10話 一緒に。

空太には再びバンドを始めるということは言っていたけどまさかこいつもやるとは

ましては俺の家に一緒に住むなんて意味がわからない。なんで親は同居なんか許可したんだよ。笑 どうせ父さんが決めたんだろけど。笑


「え? まぁバンドやり直すのはわかるとしてもなんで同居すんだよ。」



「蒼介の父さんに蒼介と一緒にもう一回バンドをやりたいので同居させてくださいって言ったらオッケーもらっちゃった。」



「まじかよ。そんなにあっさりオッケーだしたの。」


父さんと空太は俺の家で遊ぶときによく話していたりしてなんだかんだ昔?から仲が良いからすんなりオッケーを出したんだと思う。昔からかぁ。そんなに記憶ないな。

時々思う。昔の記憶的なのがどうも思い出せないことを。バンドをしていたことだけ覚えている。なんだろうなぁこの感じ。ここ数日間辰巳夢愛という名前を聞いてから

もやもやとした感情が頭の片隅を駆け回る。そろそろこのもやもやに終止符を打ちたいがまだ思いだせそうにもない。でも事故ってなんだろう。考えても無駄か。



「で!!蒼介一緒に住ませて!!!お願いします家賃半分払うから」



「いやそれは当たり前だけど。えぇどうしよう。てか高校とかはどうしたの?」



「あぁやめたよ!そんぐらい蒼介とバンドしたいしまじでやりたいから」



こいつまじか。とは少し思ったが顔がガチだから断るにも断れない。


「まぁ本気なら別にいいよ。」



「まじで!ありがとう! 蒼介はどっかのメンバーに入ってるの?俺この間面接いって受かったばっかだよ」



「俺は入ってるけど...ちょっと待って。入ってるの?もう?」



「うん入ってるよ」



普通に考えればこのあとの展開は予想できるはずだがこのときは気づかず

スルーしてしまった。



そこから色々話して状況は大体理解してきた。整理すると俺がまたバンドを始めたことを聞いて空太もまたやりたくなったらしい。それで俺の父さんに頼み込んで一緒に住むことの許しを得たそうだ。俺は俺の状況適応能力にびっくりしている。



それと忘れていた明日はバンドに来てほしいと瑠衣から連絡が来ていた。

前回あんな感じの別れ方をしたから次行くのは少し気まずい。

まぁ俺があの時何も言わなかったからっていうのもあるんだけど。

 __________________________________________________________________



「ねぇ瑠衣明日蒼介くると思う?」



「え?こないの?なんでなんかあったっけ?」



「あぁいや。なんもないや...気にしないで。」



「そー?ならいいけどなんかあるなら言ってねー?」



そっかこの前の蒼介とのことは瑠衣には言っていないから私達が若干気まずいこと

知らないのか。なんか悪いこと聞いちゃったな瑠衣が気にしたらどうしよう。どうしようかな私からも連絡した方がいいかな?瑠衣がしたって言ってたし大丈夫かな。

あーもうどうしよう!考えるほどわかんないし会ったときに接しづらくなっちゃうよ


結局私は蒼介に連絡はしなかった。とういうよりできるない。する勇気がない。


_________________________________________________________________



「おいもう寝てくれ。俺明日バンドの集まり行くから。」



「えぇもう寝ちゃうのー?歓迎パーティーは?」



「もう充分すぎるぐらいしただろ。じゃおやすみ。」



今の時間はもう2時。4時間ぐらい空太の歓迎パーティーとかなんやら意味のわからないことに付き合わされた。とりあえず明日は、いやもう今日か。はバンドに行く事は決めていた。とりあえず疲れたので寝ることにした。



「おっっっっっっっっっっはよー!!!!」



「いっでぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」



最悪の朝。これから毎日寝てるとき上に乗られると考えると本当に最悪の朝だ。

今の時間は9時あと2時間後には行かないと行かない。



「あ、俺も今日こっちのバンド行かないといけないから2時間後家出る」



この時点でいくら鈍感でも流石に気づくけど俺らはなぜか気づかない。



「おぉ一緒なんだ」



「じゃあ途中まで一緒に行くかー」






そして2時間があっという間にたち俺らは一緒に家を出た。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る