2話 1人のメンバー。

「君、ここに何しに来たの?!また大声出しにきたの?!」



「いやいや、バンドの面接的なので来てるから。逆になんで君がいるの?」



「いやいや、こっちがいやいやだよ。私そのバンドの面接官だから。」



「え、冗談やめてくれよ。」でもたしかにコンビニの時もギター背負ってたか。



「もう君不採用で!」やっぱりクソ店員はクソだ。



「ていうのは冗談で面接始めましょうか!ニコッ」まずいまずい



「回れ右して帰っていただいて!笑」あ、でも不採用にしたら人いなくなるか。



「すいませんじゃあ帰らせえていただきます。」せっかく来たのに金の無駄かよ。



「あーやっぱり待った待った。しょうがないから受けていいよ。」危ない危ない笑



「いいえ、俺が悪いので帰らせていただきます。」もう帰えって別の趣味探すか...



「帰るなバカ店員!!笑」人数困るから行くな!!!



「なんですか。」なんなんだこのバカ客は。どっちだよ。



「君面白いな、バンドの仲間にしてあげるよ!」人いないしこいつでもいいか笑



「え?本気ですか?」こんなあっさり入っていいのか?



「うんいいよ!ちなみに君名前なんていうの?」



「寺島 蒼介 3ヶ月前に高校中退して東京にきたんだ。君は?」


たつみ ゆあ

「辰巳 夢愛だよ。一応高校には通っているけど...。」恥ずかしいな。



「何かあったの?」



「えぇその〜、友達がいなくって...。///」やっぱり恥ずかしい。



「は。心配して損したな。」何だこいつ。手が出そうになった。



「なんだよ!私も恥ずかしいんだよ!」っんだこいつは。



「で、これからどうすればいいの?」先が不安になった。



「とりあえずついて来て。」



俺は何をしているんだろう。そう思いつつもついて行くと、物置部屋らしき所に来た。バンドをしてるには随分と狭い。ギターも1本しかなくバンドに必要な他の 楽器(ベース、ドラム、キーボード)がなにもないのだ。


「バンドにしては楽器少ないし、みんな練習場所とか別々なの?」



「実は...その...まだバンドのメンバー私以外1人もいなくって...笑」



「はぁ?笑それバンドできないじゃん」大丈夫かほんとに...



「だからバンド募集の広告頑張って作ったんだよ!」



「俺しか応募しなかったのか...笑」色々終わってるな。



「もう蒼介君はうちの正式なメンバーだよ!!」



「君づけ。 辰巳さんは何年生?」同い年だったらいいけどな。



「私高1!蒼介君とタメだよ。バンド応募の生年月日のところ見た時同級生で安心したよ!てことで君づけやめるね! あ、夢愛でいいからね」



「わかったけど、メンバーはどうするの?」



「んーどうしよっか。蒼介は中退して東京来たわけだし流石に友達いないよね。」



「うん笑 夢愛はもともと友達いないんだもんね。」俺もいなかったけどね...笑



「気になったんだけど、ここ地下にあるだけでただのアパートだよね?笑

部屋狭いし、アパート感満載だし笑」



「うんそうだよ!笑」



なぜか彼女は誇らしげな顔をしていた。

「ここに一人暮らししてるの?」



「いや、ここで小さい時から唯一の親友とシェアハウスてきなことしてる。」



「え? じゃあなぜその親友はバンドメンバーに入ってないの?」ツッコミどころが多い。



「あーそれはね、その子お金なくって...笑 楽器とかなにも買えないの笑 だから今バイト3つ掛け持ちしてるらしい。笑」



「じゃあいまその子はバイト中?」3つもすごいなぁ。どんな子なんだろう。



「そうそう!今バイト行っててもうすぐ帰ってくると思うけど。」



「あ、そうだ! 俺お金少し余裕あるからその子に貸そうか?」



「おぉいいねそれ。安いやつだと2,3万とかかな! じゃー決定で!

あ、あと人数もう1人ぐらいほしいんだけど人が集まるいい方法ない?」



「街に出て呼びかけとか?笑」そんぐらいなら協力できる。



「じゃあ今から一緒に行こう!」全部蒼介に任せればいいか!



「あぁやっぱりやめやめ!全部任せるって顔に書いてあるから。」
















 そうこうして話し合いをしていると、ガチャというドアを開けた音が聞こえた。



  




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