令和2年初夏の佐渡隔離行

令和2年6月13日から同20日迄の帰省旅は遊びではなく、パン作りと通信課程の勉強をするつもりで船に乗ったので、文字の記録を一切取っておらず、期間中のTwitter、FaceBook、Instagramの投稿と、デジカメとスマートフォン、iPodで撮った写真が記憶を辿るための数少ない資料であるため、石垣島や会津、妙高、月岡温泉のときがそうであったように断片化した記憶を繋げて記述していることをご容赦願いたい。なお、心からオタクな知り合いを欲しいと願いながらこの稿を書いている。


6月13日は『ラブライブ!サンシャイン‼』よりAqoursで鈴木愛奈女史が演じる小原鞠莉嬢の誕生日である。その日は『スクスタ』にログインしたかったが、親子戦争の絡みで突如、出発することになったので、荷造りを優先し、新潟港12時35分発のカーフェリーに乗るべく急いで荷造りした。荷物の中には『ガールフレンド(仮)』や『温泉むすめ』、『アイドルマスター』のビジュアルファンブックと幾らかの同人誌、アキバの情報誌『1UP』を詰めて出発する。何時かのスマホ事件以来、ゲームアプリをiPodに集めているので、Wi-Fiが気がかりである。

父の運転で万代島の佐渡汽船ターミナルへ。着いた頃には11時半発のジェットフォイルが出航しようとしている。Pixivのアイドルマスター18禁SS『月岡で慰安旅行』、キャラ日記を代用している『桜桃劇場移転編』第8話で既に言っているが、佐渡島民にとって,『ジェット』とはジェット機ではなく、ジェットフォイルのことである。そのジェットフォイルの絡みで東海汽船を後述したい。先述のジェットフォイルが出航して30分程後、山の下埠頭から小樽行きの新日本海フェリーが出航する。この会社は関西と北九州を結ぶ阪九フェリーや下関と韓国釜山を結ぶ関釜フェリーと同じSHKグループで、平成の最末期に開催され、多くのデレステPを感激させた『スターライトクルーズ』や疫病さえなければ今年の早春に行われたであろう『ミリオンクルーズ』の充当船『ぱしふぃっくびいなす』を保有する日本クルーズ客船社や系列会社の旅行商品を扱うヴィーナストラベル社とも同系列である。

大きな荷物をレーンの中に置き、障碍者割引で2,940円を払い、往復の2等乗船券を買う。今日の便は平成晩期生まれの『ときわ丸』である。この船は『アイドルマスターミリオンライブ!』で伊吹翼役を任されているMachico女史の故国、広島県呉市の神田造船所で生まれた船である。Machico女史の縁者が神田造船所で勤務しているか否かは知る由もないが、佐渡汽船社の発注歴は昭和後期からなので、感慨深い。

この日、2月末のミリオンクルーズを潰したコロナウィルス【COVID-19】の絡みで佐渡汽船も警戒態勢を組んでおり、4列のレーンは2列に、並ぶときはアルコール消毒、マスクを着けているのは当たり前、検温と健康チェックではねられれば船には乗れず、閑散期であっても毛布を貸すことはない。この日は閑散期なので、出航15分前の12時20分から改札が始まった。列の前方に居たので検温も早く、急ぎ左舷のプロムナードへ行く。狙いはコンセント付近の席である。

大きな荷物を置くと出航の銅鑼が鳴り、船尾側のイベントプラザへ行き、そこでデレステこと『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』を立ち上げAR(拡張現実)で島村卯月嬢に『S(mile)ING!』を踊らせる。Pixivに投稿したアイマスSS『松島Pの帰還』の再現動画でもある。スクショ動画を録り終えた後、Twitterに投稿しようとしたが、Wi-Fiの力不足が上陸まで悩みの種となる。


デレステを 立ち上げ撮りし AR 2次創作に 想ひを馳せぬ


しまむーを録り終えた後、スナックコーナーで一条もんこ女史監修の『イカのスパイスキーマカレー』850円をいただく。このカレーは肝心のイカが劣化しており、一夜干しのイカが恋しい。これでは『デレマス』こと『アイドルマスターシンデレラガールズ』より*(Asterisk)の前川みく嬢と『ラブライブ!』よりμ’sの飯田里穂女史が演じる星空凛嬢でなくてもこの生臭さが嫌になる。

ソフトクリーム350円で甘味を得て、船の中を幾らか歩く。今日は毛布を貸してくれないくらいなので、操舵室はおろか、展望ラウンジにすら入れてもらえない。新潟港を出るとWi-Fiもつながりが悪くなり、スマホの回線も3Gに変わる。

航海に於ける中盤になった13時52分頃、僚船の『おけさ丸』と反航する。僚船同士の反航は太平洋フェリー社のセールスポイントだが、ここでは通常5度、最大7度、僚船同士の反航を行う。

『本船は姫崎灯台を通過し、両津湾内に入りました。あとおよそ30分で両津港佐渡汽船ターミナルに到着いたします』災害さえなければ、声優のゆかな女史も聞いたであろうアナウンスである。普段なら入港間近だと下船の支度をするが、今回は遅めに降りた。荷物が大きいのでターミナル内で迎えてもらっているが、iPodが気になって仕方がない。上陸して互いに見つけられ、気まずいので無視して待合室へ。佐渡市のWi-Fiも新潟市同様厳しくなり、1時間単位でのアクセスとなった。大きい荷物を母に任せて投稿している時間で佐渡バターを買う。佐渡バターとは佐渡乳業社のバターで一般のバターより色が薄く、油っこさも薄い。『アイマス』こと『アイドルマスター』シリーズのヒロインに例えると『デレマス』の新田美波嬢のようであり、『ミリマス』の桜守歌織女史のようであり、『シャニマス』こと『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の桑山千雪女史のようである。そのバターで焼いたお菓子は美味しく、二次元彼女や『推し』、『担当』に振る舞えたらどれだけ嬉しいだろうか。『765PRO ALLSTARS』の天海春香嬢や『デレマス』の三村かな子嬢、十時愛梨嬢に勧めたいバターである。駐車場の絡みで急かされ、車に乗って県道45号線を走る。

『こち亀』の両さんこと両津勘吉氏が姓の由来としている両津は兎も角、河崎から前浜中学までの区間は『ヨスガノソラ』や『H2O』でも想い起しそうな田舎道である。ところどころ、平成年間で整備されて運転しやすくなっているが、旧道の遺構を見ると昭和の昔を語っていた。前浜中学を掠めて水津に着くと、そこからは『AIR』が恋しくなる海辺の風景である。水津から若干西へ行ったところに風島というところがあり、『赤亀・風島なぎさ公園』という海水浴場を兼ねたキャンプ場があり、『松島Pの帰還』で舞台にもしている。短区間だけ運転させられたので、豊岡の家に着いたのは17時頃だったように思う。帰ってすぐ『ハイジの白パン』こと『アイドルマスター』の詩花嬢が留学先のウィーンで食べたであろうドイツパン、カイザーゼンメルの仕込みに取り掛かる。『カイザーゼンメル』とは『皇帝の丸パン』という意味とのことであり、カイザーの語源がユリウス・カエサル終身独裁官であることを思うといやはや……。この夜はエビスビールを飲んで寝た。


翌14日。この日は『デレマス』の高垣楓女史のお誕生日である。

恥ずかしながら上洛以来の荒れた生活と帰郷後の親子戦争に今回の疫病に伴う巣籠りが足され、美少女ゲームの世界でも女性に好かれず、『ミリマス』の佐竹美奈子嬢にしか好かれないであろう体型になってしまったので、しまむーとコラボした衣料品店『しまむら』で替えのズボンとシャツを買おうということになった。

出発は午後で、多田から山越えで金井町へ向かう。ここで服選びに苦しみ、買い終わった後、栗野江の『はたの温泉 松泉閣』へ行く。ここの弱塩基性ナトリウム塩化物泉に浸かる。このお湯は肌に有難く、くたくたの肉体と精神には助かる。この日は日が沈んでから帰り、夕食を食べて入浴し、眠る。


6月15日。『ドラえもん』より、大長編で男を見せるジャイアンこと剛田武少年と『プリンセスラバー!』より、シルヴィア・ファン・ホッセン嬢のお誕生日である。この日は月曜日なので、うちの母は出勤している。そのため、午前中は一次創作の『ノベル・ウォッチャー』と『ガールフレンド(仮)』の二次創作SS『弥彦詣り』、不定期連載でSNSやブログに於けるキャラ日記の振り換えである『桜桃劇場移転編』36話と37話に手を付けた。そちらの稿はこの稿を優先しているので執筆ペースは泣きたいほど遅く、後日Pixivで読んでくださりたく思う。昼食の後、年金日ということで赤玉迄歩き、振り込まれた14万円のうち、5万円を引き出し、医療費、交通費、国民健康保険料と佐渡での滞在費に割り振る。

その後、赤玉の農協でレトルトのカレーとハヤシを買い、この日はハヤシライスソースを麦御飯にかけて夕食とした。この日の夜、Twitterで『ゆりしー炎上事件』が起きた。事の詳細は知らない。ただ『To Heart2』の柚原このみ役で『ゆりしー』こと長谷優里奈女史を初めて認知し、『アイドルマスター』の萩原雪歩嬢で二次元世界への冒険を始め、同じ現在の雅子皇后陛下と同じ誕生日である身としては至って哀しく思う。2代目の、則ち現在の萩原雪歩嬢役である『あずみん』、『あざくらさん』こと浅倉杏美女史が去る日、子供を出産され、予てより幸せな世界にいらっしゃることを思うとなおさら哀しい。


翌16日。この日は『タッチ』の上杉兄弟と『To Heart2』の姫百合姉妹、『デレマス』の久川姉妹の誕生日である。

8時8分豊岡発の路線バスで両津へ向かう。両津港に着いたのは9時前後で、降りるときに1デイ乗車券1千5百円を買い、6月と16日のところをスクラッチで削る。次に乗るバスを見ると9時17分発の新穂経由佐和田行きだった。この便はトキの森公園に寄る。『天体のメソッド』ではないが、椎崎から新穂の手前までレイクビューである。バスは10時頃に栗野江にある仙道のバス停に着き、そこで急な傾斜を上がって『はたの温泉 松泉閣』の玄関に至る。ここは朝風呂の営業を行っているが昨今の疫病で休止し、11時からの営業である。着き次第雨が降り、漏れているWi-Fiで『プリコネR』こと『プリンセスコネクトRe:Dive』と『ガルパ』こと『バンドリ!ガールズバンドパーティ』をインストールする。

この日、有難いご配慮で10分程早く開けてもらえた。500円を払い、手指を消毒すると西側の『白梅の湯』を指定される。新潟市に帰ってから聞いたが、ここのお湯は週単位で入れ替わるという。バスの時間があるので慌てて上がり、11時40分過ぎのバスで両津港まで戻り、フェリーターミナル側の料理店で千円を払って牛丼を頼み、腹ごしらえ。蒟蒻が入っているのは嬉しいが、ご飯の量が多すぎてシャニマスの千雪さんにも出せない品となっている。

次に乗るバスは13時15分1番線発の本線バス相川行きである。両津を出ると国道350号線沿いを走行し、吉井で一時標高を下げる。オタクのオアシス、TSUTAYAとBOOKOFF、ジョーシンは市野沢付近で、GEOは佐和田である。バスは河原田を回って14時頃に佐和田のバスターミナルに着き、相川へ向けて出発して行った。次に乗る南線両津行きのバスは14時35分発で、入線までここで給水をする。14時半を過ぎた頃、2番線にバスが来て、河原田廻りで八幡の街を走行する。デレマス18禁SS『糸魚川の貝殻キャンドル』で伏見君の親元として、佐渡の八幡を設定し、彼の親元が分家をしている箪笥屋の本家がとうの昔に廃業したと言ったが、その本家はうちの父方がモデルである。個人情報に関わるので、八幡のどの家かは伏せておく。少なくとも、二次元大好きなご主人ではないことを強く警告する。その八幡を通過し、真野まで街中を走行する。『真野鶴』の尾畑酒造社は『ミリマス』の馬場このみ女史と『デレマス』の三船美優女史を連れて行きたいほどの物件だが、真野新町のバス停からは遠く、だいぶ歩かされる。目当ての佐渡歴史伝説館を探し当てられず、栗野江の仙道バス停まで飛ばされてしまった。時間は既に15時を回り、15時39分のバスまで佐和田行きは来ない。

待ったバスに乗ると都会の通勤列車並みに混んでいた。この付近に総合高校があり、下校時間に捕まったのだ。『のうりん』のモデルとなった岐阜県の加茂農林高校のように農業高校であり続けるところは寧ろ稀で、総合学科に再編して農業高校でなくなるところが多いように思う。三次元が二次元に勝るポイントは大人としては悩ましいポイントであるが、女学生側の自衛策や、ここ10年余の技術進化で助平爺の喜ぶ場面は減りつつある。今回は真野新町で降りて、歴史伝説館を目指すべく、南を指して歩く。真野新町の半ば付近に尾畑酒造社があり、10時から16時迄なら店舗を開けてくれるが、降りた時点で16時頃だったので既に閉まっている。

真野新町のバス停で降りて真野新町の果て付近で左折し真野御陵を指して歩くこと30分余……。このときは認知できなかったが、真野宮に差し掛かれば歴史伝説館は目と鼻の先だった。比較的新しいシリーズの『ルパン三世』でレベッカ・ロッセリーニ役を演じられ、『ミリマス』の所恵美役でもあらせられる声優の藤井ゆきよ女史に訊きたい物件がここである。がら空きでありながら入場券を買うのに手間取り、入れたには16時35分頃である。先ずは順徳上皇の皇女である慶子女王のロボットからナビゲーションを受け、職員から言われた通り、順を追って展示を拝む。せっかちだったり子供だったり、『文章を書かないトラベルライター』横見浩彦氏のように歴史に関心のない手合いにとっては酷な仕様である。そこに今後の危うさを感じた。展示は【順徳上皇の章】から順に【日蓮聖人の章】、【世阿弥こと観世元清の章】と続き、階段で2階に上がって【昔話の章】、【展示物エリア】と続く。森鴎外先生の『山椒大夫』は子供の頃、夏のアニメで放送していたように思うが、粗筋を知るのは問題集の付録で、今回展示されているのは安寿が亡くなり、厨子王が元服して平正道を名乗った後のパートだった。そのあたりの舞台があるのは随分遠いところのようである。『猫の恩返し』は初めて聞いたので新鮮だったが、『鶴の恩返し』に関しては大本の話が佐渡で生まれたと聞いて大いに驚いている。『ミリシタ』こと『アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ』で『鶴の恩返し』に因んだ馬場このみ女史の衣装付きレアカードが出たが、あのカードの大本が佐渡に伝わる話だったのである。

時間がないので真野宮を簡易に寄ってショートカット気味に動き、真野新町のバス停ではなく、平日ダイヤなので新町学校前のバス停まで歩く。次のバスは17時33分。このバスに乗ると畑野十字路が17時44分着で、仙道は18時前だ。乗る前に母にメールし、栗野江で拾ってもらう体制を取った。来たバスは幾らか混んでいたが幸いにも座れた。バスが仙道に着いたのは17時50分頃で、バスを降りて傾斜を上がるときに若そうな裸身が窓越しに浮かんだ。マジックミラーでも取り付けてもらいたい心境だが、大人として考えた場合と、性的に不満の多い身として考えると、求める張り方が真逆で、松泉閣の温泉が週替わりで、かつ女性の裸身と知ったのは新潟に帰った後である。そこが17日に於ける狙いの失敗した理由である。『ガールフレンド(仮)』のガールズを連れて入りに行きたい物件だが、彼女達を助平連中の好奇の目に曝させるわけにはいかない。この日は帰って入浴後、倒れて寝た。


6月17日。この日は『初めてのギャル』の香椎結衣嬢のお誕生日だが、『D.C.Ⅱ』朝倉音姫嬢のお誕生日だと言った方がしっくりくる。一時アイマス戦線から離脱していた時があり、その頃、PCの美少女ゲームによく手を出していたが故で、その頃は美少女ゲーム市場も今より遥かに大きかった頃である。

この日、朝食を食べて早めに出て、豊岡葛倉のバス停まで歩く。便は昨日と同じで、8時9分発の春日町行きである。このバスだと定刻なら8時57分両津港着で、9時15分発の船に乗るには些か厳しい。この日は晴れており、待っている場面すら見られたという。バスは9時頃に両津港に来たが、降車ボタンを押さなかったので、乗り過ごし、千円札しか両替してもらえないので2百円を払って両津郵便局前で降りる。郵便局でお金を下ろすと急ぎ9時15分発の本線バスに乗る。このバスは相川行きである。佐和田迄は昨日の通りだが、佐和田から沢根付近まで真野湾沿いを走る。そこから相川までは山道である。相川の映画村前で下車し、通常5百円のところ、障碍者手帳で佐渡奉行所跡に入れてもらったが、その前に体温測定と健康チェックを受け、辛うじて入れてもらった。

佐渡奉行所は5度焼失し、5度再建されたという。現在の建物は平成になって復元されたものだが、安政年間に再建された6代目の奉行所をベースとしている。つまりは『薄桜鬼』の雪村千鶴嬢が生きていた時代の再現である。ただ、役所の区画だけで陣屋の箇所は復元されていない。

佐渡奉行所は警察署と裁判所を兼ねている他、金山の金を管理し、天領である佐渡の統治を行っていた。つまりは徳川幕府の総督府である。次に行った物件がその佐渡の山金を精練するところで、金だけを選り分ける為に大量の水を必要とし、初めは豊富に採れた金鉱石も幕末の頃になると金の含有率が下がって割高になり、明治期に西洋の技術を導入して採掘率を持ち直す。最終的に佐渡金山が閉山されるのは大東亜戦争で屈辱的敗北を受け、西洋の技術を以てしても金が取れなくなってからである。

奉行所を辞した後、ここで待つよりは相川のターミナルに戻った方が早いバスに乗れるので徒歩で帯刀道を下り、北沢選鉱場へ向かう。ここは帰郷して間もない頃に訪ねたので殆ど写真を撮るだけとなった。

相川の市街へ向かって歩くと旧相川高校改め、佐渡高校の相川分校が建っているが、かつてはそこが城だったのか標高が高く、校舎が見えない。更に歩くと大佐渡スカイラインの付け根である。ここから山道を踏破すると吉井ないし金井町まで出る、乙和池と白雲台が道中にあるが、路線バスは走らないので5千円の観光バスで踏破するほかない。この辺りを得意とするアイドルは……。『ミリマス』の北上麗花女史と『デレマス』の原田美世女史の他に誰かいただろうか……。

バス停を幾つか歩き、相川のターミナルに着くと11時53分発両津行きとなるバスが既にエンジンを掛けられており、大して待つことなく乗れた。相川のターミナルを出ると次はあいぽーとに停車し、山道を走行して沢根の池田菓子舗付近を通過する。池田菓子舗は『ミリマス』のエミリー・スチュアート嬢が喜ぶであろう和菓子、『沢根だんご』の製造元である。佐和田まで戻って後、東大通で下車してそこから歩く。

東大通のバス停はホームセンタームサシや寿司店『弁慶』に近く、食べるところがいくつかある。今回のお目当ては以前食べ損ねたファミレスだが、炎天下を歩けども、見つからない。遂には市野沢どころか泉まで通過し、『しまむら』の手前に、『けいおん!』や『魔法少女まどか☆マギカ』、『アイドルマスター』シリーズ、『ラブライブ!』他、数々のアニメとコラボし、アニオタにとって救いの神であるコンビニ、ローソンがあるものの、折角の佐渡なので、とそこを黙殺し、遂に金井町で力尽きてバス停からすぐのところにあるステーキ店『駅馬車』に入る。建物はログハウス調で、客層を見ると町の小父様小母様が主体で、地域のサロンとしての性格が強い印象である。三十路なのに子供扱いされたのは釈然としないが、ハンバーグランチ1千1百円を頼む。先ずはサラダからであるが、ここのサラダは癖がなく、苦手のワカメすら抵抗なく食べられるのが嬉しい。メインディッシュのハンバーグに於けるソースはケチャップがベースだろうか。個人的には『ステーキ宮』のおろし玉ねぎソースが嬉しい。トウモロコシの量にも閉口し、下品だがハンバーグをご飯に載せて食べた。今回、ご飯と飲み物は選択制であり、主食をパンに変えることもできる。ご飯にしたのは『ラブライブ!』よりμ’sの小泉花陽嬢のようなお米党、というより、ご飯を食べないと腹持ちが悪く、量の割に食べた気がしないからである。食べ終わった後、金井町13時35分のバスで両津へ戻る。両津港に着いたのは14時過ぎで、次に乗る南線のバスは14時12分と慌ただしい。乗り換えたバスはトキの森公園に寄る最終便で、佐渡警察所前を通過し、真野で右折して八幡へ反れ、15時を過ぎて佐渡博物館前のバス停に着く。博物館自体は昭和帝が巡幸でお泊りになられた旅館『八幡館』に隣接し、八幡温泉前のバス停の方が近い感覚がする。中に入り手指をアルコール消毒、健康チェック表を書いて提出する。もちろん出発の時点でマスクを着けている。通常5百円のところ、障碍者割引で手帳パスしてもらった。

この日は特別展があり、記録をしていなかったことを惜しく思う場面である。そこが災いし、特別展の古美術に関しては一切記憶していない。10日経っても記憶しているのは常設展の方で、入って早々太古の動物デスモスチルスに衝撃を受ける。中新世にいた動物とのことで、『のび太の日本誕生』の題材となった7万年前は既に完新世の為、とうの昔に滅んでいる。この日、間違えて巡る順を逆にしたが、大佐度・小佐渡が隆起し、国仲平野ができたあたりの展示から見ると、順を追って時代の流れを拝める。大和王朝の『佐渡の国』に落ち着くまで思ったより変遷があり、越後の国だったこともある。鎌倉時代は大仏北条氏が治めており、戦国時代は幾つもの地頭に分かれていた。ミリマスSS『矢吹可奈と「フルーティアふくしま」』の稿で後年9代目シンデレラガールとなる北条加蓮嬢から転じて後北条氏の北条早雲公の名前を出したが、後北条氏が現役だった頃は地頭が割拠しており、上杉景勝公が征服するまで統一されなかったのである。その景勝公が御館の乱で謙信公の跡目を争い、打ち破った上杉景虎は北条氏政公の実弟である。

短時間で出た後、バスに乗れず、八幡館のお湯に浸かってバスを待とうとしたが、時刻は既に15時半で、お湯に入れてもらえる期限の15時をとうに過ぎており、入浴することは叶わなかった。その後は一度博物館前のバス停に行ったが、八幡温泉前のバス停に落ち着き、15日夜から16日未明にTwitter内で起きた『ゆりしー炎上事件』を思う。乗ったバスは16時28分発の便で、そのまま栗野江の仙道バス停まで揺られる。バスを降りてH女史にメールし、17時頃に入浴した。邪な心で窓辺を見ようとすると、神様は何も与えようとしないことを示す日だった。

紀元前の折、司馬遷氏が『天の力は微なり』と現実世界の理不尽さを歎いていたが、罰するときは罰するのな、という場面である。勝木のように日替わりだと思ったが、週替わりだったので『紅梅の湯』ではなく、昨日と同じ『白梅の湯』に入る。窓さえ掃除していれば見晴らしがよい。


長旅の 果てに浸かりし 畑野の湯 上がりて繋ぐ ソーシャルゲーム


上がると休憩室に出たが、電話とメールが来ており、『休憩室に居るのでこれから出る』と返した。急ぎバスに乗ったら両津で東海岸線最終の多田行きに乗れたかもしれない。都会の方には信じられないと思うが、その路線は両津港発18時47分の便を逃すと野宿が決まるのである。その為、最終のカーフェリーに接続する岩首行きのバスは無い。この頃になるとH氏に対する蟠りは大して薄れていないものの、ホムトンバナナと生協の発注が気になっている頃で、『デレマス』の五十嵐響子嬢を向かわせたいくらいである。


翌18日。『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』の由比ヶ浜結衣嬢と『黒子のバスケ』の黄瀬涼太君のお誕生日である。父の日も近く、どこぞの箪笥屋に於ける面汚しな三男坊の誕生日を翌日に控えているが黙殺したい日でもある。iPodに『ミリシタ』のガシャメダルが使用期限間近と通知されているので、そこが心配になる。午前中に昭和末期の生まれであろうホームベーカリーでフランスパンの生地を仕込み、炒飯の素で作った五目炒飯、アイスコーヒー、麦茶を仕込み、豊岡尾戸13時26分発のバスで両津へ向かう。そこで遅い昼食にしたが、たれかつ丼のご飯の量だけ『ミリマス』における佐竹飯店並みで、あとはもう食べたくない水準である。Wi-Fiを繋いでミリシタのガシャを引いた後、15時17分のバスで折り返し両津を出て、赤玉へ向かう。赤玉で既に16時を回り、蟹味炒飯の素と、焼き豚炒飯の素、お菓子の詰め合わせを買って豊岡まで歩く、途中、乗ってきたバスの折り返し便に遭遇し、帰って来たのは17時頃、オーブンペーパーの絡みで成形に苦戦し、この日は巨大ブールで手を打った。夕食のご飯はカットである。この後、原則として夕食の主食をカットする食事制限が暫く続く。この日、有名な交通系YouTuberのスーツ氏が25日に就役する東海汽船社の貨客船、3代目『さるびあ丸』の内覧会に参席し、小池都知事閣下も御自らその場に出向かれた。新海誠先生の『天気の子』の舞台となった航路で働き、舞台となった船である2代目『さるびあ丸』は25日から26日にさよなら航海をする。鉄道であれ、バスであれ、飛行機であれ、船であれ、さよなら運行はやはり名残惜しい。しかし、次の職場で災難に見舞われず、天寿を全うすることを切に願う。同じ東海汽船社のジェットフォイル『セブンアイランド結』は就役間近で内装からして若々しい。惜しむらくは塗装で、そこと、ジェットフォイル自体の導入と大型客船のカーフェリー化をいち早く果たした佐渡汽船社当時の社長氏は偉大なのな、といった感である。


19日。この日は『サクラ大戦』のマリア・タチバナ女史のお誕生日である。ホムトンバナナは18日のうちにうちの父が切り、生協の方もこの日紙で発注したそうで、気がかりな理由が2つ亡くなった。帰らなければならない方の理由は先日修理に出していた眼鏡を受け取りに行くことである。牛蒡茶と蟹味炒飯、アイスコーヒーを仕込み、『ソードアート・オンライン』のキリト君ができない方の二刀流を発動させる。ユニークスキルではないが、高等スキルなので、使えるようになるには空間認識と料理の段取りを覚えておく必要があり、容易には発動できない。この日の昼食はレトルトのカレーで、料理の作り方の問題として、『およげ!たいやきくん』の構図なので、レトルトのカレーがごちそうである。昼間の時間で麦御飯を仕込み、通信課程に於けるスクーリングのやり残しに手を付ける。これが本来の目的だが、紙の勉強は碌にしておらず、自宅の外に出て『生きた復習』をする場面の方が遥かに多かった。


ミリシタの スクショ動画を 見て歎く TVの衰微 何と甚だし


平成一桁、遅くとも21世紀になったばかりの数年間までの時期と比べるとテレビ番組が非常につまらなくなった。それとチャンネル権の絡みで、テレビを碌に見ておらず、NHKでなくんば『プレバト‼』かアニメ程度である。そのアニメも再放送が貴重で、録画すらできない。そんな中、デレステやミリシタのスクショ動画を見ると非常に楽しい。成人する前に還ったような感覚になる。

この日、H氏と親族の伯父さんが親族イベントのことで喧嘩した。H女史が誰の血筋か豊岡に来て以来しつこいのでコモリガエル宜しく両手で料理を掻き込むジェスチャーをし、『むしろドカ食いしたいくらいだ』と噴火した。おまけにお風呂の栓をしていなかったことでこの夜は入浴できず、翌朝に持ち越す。


翌20日。この日は『D.C.』の白河ことり嬢が誕生日を迎える。チケットも20日の便なので帰らなければならない。出発前に服と靴の補助を頂き、残りの荷造りをして車に乗る。後で言われたが、佐渡で買ったシャツを置いてきてしまった。7時台に出て、赤玉から山越えに臨む。ここは冬季に閉鎖される道路で、河崎までショートカットできるだけで運転はしにくい。南向けの棚田を拝めた時間は大して長くない。

杉池に行けば龍が住んでいるという。子供の頃、絵本で読んだ覚えがあるが、龍には抗えず、干拓を取り止めたという。両津に着くと、新潟からの始発便が着いた頃だろうか。

車を降り、重い荷物を持って列の先頭に荷物を置く。混み具合を見て1等にしようかと思ったが、特等と迷い、結局1,080円を払って1等イス席にした。指定された番号は15番で、真ん中の列壁側である。本日、9時15分発の便を担当するのは平成1桁生まれの3代目『おけさ丸』で、『天気の子』の舞台となった2代目『さるびあ丸』とは1年の差と船齢が近く、ファンネルの形状に時代を感じる。ただ、『さるびあ丸』が三菱重工業社の下関造船所で生まれたのに対し、『おけさ丸』は呉市の神田造船所で生まれ、造られた工場は全く異なる。災害さえなければ『アマガミ』の七咲逢役で名高いゆかな女史も乗ることになっていたであろう船だけにそのあたりは無念である。

船は9時17分頃に出航した記憶があるので、メールには『11時47分頃に着く見込み』と書いた。

『デレステ』のAR動画に関しては根底から崩され、Wi-Fiで苦戦する中で諦めた。海も『凪が良い』とは言えず、大分揺れたので、フォルムに平成1桁を感じるリクライニングシートで寝ていた。テレビを見ない代わり、『ミリシタ』のスクショ動画が下手なバラエティーより遥かに娯楽であった。新潟港に入港し臨港町を通過した後、山の下で小樽行きの『らべんだあ』が出航を待っていた。あちらの船で乗り鉄に食旅、温泉巡り、『天体のメソッド』や『ラブライブ!サンシャイン‼』等の舞台探訪をできたらどれだけ嬉しいだろうか。その幻想に浸れたのは万代島で車に乗り換えるまでの短い間だった。スーパー『マルイ』で昼食を買い、帰って冷やし中華を食べた後、折返し出発して『眼鏡市場』で修理を頼んでいた眼鏡の受け取りをし、スーパーでは買えなかったインスタントドライイーストと全粒粉を伊勢丹で買い、『Billboard Place2』のアイマス公式ショップでミリマスとシャニマスのライブTシャツを1着ずつ買う。本当はアイドルのプリントされたシャツを着たいが、ストレス太りで彼女等に申し訳ないので、黒地の方を買った、これにより、補助金は全て無くなり、寧ろ持ち出しているくらいである。ミリマスとシャニマスのライブTシャツは公演のときに使うのが本来の用途であるが、現在の状況ではコンサートなど夢のまた夢で、参加できたとしても4時間は厳しい。かといって己の体型ばかりか世間の目が恥ずかしくて普段着にもできないので、専らパンやお菓子を仕込むときの衣装として使いたい。『折角佐渡へ行ったんだから紀行文書け』『明日の朝食でパンが要るから今日のうちに焼け』というような親ではなく、昭和脳の駄目上司の様相で、横見浩彦先生と戦争してもらいたいし、常々バットでしゃんつけたいと思っているうちの父ではなく、『アイドルとは何か』を教えてくれた二次元のアイドル達、『己が迫害されぬ世界』を教えてくれた二次元の美女たちにこそ気合の入ったお菓子とパンを贈りたい。『22/7』の佐藤麗華嬢と初めて会うのは翌日21日のことで、首を長くして待っていたカルチャースクールの還付金と市からの特別給付金を受け取るのは更に翌日である22日。佐渡へ出発する前から構想を練っており、宿まで予約した一晩だけの逃避行で冬原パトラ先生の『異世界はスマートフォンとともに。』書籍版21巻を『アニメイト』にて買い、同じ日に『らしんばん』で佐竹美奈子嬢のフィギュアを連れて帰ったのは24日から25日のことである。佐渡に行くときは遊びで行きたいものである。それも、二次元の美女たちを何人も連れて……。『ガールフレンド(仮)』の神崎ミコト先生を伴えれば多重に嬉しい。そして早くこの稿を書き終え、小説の執筆を手掛けたい。そっちの方はH氏が怒鳴りつけてくる方なので、予てより腹が立っている。

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