15話 病院。

目が覚めると俺は病院にいた。起き上がると隣には父さんが座って寝ていた。

なんで父さんがとは思ったが俺が誘ったんだったな。


ついていたナースの人がどこかに行った。


俺は何が起きたかは覚えていない。気づいたら夜になっていた。

記憶がないのだ。何が起こったのかその日の朝までの記憶はあるがライブ会場に

ついてからの記憶はそこだけ切り抜かれたのかのように覚えていない。


すると勢い良くドアが開いた音がした。カーテンが張られていて見れないが音で

走ってくるのがわかる。すると突然カーテンが開けられた。

そこには空太が立っていた。走って疲れている様子、駆けつけてきてくれたのか。



「お前大丈夫なのか..?夜になるまで目覚まさなかったんだぞ。」



空太の頬に数滴の涙が流れた。その涙は月の光によって美しく見えた。



「うん特に平気だけど。なにがあったのかわからなくって...。」



「覚えてないのか。とりあえずライブは中止してお前病院に連れてった。」



今の時刻は夜の8時どうやら俺は5時間ぐらい目を覚まさなかったらしい。

空太はずっと待っていてくれたらしい。本当に友達思いなやつなんだな。



夢愛達も待っていたが空太が2人は遅くなりそうだからと帰したらしい。

そうして空太から何があったのかを色々聞きその日は帰ってもらった。


俺はライブ本番直前までは倒れずにいたらしい緊張で顔が死んでいたと言っていた。ライブ開始して俺がバンドを1叩きした瞬間倒れたとのこと。ライブに来ていた人数はそんなにいなかったからそこまでの騒ぎにはならなかったらしい。

底辺のバンドグループで良かったな笑。でもなぜ倒れたんだろう。それが気になる。

体調が悪いというわけでもないからだ。



「おぉ。空太起きたか。」


夢愛達からの通知で溜まっていたスマホを見ていると、父さんが目を覚ました。


「お前なんで倒れたのかわかるか?」



空太から聞いていたからわかるが、なんでこんな事聞いてくるんだろう。



「空太に教えてもらったよ。なんかドラム叩いた瞬間倒れたって。」



「そうか。俺が見に来てくれといてよかったぁ。」



なんか父さんがボソッと言ったような気がしたが気にせず俺は寝た。



そうして父さんはその日は帰り、俺は次の日の夜に無事退院した。

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