第204話 landing on the prince once again.

 「おお、陽葵さん、わざわざ来てくださったのですか?無事に釈放されました、ありがとうございます。」


 「それでね。」


 陽葵は、あさひから聞いた話をそのまま伝えた。


 「そうですか、弟のジュードが。」


 鷹人、ジャック・ブルースカイは死んだ弟のために祈るような仕草をした。


 「仕方ありません、フローラル連邦国に反旗を翻したのですから、こうなる可能性があることは弟も覚悟していたはずです。」


 「弟さんは、あさひちゃん、いえ、オーロラ姫をベルゴロド公爵から守って戦死なさったのです、その後は別のベルゴロド公爵の専横が始まったと、弟さんは彼なりに鷹人差別を無くそうとして参加しただけ、鷹人さんが里の皆さんを説得してくれるなら、ガーベラ王子様には鷹人の方々を悪いようにはしないようにお願いしてみます、時間がないのです、よろしくお願いします。!」


 「わかりました、私を急ぎ12月王国の北門にお連れください。鷹人の私であれば第13帝国も容易に入国を許すでしょう。」


 「首尾は、オーロラ姫に聞いて、彼女はすごく賢いからワタシのどんな無理も聞いてくれるわ。」


 「あさひさんならやるでしょうね、お任せください。」


 陽葵と鷹人ジャック・ブルースカイはもふバスに乗り込み、一路12月王国北門に向かった。


****


 「空襲警報!空襲警報!」


 闇夜が迫る頃、12月王国北門付近に警報が伝令される。


 総指揮官のガーベラ王子と副官の東村亜希子に戦慄が走った。


 北門を閉じても空から襲われては手も足も出ない、この陣地を捨てて撤退するほかあるまい。


 ただ、輝くイオに照らされてキラキラを撒き散らしながら近づいてくるのは鷹人ではなく、青白く見える箱であった。


 ガーベラ王子は前にこんな景色を見た記憶がある。

 直感的に敵ではないと感じた。


 箱形飛翔体はこがたひしょうたいがはっきり見える高度300メートルに近づいた時、いきなり扉が開いて王国創立祭の前夜祭で見た光景が蘇った。(第132話参照)


 中庭にいた王子や兵士たちは、

 扉からキラキラと共に降ってくるこの世のものとも思えない神々しいまでに美しい天使が降臨こうりんする姿を目撃していた。


 それはまるで空の階段を光を振り撒き、踊りながら降りてくるかのような、そんな幻想的な光景だった。


 陽葵が地面にまもなく降り立つ。


 最後のステップで気を抜いた陽葵は足場を失いバランスを崩して。思わず駆け寄ったガーベラ王子の上に着地した。


 情景※お約束通り、ガーベラ王子の顔は再び陽葵の巨乳に挟まれています。


 「ガ、ガーベラ王子!大丈夫ですか??」


 兵士が駆け寄る。


 「だ、大丈夫だ、賓客の陽葵殿だ、厳戒態勢は解除でよい。」


 「ガーベラ王子!申し訳ございません!緊急事態なのです、帝国の鷹人さんたちを寝返らせますので鷹人の方々とモントレー皇帝、オーロラ姫の恩赦をお願いします。」


 陽葵はどストレートに王子に要請した。

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