第187話 暴虐の陸斗

 陽葵はガーベラ王国に向かう自家用機フェンリルの中で爆睡ばくすいしていた。


 陸斗兄さまに頭を撫でてもらっている時に目が覚めたのだが、気持ち良かったのでそのまま目を瞑ったつむったまま、寝たフリを続けていた。

 陸斗兄さまがコフェンと小声で何かを話していたがよく聞こえなかった。


 「…触っても……」

 「………」


 突然、右側の乳房ちぶさをつつくような感触かんしょくがした。


 その後、「つーっ」とお腹の方にズレていく。


 左胸バスト揉まれてもまれているようだ。


 り、陸斗兄さま、何を、、


 陽葵は目を瞑ったまま固まった。


 陸斗兄さまならそんなに嫌じゃないけど私はまだ13歳だ、そういうことはまだ早いと思う反面、陸斗兄さまならいいかな?

 などと複雑な気持ちが絡み合ってからみあってそこそこ財閥令嬢の陽葵はアワアワしていた。


 キスもしてないのにそんなこと、


 でも、ここは異世界、いつ死んでも不思議ではない、事実陸斗兄さまは致命傷ちめいしょうをおい、下手をすると命を落としていたのだ。

 陸斗兄さまなら許してもいいかな?

 などとぐるんぐるん思考が巡った。


 陸斗兄さまの手がパジャマの中に入ってくる、手袋をしている方の手かな、布がお腹に擦れるこすれる

 そういえば気の抜けた熊リラックマのパジャマ着てたんだ、恥ずかしい!もっと可愛いパジャマ着てたらよかった。


 その気の抜けた熊リラックマのパジャマが引っ張られる。


 え、え、また左の乳房バストを何度もつつかれる。


 めっちゃ恥ずかしい。


 パジャマをめくられてお腹まで丸出しになる。


 ちょ!もう無理!


 「り、陸斗さん!?」


 陽葵がこらえきれず目を開けると陽葵のパジャマをまくりあげ、ダガーナイフを右手に握った陸斗がいた。


 ありえない異様いような光景が目に入った陽葵は叫ぶ。


 「ちょ!陸斗さん!何をなさってるの?」


 「ああ、陽葵ちゃん起こしちゃったね、ごめんね。前にこのパジャマがボウガンの矢を跳ね返したはねかえしたって聞いたからいろいろ試していたんだ、トレーナー厚さは5ミリくらい、内部はトラス構造なんだね、ダガーナイフを何度も突き立ててみたり切り裂こうとしてみたけどナイフの刃がこぼれた、トレーナーには傷一つないんだ、すごいよこれ、俺も欲しいな、これならボウガンの矢どころか銃弾じゅうだんでも大丈夫そう。」

 

 そう言いながら陸斗はダガーナイフを陽葵の豊満ほうまんな左の乳房バストに何度もビョンビヨン突き立てる。


 陽葵は顔を真っ赤にして全身に力が入りブルブル震える。


 「それにしても陽葵ちゃんの腹筋すごい、6パックに割れてるやん。」




 「こ〜〜の〜〜バ〜カ〜リ〜ク〜ト〜〜〜〜!」

 

 




 陽葵の渾身こんしんの左ストレートが陸斗の右頬にヒットし、陸斗は後ろ向きに三回転半して客車の壁に激突した。


 ※ベテラン読者の皆様はご存知かと思いますが今の陽葵はアスリート並みの身体能力を有しています。


 客車はかろうじて破損だけは免れたが、フェンリルが空中足場を一段踏み外し一瞬バランスを崩した。

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