7年越しのバンドでの思い。

かしわもち

1話 出会い。

俺は上院高校に通っている...いや通っていた。寺島蒼介のほうが今はいいだろうか...



高校は中退したのだ理由は簡単に言うと友達の筆箱を壊し、あげくの果てに上にのしかかるなどの暴力行為、そして先生に呼び出され学校側はこの行為をいじめと判断、無期限の特別指導という退学の次に重い罰となり学校に居づらくなって自ら高校を中退そして家を飛び出し、4ヶ月がたち今に至る。



「はぁーー、これから何しようかな...」もうこれを言うのは何回目だろうか。



一人暮らしを始めてなんとかして安いアパートを見つけバイトをし、今までのお年玉貯金やお小遣いをコツコツためていたのもあり少しだけ余裕がある生活をしている。



いつもどおり家でゴロゴロしてスマホをいじっていると、1つの広告が俺の目に飛びついてきた。



「バンド募集中。初心者大歓迎か... んーバンドかー。まあ暇だしやるのもありだけど迷うなー。とりあえずバイト行くか〜」と立ち上がった瞬間、すべってコケてしまった。



「やっべぇ...うわーやっちまった。お茶こぼしちゃたよー」面倒くさいがこぼしたお茶を拭いていると。



「ふぁ!?!?」思わずとんでもない声がでた。スマホの画面には応募完了という文字が表示されていたからだ。コケたときに間違って押してしまったということだ。なぜだか少しやる気があったため電話番号などの個人情報を入れ、あとは「応募する」を押すだけの状態にしていたのだ。



「おいおいまじかよ...どうしようかな。」



「やばいやばいとりあえずバイト行かないと」そうして俺はバイト先のコンビニに向かった。もうあたりは暗くなり始めていた。



「ふぁ〜ねむいなぁ。」そんな事を言ってたら客が来た。



「いらっしゃいませー」その客がレジに来た俺と同年代ぐらいもしくは少し年上?

まあそんぐらいの女の子だ。イヤホンをつけていて何か背負っているなギターか?



「お会計880円です。袋おつけしましょうか?」イヤホンで聞こえてないな。

「お客様ー袋つけますかー?お客様ー!」俺は少し大きな声をだした。ちょうどそのタイミングで女の子はイヤホンを外した。



「うわぁ 急に大きな声出すなよ。あ、袋お願い」変な店員だな。顔はイケメン。笑



「すいません聞こえないと思いまして。」何なんだこの客は腹立たしい。

顔だけはいいかもな。笑



「お釣り120円です。ご来店ありがとうございました。」もうくるな。



そしてその客はへいぜんとした顔をで帰っていった。



バイトも終わる時間になった。

「はぁ〜今日はもう疲れたし帰ってすぐ寝よ。」あのばか客のせいだ。



家についてお風呂に入り、寝ようとしたときに1通のメールが来た。



「誰だこんな時間に。」今の時刻は夜の11時。



眠い目をこすり画面を見てみると、夕方間違って押してしまったバンドについてのことだった。



「うわー、こんなのあったな...。」すっかり忘れていた。

画面に書いてあったのはバンドメンバーに入るための面接についてだった。



4日後の16時に書いてある住所に来てくださいとのことだった。

「秋葉原かぁ電車で2駅ぐらいで近いからいいか。」



そしてあっという間に4日後の16時になっていた。

「ここであってるよな。はぁ、案外緊張するな笑」やはり面接というものは

緊張するものだ。



地下につながる薄暗い階段を降りライブ会場に無理やりしましたよ感があるところにきた。妙な雰囲気だ。今までに体験したことない感じ。



少しだけワクワクした気持ちも出てきた。



緊張するがまずはイメージトレーニングからしよう。まずはドアを開け

大きな声で挨拶、そして中にはいる。完璧なイメトレだ。



そしてドアを開けた。「しつれいしまず!」早速噛んでしまい幸先が不安だ。

気を取り直し中に入ると、奥にこちらに背を向けるかたちで座っている女性がいた。

俺はそっちの方に歩いていった。



「はじめまして。」この人噛んでたな。緊張してるのか笑



「あ、はじめまして。」噛んだの誤魔化せたな



「どうぞ、お座りください。」この人どこかでみたことあるような。



「失礼します」ん?どこかで見たことあるよう気がしなくもない。



「では、面接をはj..って!! 君はこの前の大声コンビニ店員!!!!」



「え???」なんのことだ

「ああああああ!!!!!イヤホン迷惑客だ!!!!!!!」あいつか!!!!












       これが俺と謎女の”出会い”だった。

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