18話 誘い。

通知のきたスマホを手に取り開いてみると、夢愛からの連絡だった。

なんだろうかそんなことを思いながら。開いてみた。



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夢愛 「ねぇねぇ。蒼介。」


                               「どーしたー?」                                       


夢愛「急だけど、明日暇。?」


「あ、そうそうそのことなんだけど空太ともう一回夢愛達誘ってパーティーしようかって話になってたんだよね。」


夢愛「え!そうなのやりたい!行ってもいい!?」


                        「おっけーじゃあ決まりねー」


夢愛「あとさ。夜少しだけ別で時間ある?」


                      「あるよー空太にも言っておくね」


夢愛「いや違くて。私と蒼介2人でじゃだめかな。」


                         「あ、2人?全然いいよー」


夢愛「本当?!ありがとう!!」

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これは.......デートの誘い?!嬉しい反面びっくりしている。

今はもう夢愛達と出会って半年以上たっているが4人で出かけるということは何回かあったけど2人だけで出かけるということは今までで1回もなかった。



連絡を終え、その日は1日ダラダラすごし夜になりパーティーのことを空太に伝えると、案の定動物のように部屋を暴れまわりながら喜んでいた。


すると突然空太が俺のスマホを奪い中を見られた俺はとっさに奪い返した。

それは夢愛との会話が見られてしまうからだ。見られたか不安だが空太は

何も言わなかった。逆に怖かった。すると空太が口を開く。


「お前、夢愛ちゃんのこと好きだろ。」



なんでそうなるんだ会話を見たなら普通逆のはずだろ。

そう思っていると空太が俺の前に鏡を置いてきた。


「ほら、お前めちゃくちゃにやにやしてるじゃんか。」


鏡にうつった自分の顔はだらしないぐらいににやついていた。とっさに顔を変えた。

だが空太はもう遅いと言い、さらに馬鹿にしてきた。空太がテンション高いのもありいつもの何倍もうざく感じた。暴れまわり響く床。空太の声。テレビの音。

全部の音が不快でしかなかった。


「よくこんなにイラつかせられるよなお前。」


思わず口に出てしまった。さらに言おうと喉まで言葉が来たがぐっと抑えた。



そういうと空太は机を挟んで俺の前に座り込み眉をひそめて言った。


「んで、実際どうなんですか?俺はしっかり言ったぞ。」 



相手側が好きな人を言ったら自分も言わないといけない決まりでもあるのだろうか。

「小、中学生が言いそうなこと言うなよ。」なんて言おうとしたが多分空太に言っても「何言ってんの」か「どういうこと?」と言う姿が簡単に思いつくので諦めた。



「なにが?」



「わかってるくせにー夢愛ちゃんのことだよ!どうおもってんの!」

                                        


正直あんなにニヤニヤした自分は見たことなかった。それに誘われて嬉しかった。

でもどう思ってるのかと聞かれると。好きといえるのだろうか。そんな中途半端な

気持ちでいる。



「今はまだわからないかな。」



空太は大きくため息をして「なんだそれ」と言った。



「わかんないものはわかんないんだよしょうがないでしょ!」



自分でも何言ってるかわかんないが空太は何故か理解した。



そして暴れて疲れきり寝てしまった空太をベットに連れていき投げた。

俺ももう疲れたので部屋の電気を消しベットに横になり思い返す。


俺らはバンドの練習をしに行くために夢愛達の家に行っていた。

でも俺らはいつからか気づかないうちにそれをただの口実にしていた。

もう一緒にいるのが当たり前の存在。いや、必要な存在。になってしまった。

空太にはあんなことを思ってしまったが、俺もいつかそうなってしまうのでは

ないか自分でも気づいていたのだろう。



カーテンの隙間から外の街灯の明かりが差し込む。部屋は光で薄暗くなった。

薄暗いはずの明かりだが今の俺には眩しく感じた。


思い返すともう中途半端な気持ちじゃいられない。



俺は夢愛が好きだ。



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