第2通目 妻となる人

俺は、居間のテーブルの上に通学用のバッグを置く。


そして、封筒も置いた。


俺は、ひとまずコーヒーを入れることにした。


あー、飛び切り苦いコーヒーが飲みたい。


誕生日に誰にも祝われない悲しみが・・・。


僕は、エスプレッソマシンを起動させる。


全自動式だから簡単に落とせるからいいな。


その間に、着替えでもするか。


バッグを掴んで二階にある自室へと向かった。


そして、自室で黒のロングTシャツとジーンズに着替えた。


着替えたシャツを持って階下に下がる。


階段の前にある浴室へ向かうドアを開ける。


入るとそこは脱衣所で、ドラム式の洗濯機に放り込んだ。


1人暮らしだと洗濯物が少ないんだよな。


家事がめんどくさい。


俺は、居間へ戻る。


なんか、封筒を見るとドキドキするな。


なんだろう、俺はクレジットカードを作ったこともないし。


って、サイズ的にそれはない。


でも、なんで本人限定受取なんて普通は送らないもので送られてきたのだろう。


俺は、意を決して封筒の封を切る。


中からは、ピンク色の枠線が目立つ紙が出てきた。


その紙には、『婚姻届』とでかでかと書かれていた。


「は?なにこれ」


俺は、独り言を言う。


それほどに驚いた。


そして、しっかりと封筒からその婚姻届を出す。


その紙には、なにか文字が書かれていた。


「妻になる人」・・・その場所に名前が刻まれていた。


『天宮 陽芽』と・・・。


懐かしい名前だ。

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