7年越しのバンドでの思い。

８話 事故。

本来ならもう面接の時間かな。俺はなにをしているんだろう。これを心の中で思ったのも何回目だろうか。まだバンドに入ったばっかりだけど正直もう行くのもやめようとも思った。ただただ夢愛と会うのが気まずいだけで。

自分でも思う、本当に情けない。高校もそうやって逃げてきた。

だが７年前という言葉にずっと引っかかる。でも何が原因なのかはわからなかった。

「俺の７年前...か。」

いくら考えても思い出せなかった。ただ１つだけ覚えていたのはバンドをしていた。

そして父さんと父さんの友達と、あとは誰かもう１人...もう１人...。

「父さんに聞けば何かわかるのかな。電話してみるか。」

俺はスマホを手に取り父さんに電話をかけた。

５コールほど鳴った所で電話に出てくれた。

「んだよ。休みの昼からー」

電話越しにかったるそうな声が聞こえてきた。

「あのさ少し聞きたいことがあって。」

「なんだ？女の口説き方とかか？」

「ちげーよ笑」

「それでさ、俺って７年前バンド以外なんかあったっけ？」

「え？」

俺がそう聞くと震えた声で父さんが返事をした。

父さんは「え？」という言葉を発してから少しの間沈黙していた。

「どうして急に..７年前のこと。？」

「なんとなくだよ」

「そうだな。お前の７年前か。あまり言いたくないが聞くか？」

電話越しでも感じる。いつもの父さんではない感じを。

言いたくない？なんでだ？７年前何があったんだ？俺はなにをしていた？

聞きたいという気持ちと怖いと言う不安に襲われた。

「蒼どうする？聞くか？」

「う、うん聞く。」

「７年前お前は、事故にあったんだ。」

事故...？その瞬間頭に激痛が走った。

痛い。ズキズキと痛む。すごく痛い。あぁ。痛い。きつい。苦しい。

俺はうなることしかできなかった。

「うぅ。」

「蒼！！大丈夫か！！！おい蒼！！蒼！聞こえるか！！ベットで横になれ！」

父さんの声は小さいが聞こえてきた。

俺はなんとかして立ち上がりベットに向かった。ベットで横になっても頭痛が

ひどい。なんにも考えられない。急激に眠気が来た。

やばい寝ちゃう。