二次元オタクの旅

令和5年秋庄内行き(その2)

翌３０日。『ソードアート・オンライン』のアスナこと結城明日奈嬢が誕生日を迎えた日。起きたのは５時過ぎだった。離れの『楽山』へ出向いて入浴しする。これからの件は贔屓のゲームヒロインかアイドルでも思い浮かべて読んでもらいたい。

この浴場は内湯が複数あり、大きめの壺湯『シルクの湯』は白濁した湯が張られている。当にアスナ嬢やアリス・ツーベルク嬢なら宣材写真でも撮れたであろう浴槽である。ここの露天風呂は『楽水』に比べて広かったように記憶するが、それでも狭い。

アスナ嬢 生まれたる日に 朝風呂と 浸かり揶揄ふ 我らがキリト

この歌は浴場から『ＳＡＯ』のキリト君を揶揄った歌である。部屋に戻ってデレスポ、シャニマス、デレステ、ミリシタを立ち上げ、シャニマスではガシャラッシュ、ミリシタのデイリー曲は『ココロ☆エクササイズ』で高坂海美嬢のソロ曲だった。『ミリマス』のアニメが放送されたのはこの日の翌週からである。しかも、日曜の午前１０時台に放送されるとは夢にも思わなかった。

この日、再放送の『あまちゃん』が最終回を迎えた。『火野正平のにっぽんこころ旅』は北海道編である。

この日の朝食は４年前と異なり、バイキングを廃止していた。Ｈ氏が言うに『バイキングだと量を優先するので「もの」が良くない』とのことである。

食べたものは鯛の刺身で、丼ぶりにし、お茶漬けにして食べ方を変えて食べる。苦しみながら部屋へ戻り、酒田市の『ル・ポットフー』へ飛ぶことを取り止め、退却を決めることとなる。

みく嬢の 避けしあつみの 鯛茶漬け 刺身を取りて 出汁を掛けたり

私も魚は条件付きだが、『デレマス』の前川みく嬢は重度の魚嫌いである。この旅館は酒田や鼠ヶ関で揚がった魚介類を捌いているので比較的新鮮である。このとき、昨夜食べ残したキャラメルプリンを口にする。

スマホが行方不明になり、２階の『芙蓉』まで探したが、無いという。貴重品入れを探したらそのスマホが出てきた。ガス抜きがてら部屋を出て『たちばなや』を指し、観光案内所まで歩く。問題はモバイル通信の方でキャリアの設定が外れており、『ドコモ』に設定し直してようやく復旧した。温海川を渡る途中で飲んだ飲泉所の湯は熱い。観光案内所へ至り、あつみ詩鶴嬢のキーホルダー８百円を買った。タオル３百円とステッカーは品切れだという。

温海川 渡りて訪ぬ 詩鶴嬢 『格あり拒む』 と聞きて嘆く

観光案内所の受付係氏に『「萬国屋」はコラボしてくれない』と言ったが、『「萬国屋」や「たちばなや」は宿に格があるから』と返された。

モバイル通信の復旧にほぼ１日掛けて苦戦させられ、９時半過ぎにあつみ温泉街を出る。

今回、勝木の交差点で右折し、桑川へ至る。現村上市を走行する中で特急『いなほ６号』に先を行かれた。瀬波へ至ったのは１０時半過ぎだった。ここも温泉地だが、目を付けたのはエンバウンド社より大江戸温泉物語シリーズの方が遥かに先である。

向かひ風 冬の棚美と 瀬波の地 未だに来ぬは 温泉むすめ

この時点で１１月に松之山棚美嬢が居る松之山へ行く構想はあり、皮肉にも『温泉むすめ』が嫌いな筈のＨ氏から決定打を貰うとは思わなかったのである。そして北海道の豊富に花井美春女史と千種みのり先生を動員してまで『温泉むすめ』を設定しているのに我が新潟県の瀬波には何故来ないのか、という哀しさもある。

神林岩船港インターから日東道に乗り、１１時前に姉にして義理の従姉であるＳ女史から電話が来る。Ｈ氏が運転しながら通話をするのもＢｌｕｅｔｏｏｔｈあってで、そうでなければ難しい。それを教えたのはＨ氏から見た年の近い方の兄、Ｈ０氏ではなかったか。Ｓ女史からは子供が病気になったので、つくば市まで世話してもらいたいとのことである。１１時を過ぎて後、豊栄サービスエリアで小休止を取る。ここはサービスエリアというが、パーキングエリア並みの慎ましさである。

退き口の 豊栄に立ち 嘆きたる 向かひ風吹く 結衣奈と葉凪よ

草津結衣奈嬢の地元たる草津や伊香保葉凪嬢の地元たる伊香保へ行く構想もこの時点であったが、夏の暑さであまりにも体力が落ちてその草津・伊香保へ行く構想も逆風が強かったのである。北陸道に乗り換え、新潟西のインターで一般道に降りてから坂井へ向かい、翌日に備えて給油し、１２時を過ぎて帰着した。

その翌日も体調が悪く、Ｈ氏はつくば市まで往復６百ｋｍ余を運転して帰って来たという。彼から見た長兄であるＨ１氏が永眠したのはそのわずか６日後で、その翌日、放送まで何年も待たされた『ミリマス』のアニメが放送を開始した。今回は珍しいことに、午前の１０時台に放送されたという。