔とは少し違っている。
外壁が昔はコンクリートがむき出していたのに、いまはタイル張りになっていたり。
浴槽もなんだか新しい。
随分新しくなってる。
10年ってやっぱりすごい時間が経ってるんだね。
ちょっと、寂しい。
でも、変わっていないものもきっとある。
透夜くんは、見た目はすっかり大人になっちゃってるけど、内面は変わってないんだから。
あれ?私って今日どこに寝るんだろう。
まさか、透夜くんのお部屋で・・・。
私は、ドキドキしながら湯舟に浸かるのだった。
結局、湯あたりしてしまった。
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