17話 夢の中。
家につき風呂も入ってベットに横になっていた。
「あぁ瑠衣ちゃん可愛かったなぁ。」
何回この言葉を聞いただろうか最低でも1日3.4回は言っている。
最初の方は言葉を返していたけどもうめんどくさくて相槌すらしていない。
にしても本当に恥ずかしい。なんなんだあの自信はどこから湧いてきた?
もう最近は無駄なことしか考えていない。自分がばかばかしく思えた。
そんなことを考えながらその日は寝て無事終わるはずだった。
その日とある夢をみた。まるで実体験かのようなものすごくリアルな夢。
詳しい1人1人の会話までは夢だからなのか聞こえては来なかった。
このときの俺はおそらく小学生高学年ぐらいだろうか。バンドをしていたときの事だ
本当に現実なのではないかそう思わせる程の完成度な夢だ。
その日は父親とバンドに向かっていたのか?どこだろうか車庫らしき所で練習となのかな。するとそこにどこかの親子?らしき人達がきた。女の子と男性かな?
あれ?おかしい。父さんの顔はくっきり見えている。見えているのに、他人であろう人物の顔は一切見えない。顔には見えそうで見えないモザイクが掛かっていた。
誰だこの親子?思い出した。おそらく昔のバンド仲間だ。きっとそうだろう。
でもやはり誰かは思い出せない。そうしてバンドの練習が始まり1時間ほどで終えた。そこで気づくこの夢の中では一人称視点より三人称視点っぽい感じだった。
そうして夢の中での俺たちは帰ること事になった。その日は神奈川では珍しい雪が降っていたほんの少しだけ積もる程度に。寒さと雪で地面は少し滑るように見えていた。そうして信号待ちをしているときだった。急に俺の視点が変わった。
今までは後ろや前から眺めるような形だったが。今は上から眺める形に変わった。
なぜ変わった。意味はあるのか?そんな事も考えたが意味は特にないと思った。
その時にあることに気づく...
上から見えたあの車なんか様子がおかしい。まさか。その車は信号待ちをしている
ところに突っ込んでいきそうになった。あのまま行けば多分だが女の子はギリギリ
アウトのラインにいる。まずいぞ。今となっては夢とわかっていたが、そのときは
リアルな夢過ぎて、夢の中の三人称視点の俺は焦っていた。だが夢は操れない。
だからなおさら焦っていた。
気づけ。気づけ。小学生の俺。気づけ。大人2人は話していて気づいていない。
まずいぞこのまんまだと本当に。もうすぐそこに車は来ていた。
そのままぶつかると思ったその時に小学生の俺は気づいた。そして小学生の俺は
女の子に飛びついてかばい轢かれた。完全にかばいきることはできなかったように見えた。「どうなったんだ?」三人称視点の俺はそう思うことしかできなかった。
そこで夢が終わり俺は目覚めた。そうして夢だと気づいた。もやもやする。
どうなったんだろう。続きが気になって仕方なかった。まぁ夢なのだけど。
「おはよー。珍しくずいぶん遅いねぇ」
空太がもう起きている。俺が普段起きているのは9時前、空太は10時過ぎ。
空太の早起きかと思ったが。スマホを開くと、もう11時になっていた。
そんだけ夢に夢中で、起きれなかった。本当に何なんだろうあの夢は。
「本当だ。もう11時か。ずいぶん寝たな。」
気づけばもうすぐ年を越す時期になっていた。そして明日はクリスマスイブだ。
もちろん彼女はいないから暇だ。今日からしばらく冬休みということで
バンドなどの予定もなかった。なので空太とどっかに行くかなどと話していた。
そこで冗談まじりでこんなことを言った。
「また家でパーティーとか?笑」
「あり!!瑠衣ちゃん誘おう!!」
本当に瑠衣のこと大好きなんだな笑そんなところも空太のいいところなのかもな。
空太はすぐに連絡しようとしていたが、はやとちりすぎ笑と言って止めた。
そんなことを話していたら、スマホに通知が来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます