令和5年冬のまつだい&松之山温泉行き(その3)

夕食は18時から食べに行けるが18時半の枠で頼み、朝食は一番早い8時の枠で頼んだ。食事の会場は2階で、浴場は4階である。会計はチェックアウト時に、ということだった。

WiFiは一応つながるが、『ゲームや動画など、通信量の多いことをすると旅館内が殺伐とする』と、釘を刺され、デレステやミリシタは厳しく、シャニソンに至っては旅館側から怒られること間違いなしになってしまった。


旅館に入ってすることといえば入浴である。この旅館は4階に浴場があり、浴場前に上杉謙信公の訓示がある。

『物欲がなければ心は広く、体は安らかになる』

『ワガママでなければ愛敬をなくさない』

『欲がなければ義理を果たせる』

『「自分さえ」の意識がなければ人を疑わない』

『驕りの心がなければ人を敬う』

『邪見がなければ人を育てられる』

『貪りの心がなければへつらわない』

『勇気があるときは後悔しない』

など、耳に痛いお言葉が16個も並んでいる。私にとっても耳に痛いがオタクな方の何名かにも耳に痛いと思う。

ここ、『野本旅館』のお湯は43℃程度に冷やされているが、うめられているわけではなく、湯もみしているようで濃いお湯だった。そのため塩分が濃いことから肌にきつく、掛け湯をしておく必要がある。また、太古の海水がそうなのかナフタレンの臭いがする。

上がった後、浴衣を着た状態で外出する。流石に靴に履き替えねばならないが、浴衣での外出は可能だという。ただ、我が失敗としてこの時点でフロントの鍵箱に鍵を預けておくべきだった。ご近所の『十一屋商店』にて棚美嬢のキーホルダー8百円を買う。『十一屋商店』のお隣さんは『まるたか』で、どちらも『しんこ餅』を売っている店舗である。お向かいさんが『ひなの宿 ちとせ』であり、予算不足なので泊まるの日は断念した。斜向かいさんは昼間に下見した『和泉屋』で、『和泉屋』のお向かいさんがこの日のお宿である『野本旅館』である。

17時。夕食のサイレンが鳴る。『赤とんぼ』を採用しているあたり、情感を置覚えた。

夕食はわざわざ頼んだスッポン鍋で、胃の都合上、揚げ物を避けてもらったが、折角のご飯も胃の都合で断った。ここ何年か、胃の都合で食べられるものが減り、外食率が格段に落ちたのである。


2次元の 妻と食べたる スッポンの 汁を啜りて 棚美に詫びたり


スッポンの出汁は悪くないので胃が許すなら具を全てさらっておじやにするとよいという。苦しみながら部屋に戻り、休んでから歌詠みラッシュに入った。

暗くなってから4階の浴場で胃を温めるべく入浴する。


ミリシタを 打てぬと嘆き 塩の湯に 浸かりて辛く 見遣らば暗し


この歌は20日に詠んだ。浴場は23時半で締め切り、5時半から入れるようになる。この日、9千681歩歩いた。


翌20日。目覚めたのは3時にもならず、5時過ぎを待って起きた。

宿と他の宿泊客には悪いが『ガルフレ仮』に手を付けたたものの、放送部にいる櫻井明音嬢の誕生日でありながら彼女とはゲーム内デートしていない。

朝風呂に入り、掛け湯をしてから浴槽に入る。掛け湯をしてから時間を掛けて入浴すると肌も楽になる。浴場前で上杉謙信公の訓示を見たのはこのときである。


雨音を 聞きて寒しと ガルフレを 立ち上げ入りし 松之山の湯


この日は朝から雨で、非常に外出しにくい。宿は部屋や浴室などに経年を感じ、帯に至ってはへたりが来ており、金策に喘いでいる感が濃い。

歌を詠んでから朝食へ赴く。焼き味噌、車麩、焼き鮭、温泉卵、そして魚沼産の棚田米。朝食は控えめであり、胃に助かる。

出るときに『昨日はごめんなさい』と仲居氏に言い、『大丈夫ですか』と返されたので、『胃の都合です』と返した。ここのご飯は津南町の棚田で栽培されたお米だという。

食後会計をして1万8千950円だという。消費税と入湯税を含んでこの額で、1人で泊まり、スッポン鍋を頼んだのでどうしても高くなってしまう。

送りのバスは10時なので、『十一屋商店』で通所に穴を開けた分の『しんこ餅』15個入り1千350円を3つと、棚美嬢を図案化した『越の白鳥』特別純米酒1千780円、『中華一番』などで名高い小川悦司先生がデザインされた『朝風呂の心得』の手拭い千円、自宅用の『湯治卵』6百円の計7千430円を買った。

我が失敗としてこのとき鍵を預け箱に入れていてチェックアウトした『つもり』になっていた。この日バスで出る客は私一人だったので、車を30分程早発してもらった。まつだいの駅に着いたのは10時前である。


また来むと 棚美に別れ 告げて乗る マイクロバスを 打つ冬の雨


まつだい駅に併設されている『道の駅まつだいふるさと会館』ではメール登録制のWi-Fiを使ってデレステ、ミリシタ、シャニソンをした。ミリシタのデイリー曲は『思い出はクリアスカイ』で、シャニソンで叩いたのはアンティーカの『バベルシティ・グレイス』である。

旅館バスを降りてすぐ乗るなら10時34分の越後湯沢行きに間に合うが、今回はトイレ休憩を兼ねたWi-Fi休憩を取ることで、12時丁度発の越後湯沢行きに乗ることとした。


まつだいに 列車を待ちて 立ち上げて 打つデレステと ミリシタ嬉し


旅館では釘を刺されていたことと、Wi-Fiが遅いことでデレステやミリシタをプレイできず、まつだいふるさと会館でプレイした。同じ建物の2階にある『きくやキッチン』は定休日であり、次に開店するのは水曜日である。営業時間は11時から14時だという。

この日の昼食は併設のファミマで買った鶏五目のおにぎりと和風ツナマヨのおにぎり、そして特茶ジャスミンで袋代を含む466円だった。昼食にしたのは11時半を過ぎてからだった。この少なさは胃を悪くして少食になったことによる。

まつだい駅のドア上部に芝峠温泉『雲海』の電照式の看板があり、それを撮っているときに歳を取った女性から声を掛けられる。その後、まつだい駅に入り、列車待ちの時間でスタンプを押した。『鉄道むすめ』の松代うさぎ嬢が十日町駅に来るまでわずか4日前である。観光列車『ゆめぞら』は直江津方面行きとして出てしまっているので、乗る列車は一般車であることが確定している。

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