9話 友人。
寝るな。話せ。俺の過去を聞かないと。寝るな。
俺が寝かけた時だった。
ピーンポーン。ピーンポーン。ピーンポーン。ピーンポーン。ピーンポーン。
その音がかすかに聞こえた瞬間一瞬で目がさめ頭痛も一気に引いた。
何故かこの時の俺は自分の過去より誰が家に来たのか気になってしまった。
父さんにはもう治ったから平気だよと言ってすぐに電話を切ってしまった。
ピーンポーン。ピーンポーン。ピーンポーン。
誰だ。と思いながらドアスコープを覗くとそこには誰もいなかった。
心底後悔した。なぜ自分の過去よりこんな事を気にしたんだろう。
そんな事を考えているとだんだん腹が立ってくる
こんなしょうもないイタズラする奴初めてだ。
まだ近くにいるかもしれないからドアを開けてみることにした。
開けた瞬間だった。
「わぁぁぁ!!」
「わぁぁぁ!!!誰だよお前!!!」
ドアを開けるとドアスコープの死角になっている所から急に男が出てきた。
後ろ向いてるから誰かはわからない。驚かされて心臓がバクバクしている。
早い鼓動をがんばって抑えつつ知らない男の肩に手を伸ばし振り向かせた。
「ああああああバレちゃった!笑」
俺は声が出なかった。というより出す気にもならなかった。
なんでこいつがここにいるのかが理解できない。せっかくプレゼントをもらうときのようなワクワク感を持ちながら振り向かせたのに気分が台無し。
「いやバレちゃったじゃないからなんでお前がここにいるのか意味がわからない。」
「もーう冷たいなぁ。せっかくこの荻野空太様が神奈川から来てあげたのにさぁ」
荻野空太は俺と小学校から高校まで一緒だった友達で俺が高校を中退してからも唯一連絡をとりあってた友達。
でも疑問がいくつか浮かんできた。
なぜ空太が俺がここに住んでいることを知っているのか。連絡をとりあっていたとはいったもののそこまで詳しいことなどは教えていない。
そしてもう1つは空太がなにをしにここに来たのか、連絡を取り合ってた間もとくにこっちの事を気に掛けるような話はしていなかった男子高校生らしい会話をしていただけ。
「んで、何しに来たんだ?」
俺がそう言うと空太は満面の笑みでこっちをじっとみてきた。
「何その顔。」
「実はさぁ///おれぇ///蒼ちゃんと一緒に住むのぉ///」
なにを言っているんだこいつは。でも昔から一緒にいるからなんとなくわかる
こいつは本気で言っていることがわかりたくもないがわかってしまう。
でもやっぱり急過ぎて意味がわからない
「はい、じゃあかえってください。」
「あーまったまった本当なんだって!!ほら!荷物もあるじゃん!」
「え、まずなんでここにいるの?聞きたいこといっぱいなんだけど」
「とりあえず中入れてよ。」
正直嫌だが聞きたいこともあったので渋々中に入れることにした。
「おじゃましま~す!うわー相変わらず綺麗好きだねー」
潔癖症とまではいかないが結構きれい好きなほうでこまめに掃除などをしていた。
部屋の中はそこまで広くないが安い家具などを集めていい感じの雰囲気にしてる。
「とりあえず座って。」
空太にべットの正面に座ってもらい俺はベットに座った。
「何個か聞きたいことあるけどまず聞きたいこと、何しに来たの?」
「お前この間本気でバンドやり直すって言ってたじゃんだから俺もやり直そうかなって思って、だからお前の親に頼んで一緒に住ませてもらうことにした。」
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