20話 イブ。

コップ同士のぶつかるカチンという音でクリスマス(イブ)パーティーが始まった。

始まった瞬間空太と瑠衣はチキンの取り合いを始めた。

食べ物の取り合いをしている2人は獣と化け物にしか見えなかった。



「そんなに焦らなくてもまだいっぱいあるから笑」



あきれた夢愛が声をかけてくれたが、2人はこれが食べたいと取り合いをやめない。

小学生の喧嘩を見ているみたいだった。結果はじゃんけんで瑠衣が勝ったらしい。



そこからは色々な話をした、高校のことや中学の時のこと普段のことなど、

夢愛について色々しれた気がしてちょっぴり嬉しくなった気がした。



だが昔の話をしているときの夢愛の顔はいつもと違う顔に見えた。

普段にこにこしている顔に見慣れているのでその時の顔は頭の中に残った。



気にはしつつも時間は一刻と過ぎていき3時間が経ち9時になっていた。

2人はそろそろ帰ろうかと話しており俺はどんどんワクワクしていった。

昨日の夢愛との約束があるからだ。そこでスマホに通知が来た。


それは夢愛からの通知だった。


なぜ目の前にいるのにいちいち連絡をしてきたのかが分からなかった。


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夢愛 「蒼介ごめん!昨日の約束明日にできないかな?!


                        「いいけど、なんかあった?」 


夢愛 「なんかこの感じだと瑠衣から逃げれそうにないから笑」


                        「わかった!じゃあ明日で!」


夢愛 「ごめーんありがとう!」


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連絡が終わると、夢愛はこっちを見てウインクをしてきた。少々腹がたったが、それ以上に可愛かったので何も言えなかった。



つまり2人きりの時間までまた1日待たないといけなくなった。


そうして夢愛たちは帰り、空太と2人きりになった。俺は耳をふさいだ。



そしたら案の定空太が騒ぎ出した。強く耳を塞いでも、まだ聞こえてくる。

まだ家をでたばかりの2人に聞こえてしまうのではないかと思うぐらいに大きな声で

叫び走り回っていた。そろそろ隣の部屋から苦情が来てもおかしくない頃だ。



3分ほど叫び暴れてやっと落ち着いたようだった。

暴れ終わった空太はお風呂に入ってくるといいお風呂場に向かった。



暇だったので軽く掃除をしているとテーブルの上にあるスマホの通知が鳴った。

自分のスマホはポッケに入っていたので空太のスマホだ。



流石に空太のスマホでも見てはいけないとは思ったがその気持ちより空太ごときに

連絡をしてくるのが誰かと気になる気持ちのほうが勝ってしまった。



少しだけ。少しだけ。と思いながらも恐る恐る覗くと、瑠衣からの連絡だった。

内容は「明日夜に時間ある?」ということだった。完全に確定ではないだろうか。



俺はすぐにお風呂場の前に言って空太に伝えてあげた。



「空太!」と呼ぶとお風呂から曇った声で「なに?!」と返事が返ってきた。



「瑠衣が!明日!夜に!時間空いてるか!だって!」



そういった瞬間お風呂のシャワーが止まり空太が「まじ!?」と言いながら

勢いよく出てきた。軽くタオルで体を拭いたら全裸でリビングに向かっていった。



空太はスマホを手に取るとすぐにオッケーと返信したらしく、しばらく嬉しそうに

していた。どうやら俺がスマホを覗いたことはなんにも気にしていないようだった。



この流れで俺も明日夢愛と会うことを教えた。伝えると空太は思った通りに驚いた

反応をした。



空太は喜びながら驚く、変な興奮状態に入っていたのでその間にお風呂を済ませた。

お風呂からでて落ち着いた空太とお互いの状況について話した。

空太は急に誘われたらしく俺と似たような状況だった。



そのまま2人で疲れて寝てしまい、気づけば朝になっていた。



そうしてその日は空太とラーメンを食べに行きあとは夢愛との約束の時間までゲームをする。いつもの薄っぺらい1日を過ごし出かける時間になった。



ここから先は薄くなく濃い時間になる。



そうして会う約束をしている場所に向かった。








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