誕生日のその日、届いたのは『婚姻届』でした。

天風 繋

誕生日当日

第1通目 本人限定受取郵便

18歳の誕生日。


朝からソワソワしながら高校へと通学した。


電車の中、通学路の長い坂道・・・教室、短休憩、授業中、昼休み、放課後・・・帰りの下り坂の坂道、電車の中・・・。


なにもなかった。


誰一人として「おめでとう」を投げかけてくれる友達はいない。


そして、家に帰っても誰も言ってはくれない。


だって、一人くらいをしているから。


それも、実家で。


俺は、今年の春から一人暮らしをしている。


父親の転勤に母親が付いていく形で急な一人暮らしになった。


甲斐甲斐しくお世話をしてくれる超絶美少女の幼馴染みは・・・いまはいない。


彼女が、美少女になったかはわからないけれど、確かに10年前女の子の幼馴染みはいた。


でも、10年前の俺・・・その日当日に遠い地に引っ越してしまった。


あの日から会っていない。


手紙のやり取りすらもない。


どんな風に成長したのかも俺は知らない。


やがて、俺は自宅まで帰って来た。


自宅は、高校から5駅ほど離れたところにある3階建ての1軒屋。


青い屋根が特徴の家だ。


生まれてからずっとこの家に住んでいる。


ちょうど、門塀から門扉へと景色が変わろうとしていた時だった。


門扉の前に、人影を見つけた。


紺色の制服が特徴の・・・郵便局員だった。


「家になにか?」


「あ、よかった。本人限定受取郵便なのですが。内浦 透夜さん宛になります」


「え?俺宛ですか」


「ご本人でしたか、ではこちらにサインをお願いします。

身分証の提示もお願いします」


俺は、受領印の所にサインをする。


財布の中からマイナンバーカードを出して確認してもらう。


そして、受け取ると郵便局員はカブに乗って行ってしまった。


俺は、受け取った物に視線を下ろす。


そこには、A4サイズの封筒を握っていた。


俺は、よくわからなかったが取り合えず自宅へ入ってから確認することにした。


この出来事が、これから起こることの前触れになろうとはこの時の俺には想像できなかった。



--------------

新作です。


今回は、恋愛極振りで行きます。


こちらは、毎日1話(1通)更新で行きます。


よろしくお願いします。


フォロー&❤をしていただけると作者のやる気が鰻登りになります。


ちなみに、タイトルで届いたものは気づいているとは思いますが


ゆっくりやっていきます。


透夜イメージ画像

https://kakuyomu.jp/users/amkze/news/16817330656657768916

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