16話 退院。
退院して家に帰ると空太がいた。靴を脱いだ瞬間こっちに飛びついてきた。
無言で抱きついてきてなんにも話さないので足に空太がひっついたまま
リビングのにつながるドアを開けた。
「これは何なの笑」
ドアを開けるとパーティー開けしてあるたくさんのお菓子、出前を取ったであろう
ピザやハンバーガーなど2人で食べきれるとは思えない量の食べ物や飲み物が
テーブルいっぱいにおいてあった。
「帰ってきた...良かった...もうお前死んじゃうのかと思ったよ。」
今にも涙がこぼれそうな真っ赤な目でこちらを眺めてきた。
「死なないから笑 平気だって笑」
でも正直少し怖かった。なぜ倒れたかがわからないと看護師の人に言われたからだ。
原因が不明となっていたためまた別日に地元の病院に行くように言われた。
またいつ倒れてもおかしくないと思うと少し鳥肌が立つ。
「なら良かったけど無理すんなよ。」
「大丈夫大丈夫!じゃあ食べるか!」
ピーンポーン。ピーンポーン。
食べようとしたらチャイムが鳴った。すると空太がなにかボソッと言って
立ち上がり玄関に向かった。ドア越しに会話が聞こえてくる。聞き覚えのある声。
会話が終わると足音がこちらに向かってくる。1人じゃない。誰かいる。
ドアが開くと...。
「蒼介大丈夫?!?!」「そっけ大丈夫ー?」
空太の後ろには夢愛と瑠衣がいた。なんでここにいるのと思ったがテーブルを見れば納得できた。部屋を見られるのは恥ずかしいが心配してくれた嬉しさもあった。
「2人とも来てくれたんだ。ありがとう。もう大丈夫だよ。」
「じゃあみんな揃ったし蒼介ちゃん退院パーティー始めましょー!」
そうして俺らは8時から10時手前まで食べたりゲームをしたりして楽しんだ。
こんなに楽しいと感じたのはかなり久しぶりだと思う。
食べ終わり食器を洗っていると瑠衣が食器を運んできてくれて、洗うのも手伝ってくれた。
「楽しかったなーまたいい形でパーティーやりたい!!」
「俺ん家でよければいいよ笑」
こんな何気ない会話をしていると瑠衣が俺に聞こえない程度になにか言った。
「ん?どうした?」
「あんまり言いたくないけどそっけにはすぐバレそうだから言っちゃうね。」
深刻そうな顔をしている。なにを言い出すんだろう。
「私さ、空太のこと好きになっちゃった。」
あれ?え?あれ?心の中で何回も繰り返された。
おかしい俺の予想が外れたのか。あんなに自信満々に確信したり心の中で空太を馬鹿にしていたのに。これはマジで恥ずかしいやつだ。顔が赤くなりそう。
「え!そうなの!アピールしないと!」
自分で言っていてなんて白々しいんだと思う。
「ちょっと!声大きい!」
「あぁごめん笑まぁ影で応援しておくよ。」
会話も終わり片付けも無事終わって夢愛達のことを駅まで送り、俺らも家に帰った。
穴があったら入りたい。
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