3話 始めた理由。
誰か来た。
「たーーーーだーーーーいーーーーまーーーー!!!!!!!!!!」
近くで言われたら確実に鼓膜が破れるのレベルの大声だ。
小柄で可愛いらしい人だ。
「あ、おかえりー相変わらず声でかいな」
「夢愛この人誰?!?!まさか彼氏!?!?うちより早く?!」
「んなわけ、この間話したバンドの面接に来てくれたんだよ。」
「え、あれ応募してくれた人いるんだ しかもイケメンじゃん笑」
俺は存在を忘れられているのか?
「あのーこのかたは?さっき言ってた唯一の親友の方?」
るい
「あーそうそうこの子の名前は 海野 瑠衣だよ!瑠衣この男の子は寺島 蒼介だよ!!!あだなはーうーん、そっけ!!!そっけって呼んであげてあ、ちなみに二人とも学年一緒だから3人同い年だよ!!!」
そっけなんて人生で初めて言われたあだ名だ。「勝手に変なあだ名を決めるな。」
「てゆーかそっけ君と夢愛さっき会ったにしては随分仲良くない?あだなまで決めちゃってるなんて」寺島蒼介か....。
「そうかなー?こいつ大声出すから嫌い!!!」
確かに私なんでこんなに話進めちゃってるんだろう。なんか懐かしい感じがして
ついつい夢中になって話しちゃってたな。しっかりしないと!夢のためだ。
「俺もこいつイヤホンつけてるから嫌い!!!」
確かにそう思えばそうなのかもしれない、俺と夢愛はまだ会ってから全く時間が経ってていない。そう、経っていないのになぜかこんなに話が進んでる。なんだろうこの
不思議な感じ、まぁ気のせいだろう。
「そうなんだ~笑でバンドはどうなったの?」なーんだいい感じかと思ったのに。
「蒼介に入ってもらうことになったよ!」人数合わせとか言えないけど。笑
「あ、そうだそのことだけど瑠衣にも入ってもらうことになったから」
「え?だから何回も言ってるけどお金が貯まるまで無理だって笑」
「なんか蒼介がお金に余裕あるらしくて、楽器買うんなら貸してくれるらしいよ」
「え、まじで!?いいのそっけ君!?やっっっっっさしーーー!!」
「まぁ。いいですけど。貸すですからね?ちゃんと返してくださいね!?」
「え、本当にいいんだ!やったー!うちベースだったからベース買って!!」
「え、バンドやってたんですか?やってたのになんで持ってないんですか?」
「昔バンドやってたんだけど中学卒業してすぐに親と大喧嘩しちゃってさ!
んで頑張って貯めたお金とスマホだけ持って夢愛の家に逃げて、高校一緒だったから
2人で暮らす?ってなって家にベース忘れたって感じ。それでもう金ねぇ!笑」
「おぉ...そんな過去が。じゃあ5万ぐらいなら貸します。返してくださいね!」
「ありがとう!でもメンバーまだ足りなくない?」
「確かに!あと1人は欲しいね!私がギターで、瑠衣がベース、蒼介何志望?」
「俺ドラムで!!!」昔ドラムしかやってなかったドラム以外できない。
「へぇ 蒼介ドラムやったことあるの?」
「うん、小学生の時にやってた。」自分で言うのはなんだが結構うまい方だった。
「なんで始めたの?」
「それは父が関係してるんだ。」
「なんでパパが?」
「父が歌うこと趣味で、父の友達がバンドやらないかって父のこと誘ってさ、入ったんだけどそれでも人足らなかったらしくて笑そしたら俺まで誘われちゃって笑最初は絶対やだって何回も断ったんだよ。でも、1回やってみてから考えてほしいって言われて、今思えばなんで小学生にこんなに頼るんだって感じだな笑 それで1回だけやってみたら楽しくてハマっちゃって笑そこから頑張って練習してたって感じかな。」
「へぇ笑笑笑なんか意外かも笑でも3人じゃ厳しくない?」
「うーんどうだったっけな。なんかそこまでしか覚えてないや。もう1人誰かいたっけな...どうだったろう。そこは曖昧かな。笑」
「ふーん。」私もそんな感じだった気がしなくもない。
「じゃあそっけ君ドラムうまいんだ!!楽しみ!!!」
「まあそこそこできるって感じです笑そんな期待しないでください笑」
こんな話をしていたらもう時刻は19時になっていた。
「え、もうこんな時間になっちゃったよ蒼介このあとどうするの?」
「とりあえず今日はもう帰ろうかな!」
「あ、じゃあそっけ君連絡先教えてよ!グループ作るからさ!」
そうして連絡先を交換したあと俺は2人が住んでいるアパートをあとにして家に帰った。家につきシャワーを浴びているときにふと思った。
辰巳ってどこかで聞いたことのある名字だ。
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