令和４年６月１７日に乗る『柳都Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』のチケットを申し込んだのは同じ年の３月１６日で、泊まる宿もＨ女史の意向で『アパホテル上越妙高駅前』から『アパホテル＆リゾート上越妙高』に変えた。『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』はＪＲ東日本社の『乗って楽しい列車』のポータルサイトからアイコンを押してオンラインで旅行商品枠を申し込み、５月１７日頃にＨ氏のクレジットカードを借りて３万４千円を支払い、そのうちの８千７百円をその日のうちにＨ氏に手渡した。アパホテルの方はスマホに登録している公式アプリで申し込み、送迎バスも行きが上越妙高駅西口１５時５５分発、帰りがアパリゾート９時丁度発の便を予約している。笑えない話だが、『越乃Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』に旅行商品で乗れていないことが５年も頭痛の種となり、２０１９年の６月１８日付で当時いた作業所を自主退所へ追い込まれ、体よく追放されている。

寄る場所を決める中で行程がカツカツになってしまい、６月１６日に寄る洋食店『桜花軒』の予約枠をその日の１２時半から１２時４０分に繰り下げを願ったとき、聞き間違えられて『６月１４日への繰り上げ』に間違われた。もう一軒の『釜蓋遺跡ガイダンス』は勾玉作り体験１５０円を４人分申し込み、１４時からの枠にしてもらった。『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』の乗車証控えが届いたのは６月１４日だが、１７日に飲めるのか気が気でない。酒類が出ないことではなく、酒類を飲める胃になっているか、という意味である。

６月１６日当日。『タッチ』の上杉兄弟と『アイドルマスターシンデレラガールズ』の久川姉妹、『ＴｏＨｅａｒｔ２』の姫百合姉妹が誕生日を迎えた。その日は５時２６分に起き、ゲームアプリをハシゴする。この日、『ミリシタ』のデイリーミッションは『ＷｏｒｌｄＣｈａｎｇｅｒ』だった。６時２０分に朝食を摂る。この日は蒸される日だった。

８時４３分にＨ親子３人で出発。寺尾駅８時５７分発の新潟行きに乗るつもりだったが、この日は３分遅れており、既に出ている筈の時間で２千円をチャージしても間に合った。列車が出たのは５分遅れの９時２分で、列車内で岩波版の『ローマ皇帝伝』に手を付ける。カエサルの大甥で後継者となったオクタヴィアヌスの巻である。彼は自身を指して『殿様』と呼ばれることを非常に嫌った。新潟駅３番線に着いたのは４分遅れの９時１７分だった。

Ｍ女史と『ＣｏｃｏｌｏＮ＋』で合流して、イスが足りないということで６月４日に工事して同５日から開業した東口改札へ歩く。４人で歩き、今後の待ち合わせで場所を覚えてもらい、簡易仕立てのイスに座る狙いがある。

１０時１０分に改札を通過し、３番線に上がると１０時１５分に内野方から白をベースに山吹色と群青をあしらった特急車両が入線する。この車両は６分後に上越妙高行きの特急『しらゆき４号』として新潟駅３番線を発車する。ところで、『しらゆき』と聞いて思い浮かんだキャラは誰だろうか。『シスプリ』の白雪嬢や『ときめきメモリアル２』の白雪美帆・真帆姉妹を思い浮かべた方は昭和末期生まれであろう。『アイドルマスターシンデレラガールズ』の白雪千夜嬢を想い浮かべた方は『アイドルマスター』シリーズに造詣があるか比較的若いオタクでなければ新参のオタクである。

筆者は昭和の頃に金沢・青森間を走っていた気動車急行『しらゆき』を想い起した。特急『白鳥』の福井折り返し便として発展的解消を遂げたが、今はその名列車『白鳥』自体が既に無く、任務を肩代わりした『北越』を更に肩代わりした列車が今の『しらゆき』である。

指定された席は２号車の１１Ｃ席だった。そして、飛沫感染のリスクがあるので『座席の回転はご法度』とアナウンスされている。シートは北陸新幹線を意識した赤系統でシートカバーは『いなほ』号と共通の黄色だった。赤系統は色調によって血を想い出させることがあり、個人的に好き嫌いに分かれる色だが、色使い自体は悪くないのでそこまで気にならなかった。なお、この列車に車内販売は無い。それもあってブラウニーを配った。

新潟駅３番線を出たのは定刻の１０時２１分。高架化工事が延期されていたら仮ホームの９番線まで歩かされるところだった。『ドカベン』のモデルとなった新潟明訓高校の現在地が近い亀田駅を通過し、新津駅には１０時３５分に着いた。側線を見れば『ＳＬばんえつ物語号』の客車が昼寝をしており、３０秒停車で発車。

古津、矢代田、田上、と通過すると羽生田に至るわけだが、新潟駅で１３分先に出た長岡行き列車をここで抜き去る。抜いた相手は内野始発なので新潟市でも越後線沿線からなら便利である。加茂に着いたのは１０時４９分。ここは新潟県では珍しく王道セーラー服を女子の制服にしている加茂高校がある。また、地名の通り、加茂神社の荘園があった。

保内を通過して東三条には１０時５５分に着く。ホームは３番線で、進行方向左手に弥彦線の盲腸線があった名残を感じる。三条、東光寺、帯織、と通過するとイングリッシュガーデンの町、見附である。この駅には１１時５分に着いた。なお、見附市はスーパーの方の『マルイ』が本店を構えており、顧客は比較的高級志向である。

押切と北長岡を通過し、長岡駅に着いたのは１１時１４分。ここで乗務員が交代する。そのせいかこの日は４分も停車している。宮内を通過して上越線と別れ、山間を走る。下りの特急と行き違ったのは１１時２８分だった。

１１時３７分、『デレマス』の９代目シンデレラガールに通じる響きの北条駅を通過。柏崎駅に着いたのは１１時４２分だった。

柏崎を出ると海水浴で名高い鯨波と日本海で名高い青海川を通過し、柿崎に着いたのは１１時５７分。鵜の浜温泉で名高い潟町を通過し、ほくほく線と合流して犀潟を通過。『レッドサンダー』の異名を取る電気機関車を横目に黒井駅を通過し、直江津駅に着いたのは１２時１０分。ここでは２分停車し、乗務員がえちごトキめき鉄道の社員に代わる。

ここからは元の『信越山線』こと妙高はねうまラインである。１２時１５分に平成年間に引っ越した春日山駅を通過し、松平忠輝のお膝元だった高田に停まると南高田を通過し、終着の上越妙高である。１２時２５分、２番線に着き１３時７分発の特急『しらゆき５号』として折り返す。

我々はここで下車し、西口へ出てコンテナマルシェ『ｆｕｒｕｓａｔｔｏ』まで歩く。一番近いのは洋食店『桜花軒』で１２時２９分に入店した。ただ、予定を変更する際に『６月１６日の１２時４０分枠』と言ったつもりが、『６月１４日の１２時半枠』に間違えられており、一悶着があったものの、店側の配慮で座らせてもらえた。３人とも『おすすめ３点盛りセット』１，３２０円を頼んだ。ハンバーグとエビフライは旨味が効き、クリームコロッケにはタルタルソースがかかっている。しかもコロッケにはカニ味噌を仕込んでいると聞いた。食後にアイスコーヒーを飲んで引き揚げたがこの店舗は１３時半で閉めるという。

『心白を』と想ひて来たる桜花軒面目損ねアンジャッシュの夏

『スタマス』のブロマイドは貴重品入れに忍ばせており、この後で取り出す。

『コメダ珈琲』付近の『釜蓋遺跡ガイダンス』まで歩く。今回頼んだ勾玉作り体験は１人につき１５０円だが、ランクアップ版はそれより高く、石も硬くなる。今回ベースとなった石は『滑石』といって指の爪より脆く、化粧品としても使われているが、硬度１０のダイヤと同じ炭素でできていながら、結合が遥かに脆い。

今回は初心者用なので、紐を通す穴を開けており、初めはヤスリで角を取るところから始まる。

角が取れたら勾玉の形に成形し、各辺を削って丸みを出し、その後ヤスリを変えて光沢を付ける。仕上げの削りはヤスリを掛けては水で粉を落とし、拭いてはまた削る、の繰り返しである。光沢が出てきたらデニムの布で磨いて光沢を強化させる。『ささみさん＠がんばらない』の邪神三姉妹は天皇家における権威の印である三種の神器に由来するが、そのうち、三女たま嬢の由来である八尺瓊勾玉も現代式だとこの流れである。後の２つは草薙剣と八咫鏡で、何れも余人が触れる代物ではない。Ｈ夫妻も力尽きたそうだが、Ｍ女史はもっと力尽きたという。

Ｈ女史とＭ女史の姉妹は一足先に展示品を見ていたが、作業後に展示品を見てみる。弥生時代から古墳時代にかけての壺や高坏等が展示されているわけだが、この建物は当時の集落と隔てていた川の向こう岸だという。外へ出ると発掘中の遺跡が頚城山の側にあり、柵のあるあたりが元の川だった。上越妙高駅へ戻り、烏龍茶を頼んでバスを待つ。

スタマスのブロマイド取り勾玉と並べて哀し今日も孤独なり

西口のロータリーを見ると、１５時３８分の時点で迎えのバスが来ていた。今回、料理店で失敗したのでＨ女史から確認を迫られたが、帰りの『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』と今回のお宿である『アパホテル＆リゾート上越妙高』は文字の記録として情報が行っているので口頭で言ったことより遥かに信用できる。なお、上越妙高駅発のアパリゾート行きバスは１５時５５分発、これから乗る便が最終である。ここも頭が痛かった。バスは９分の早発で上越妙高駅西口ロータリーを出発。ディズニーリゾートが安めになる時期なので我々４人しか乗っていない。『道の駅あらい』を通過し、『食堂ニューミサ』を通過。関山駅の手前で元の信越山線を跨いで、『アパリゾート上越妙高』に着いたのは１６時２４分で、直ぐにチェックインする。Ｈ女史姉妹の部屋はポイントが付かない。４人分で４万４千円を払ったと思ったが、安めの温泉旅館並みに代金が張る。Ｈ父子は８０４号室、Ｈ女史姉妹は８０５号室に部屋を振り分ける。入った部屋はテレビが旧式でＷｉ-Ｆｉも繋がりが悪い。

大浴場があるなら食前に入浴ということで、１階に下りて入浴する。ここはフロント階が２階なのである。内風呂はリニューアルで光明石の湯になったが、浴室の構造自体は２０１６年のままでバリアフリー面は非常によくない。露天風呂と壺湯は運び湯だったように記憶する。

上がった後は夕食だが、ここはバイキング、今でいうビュッフェ形式である。麻婆豆腐、サラダ、和牛のトマト煮、上海焼きそば、サーモン等をよそう。食べ終わった後、Ｇｏｏｇｌｅに『アパリゾート上越妙高』の口コミを書いてフロントで見せ、アパカレーを渡される。食べ終わった後は再度入浴である。

ミリシタを立ち上げられぬアパホテル暗きに入るは金泉の湯なり

この時期は６月なので日が比較的長く、浴室にいる間で日が完全に沈んだ。寝たのは２１時を過ぎてからだった。

翌１７日。『Ｄ.Ｃ.Ⅱ』の朝倉音姫嬢が誕生日を迎える日である。この日は５時２５分に起きた。外を見ると朝霧が立っており、妙高山を望むことは叶わない。しかも雨まで降っている。

Ｈ氏の焼酎代を精算し、朝食を摂る。アパとはいえリゾートホテルであるだけに料理も比較的豪華である。チェックアウトした後、ホテルバスでイルミネーションの舞台探訪を配慮してもらう。このホテルは前の経営者が西武系のプリンスホテル社で、平成１桁頃からアパグループの手が及んだ。スキー熱も既に冷めているのでスキー場も廃業したという。旧国道１８号線を走り、旧新井市を通過する。現妙高市における行政上の核は旧新井市なのである。北陸新幹線を潜り、上越妙高駅西口に着いたのは１４分の早着だった。９時４３分の時点で『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』がいる。

スマホで改札を通過し、妙高山側の２番線に停まる列車に乗る。予約したのは１号車３番のボックス席である。スマホで検札を受け、借り物のお猪口と品を渡された。『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』が出たのは１０時２分である。

今回出されたウェルカムドリンクは『吉乃川』のスパークリングだったが、素面組のＨ女史とＭ女史には雪室サイダーである。高田を出た後に春日山を通過して直江津駅に停車。ここでえちごトキめき鉄道社の乗務員からＪＲ東日本社の乗務員に交代する。出たのは越後湯沢からのほくほく線超快速『スノーラビット』を待ってからだった。車両は観光用の『ゆめぞら』を編成に組んでいる。

黒井、犀潟と通過したあたりで食品が出され、我々父子には『越の誉』の純米大吟醸が出される。これこそ胃の都合を付かせるために酒絶ちしてきた理由で、４月から６月に運転される『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』は旅行商品で純米大吟醸が出る。素面組には桃ジュースが配られた。

鵜の浜温泉の玄関である潟町駅を出た後、日本海に近い駅として名高い青海川に停車する。ここで写真を撮ってもらったが、己を見ると非常に肥っていた。ここから食事量が減って翌年には痩せてくるわけだが、それは後の話である。青海川駅には６分停車した。しかし、停まったホームは海側の２番線であり、感染症対策でジャズの演奏は廃止されてしまった。

『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』旅歌織恋しき青海川ホームに出てストロボ叩く

７６５プロのプロデューサーとして桜守歌織女史に旅のプロデュースができればどれほど良かったであろうか。そうすると飲んだくれが２人、セットになるが。

青海川を出た後、『鶴齢』が配られる。『越乃Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』は走る清酒のテーマパークなのである。令和５年も１０月になると一般枠の指定券も８４０円に値上げされ、『海里』と同じ額になる。

『僕は友達が少ない』を想わせる響きの駅、柏崎を出ると素面組の２人にコーヒーと焼きドーナツが配られる。

『Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』の絵葉書が配られた後、越後交通や片貝線との分岐駅だった来迎寺に停まる。前の日に乗った『しらゆき４号』と行き違い、宮内を出た後、長岡車両センターから横断幕の出迎えを受けた。長岡駅３番線では１９分の停車時間を取るわけだが、その間に上越妙高駅で差を付けていた特急『しらゆき３号』を先に行かせる。乗務員もここで交代である。

長岡で抜かれた後、見附、東三条と停車し、加茂駅を挟んで配られたアンケートに記入して後、新津に停車。ここで５分停車した後、終着の新潟駅まで停まらない。

新潟駅５番線に着いたのは定刻の１３時５分だった。長岡で抜かれた『しらゆき３号』で先に着いた特急車両は入れ替わりで『しらゆき６号』として上越妙高へ発車する。この特急は春日山駅に停車する。

鉄道用語としての『下車』則ち改札を出る際に東口でスマホを見せたわけだが、『１人ですか』と訊かれて、Ｍ女史だったかＨ氏だったかが『４人です』と応えた。

下車して後、解散して通所先に連絡を入れたが、『酒気帯びの通所はお断り』とのことである。幾らか織り込んでいたこととはいえ、一度酒類を飲まば、翌日以降に酒気が抜けるまで、ということである。そのため、今回はアニメイトへ寄った。嬉しいことに『ラブライブ！』の外伝である『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のポップが掲示されている。この頃は『アニガサキ』の放送期間だったのである。

翌１８日。この日は『海里』に乗って店舗を引っ越した『ル・ポットフー』まで食べに行く日である。目覚めたのは４時４２分だった。５時になるのを待ってミリシタ、ガルフレ仮、プリコネＲ、シャニマスと今は無きポプマス、モバエム、モバマス、サイスタを手掛けた。『Ｍマス』における榊夏来氏と『俺ガイル』の由比ヶ浜結衣嬢、『黒子のバスケ』の黄瀬涼太君の誕生日だが、今ではすっかり寂しくなってしまった。

土曜日なのでこの日の朝食はバナナジュースと卵焼き、ほうれん草、トマト、キュウリである。この日の『こびり』こと甘味は出陣餅で、総合生協を発注してから出発した。

この日乗ったのは寺尾駅９時１５分発の新潟行きである。

今回はえちごワンデーパス１千５７０円で乗ることとし、村上から北は飛び出た分の乗車券を買った。指定券は片道８４０円で、翌年の１０月から『越乃Ｓｈｕ＊Ｋｕｒａ』や『リゾートしらかみ』、『ＳＬばんえつ物語』も同額となる。ＳＬに至っては初乗り区間が１５０ｋｍまでに延びた上でグリーン料金が安くとも２千円になってしまった。

４番線に上がると９時５０分頃に豊栄側から『海里』が入線する。酒田側の１号車は開放席、２号車が半個室、３号車が売店のあるイベント用車両で、内野側の４号車が旅行商品専用車両である。ドアが開いたのは１０時を回ってからだった。

指定された席は１号車の７Ｄで、鳥海山側の席である。斜めに配置されたリクライニングシートはグリーン車すら上回るシートピッチを誇り、色合いも外装に合わされている。この列車はＷｉ-Ｆｉが繋がる。新潟駅を出たのは１０時１１分だった。

上沼垂信号場で信越線と別れ、白新線を走る。折角のＷｉ-Ｆｉなので『ミリシタ』を立ち上げて『ソードアート・オンライン』コラボ曲『ＩＧＮＩＴＥ』のスクショ動画を録るが、その間に豊栄駅を通過していた。

新発田に近付く際、新発田城のアナウンスを受ける。そして新発田から隣席に乗客が来た。ここからは羽越線を走る。

酒田からの特急『いなほ６号』と行違った後、胎内市の中条駅に停車する。中条の次は米坂線と別れる坂町駅で、坂町の次に停まる駅が村上である。村上では乗車客が多い。村上を出た後、無電圧区間を通過すると日本海を望める。

村上の次に停まる桑川では２０分停車し、停車時間で『ミリシタ』のイベントを走った。売店にて雪室紅茶１９０円を買って休むことにした。

相席で暗くなりたる海里旅Ｗｉ-Ｆｉ繋ぎミリシタの賽振る

この時期はプラチナスタートラストだった。双六式のイベントなので『大量の』サイコロを使わされる。

桑川を出ると２つ先の越後寒川まで減速する。観光用の減速運転で車窓から笹川流れを見せるためのものである。

勝木や府屋、鼠ヶ関は前任の『きらきらうえつ』が停まっていたものの『海里』は３駅とも通過し、あつみ温泉駅まで停まらない。

あつみ温泉は『温泉むすめ』のあつみ詩鶴嬢のホームグラウンドだが、お湯が見つかったのは千年ほど前で、神経痛や関節痛、冷え性などに効くという。駅から温泉郷までｋｍ単位で離れており、歩いて行ける距離ではない。この駅では１１分停車し、特急『いなほ３号』を先に行かせる。

『いなほ』を追うように停まった鶴岡では３分停車し、下車客が多い。

鶴岡の次は陸羽西線と接続する余目駅に停まるが、道路工事の絡みで陸羽西線の列車は走らず、代行バスが走っている。

余目を出ると最上川を渡り、『芋煮は最上川の船頭が考案したとされている』とアナウンスを受ける。その後は進行方向右手に鳥海山を望む。酒田駅１番線に着いたのは１３時１９分だった。予約した『ル・ポットフー』の枠は１３時半で、『「海里」を下車して直ぐの枠』を配慮してもらっている。

洋食店『ル・ポットフー』は新設のビルに引っ越したことで、酒田駅に近くなり、同じビルには『月のホテル』が併設されている。

階段を上がるとエレベーターの真ん前で向かって右手に系列のホールがあり、左へ転回して奥へ行くと新生『ル・ポットフー』がある。ここではハンバーグランチを頼んだ。価格は値上げされて２千２百円となっており、飲み物も頼んだので、会計は２千６４０円である。

前菜は庄内豚のテリーヌでスープはカボチャの冷製ポタージュ。メインディッシュは山形牛のハンバーグだった。甘味はマーブルチーズケーキである。テーブルマナーはごめんなさい、としか言いようがない。

美奈子をとミリシタ立たず敗れたる昔懐かし昼のハンバーグ

ハンバーグは元来、『ハンブルグステーキ』というそうである。ブロックだけではない肉の使い方を開発したドイツ人の知恵には頭が下がる。ここではミリシタを立ち上げられなかった。

昼食を食べ終わった後、図書館へ出向く。市を代表する駅から目と鼻の先に公立図書館があることは非常に微笑ましく、子供や若者の教育にも良く、街づくりとして羨ましい心得ぶりである。列車を待っている時間で本が読めるのである。

感染対策上、本には触れず、メール登録制のＷｉ-Ｆｉを借りることも気兼ねした。

酒田駅に戻り、土産物店『清川屋』でだだちゃ豆の米粉パスタを買ったが、帰着後にそれは失敗だったと思い知らされる。店名は昔懐かしき美少女ゲーム『ときめきメモリアル』の体育会系ヒロイン、清川望嬢につながる響きだが無念である。

この日、夕食として『つや姫弁当Ａ』４６３円と十六茶１２９円をニューデイズにて買い、夕食とする。今はこの程度のものですら胃にきつくなり、年を追うごとに食事量が落ちている傾向である。

１４時４０分に改札へ入ると、新潟からの特急『いなほ５号』が来た。この特急は繁忙期にならないと秋田まで走らず、同じく酒田で打ち切られた１０号に至っては繁忙期にならないとグリーン車が無い。

３番線を見ると帰りのランナーである『海里』が既にホームに居り、発車まで１５分を切っている。ホームに来て早々にドアが開き、最後方である１号車１番Ｄ席を指定される。列としては鳥海山側であり、行きもＤ席だった。

１５時丁度に酒田を出て最上川を渡る。ミリシタをしているせいかミリマスの最上静香嬢につながる響きだが、奥の細道の名所である。

余目を出た後、庄内平野のアナウンスを受けるが、ここも米どころなのである。μ’sの『かよちん』こと小泉花陽嬢に悪魔のお誘いをしたい。

余目を出た後、鶴岡に停車するが、ここではほんの５分程度なら駅前に出られるくらい停車する。この日は１９分停車した。乗り遅れても後発の特急『いなほ１２号』で追いかければ村上で先回りできるし、Ｐｉｘｉｖやおはなしジェネレーターなどで使い古したトリックなので悪用させる気も一切ない。

停車中、ミリシタを立ち上げ、『花びらメモリーズ』のスクショ動画を録った。列車内でＷｉ-Ｆｉを使えるのは大慶で、かようなことができると非常に助かり、スクショ動画を録っておくと列車内やカーフェリー、旅館などで娯楽に不自由しない。今回の『こびり』ことおやつは笹川流れの塩キャラメルパウンドケーキである。

パウンドケーキ自体はイギリスの家庭用お菓子なので道具と材料、オーブンがあれば自宅で作れる。貨物列車に道を譲り、発車前アナウンスは体の良い点呼だった。

新酒まつりで名高い羽前大山を通過し、日本海のアナウンスを受ける。鶴岡の次はあつみ温泉駅に停まり、山形県内最後の停車駅である。

ミリシタのスクショ動画と海里旅鼠ヶ関過ぎ日も傾きたり

鼠ヶ関を通過する頃には日も傾いている。府屋と勝木を通過し、越後寒川に来ると減速した。次の今川では村上方からの気動車が来たが、前に乗った頃とは異なり、車両が令和生まれの気動車になっていた。その次、桑川駅に着いたのは１７時前である。ここでは１８分停車し、特急を待避しながら遅れを取り戻す。

今回、改札の外に出て『笹川流れ夕日会館』にて『海里』の停車時間限定ソフトクリームを頂く。アイマスの天海春香嬢に悪魔のお誘いをしようか、という品で、カップに絞った塩ソフトに朱鷺型のクッキーを載せた品である。価格は３百円だった。後発の特急にはここで抜かれる。夕陽を背景にした粟島は良いもので、予算と体調と時間の都合が付けば船に乗って訪ねたい。ここ桑川でもミリシタを立ち上げ、グラビアスタジオで百瀬莉緒女史を撮った。

無電圧区間を通過し、村上に停車。そこを出た後にロゴのアナウンスを受ける。何でも『結び』からの発案とのことで、帰着した翌年秋になって『君の名は。』を想い起した。『海里』のホームグラウンドは羽越線なので、極めて関係がうすいものの、沿線には長閑な漁師町がいくつかあり、都忘れだけは糸守町に通じる。

荒川を渡って坂町に停車。坂町の次は胎内市の中条で、南へ進むごとに暗くなる。

加治駅を通過して新発田駅に停車。既に暗く、新発田を出ると終点の新潟駅まで停まらない。特急は新潟市北区や聖籠町の利便性を配慮して豊栄駅に停まるが、『海里』は通過する。ハイブリッド気動車なので速力が低いこともある。

新潟駅５番線に着いたのは１８時３１分。車両は一旦白山駅へ引き上げてから上沼垂へ帰る。この珍運用も翌年春のダイヤ改正で廃止されてしまった。一旦白山駅へ出向いた後、越後線列車をやり過ごして１９時１０分頃に新潟駅へ戻っていたのである。

乗り換えた列車は１８時４４分発の内野行きで、帰って来たのは１９時２９分だった。