第121話 2,700字拡大版、もふもふもふもふ&陽葵の初✖️✖️
無敵のニードルフェルトアート用アダマンタイト製ニードルを手に入れた陽葵は狂ったようにもふもふを作り始めた。
まずはフェンリルの人形を作った。
人間界で最後に仕上げたニードルフェルトアート作品だったから。
そして次にアリスおばさんの亡くなった3人の娘を作った。
これまでお世話になったお礼を兼ねて。
フェンリルの
ところが陽葵のニードルはザクザクスイスイ進んでいく。
「すごいわ、このニードル、いくら使っても
フェンリルの真っ白な抜け毛に少し茶色の
程なくして亡くなった
「アリスさん、これまでのお礼です、受け取ってもらえますか?」
「おお、おお、ありがとうよヒナ!本当にありがとう。」
アリスおばさんは涙を流して3人のお人形を抱きしめた。
「ヒナ、あなたお人形ショップ始めたらどうかしら、
こうして陽葵は自分の店を構えることになった。
フェンリルの抜け毛はまだまだ大量にあるし、
亜人の多いこの世界ではほとんど人がもふもふであり、ニードルフェルトアートと非常に相性もよかった。
陽葵の店は大繁盛であった。
ある日、店の貸主の
黒い服で銀髪、目隠ししている姿は、陽葵が昔ファンだった
「ヒナさん、うちの下働きをなさっていた頃とは全く違い、最近は活き活きされておられる、これからも頑張ってくださいね。」
****
お店の繁盛と共に、裏ではよからぬ輩の耳にも入ることとなる。
「おい、新しくできた
****
陽葵はアリスおばさんの家を出てお店の2階に住んでいた。
アリスおばさんはもう少し一緒に住んでもらいたかったみたいだけど。
その日の夜数人の強盗がヒナの店に押し入った。
二階で寝ていた陽葵は物音で目を覚ます。
以前の陽葵であればブルブル震えて泣くだけだったけど、数々のハードモードを切り抜けてきた陽葵はもう以前の陽葵ではない。
ドアを破って入ってきた
命の次に大切なニードルはハンドバッグに入れていつもすぐそばに置いてある。
手にすっかり馴染んだニードルを握り、ゆっくりと階段を降りる。
ハンドバッグは肩から掛け、左手にはスマホがある。
陽葵のスマホは背面がソーラーになっており、災害時でも充電が可能なタイプである。
スマホにはパトカー音とか他のいろんな音を出せるアプリが入れてある。
パトカーのサイレン音を鳴らした。
ファンファンファンファン!
盗賊たちは何事かとあたふたする。
「あなたたち!何をしてるの?泥棒?すぐに出ていきなさい!」
盗賊たちは一旦は驚いたものの、陽葵が持っているのが短い針一本だったので指差して笑い始めた。
「なーに言ってやがる、そんなゴミみたいな針一本でなーにができる!ワハハ!」
※いろいろできます。
「よく見たらそいつも
「へへへ、すごい巨乳美少女じゃないかよ、これはそそられるな。」
盗賊に褒められてもちっとも嬉しくないのだが、陽葵はものすごく久しぶりに"美少女"と呼んでもらって心の中ではなぜか少し嬉しかった、これまでさんざんだったから。
針を構える陽葵に
突如、陽葵の姿が消えた、いや消えたように見えた。
盗賊の
ガシャン!大剣は根本から折れ床に落ちる。
「こ、コイツ!」
周りの盗賊がそれぞれ剣を抜き陽葵に切り掛かる!
目にも止まらぬ速さで陽葵は移動して同じように剣の根元をニードルで刺し剣を破壊していく。
仲間の一人が陽葵の心臓目掛けてボウガンの矢を放つ。
しまった!
陽葵は自作のパジャマ姿で降りてきたが、まさかボウガン使いがいるとまでは想定してなかった。
振り返った陽葵の心臓あたりにボウガンの矢が命中する!
はずであった。
ボウガンの矢はパジャマの胸に大きく描かれた寝そべった
このリラックマトレーナーとリラックマ帽子のパジャマは陽葵の大好きなキャラクターをニードルフェルトで自作したものである。
フェンリルの獣毛でできたトレーナーは非常に柔らかく肌触りがよく暖かいがアラミド繊維など比較にならないほどの
たとえ刀で
「いったーい!何すんのよ!」
陽葵は目に見えないスピードでボウガンを放った男の右手にニードルを刺す。
「グハウエエエ!」
男は声にならない叫び声をあげ、右手を抱えて床で転げ回った。
陽葵のアダマンタイトニードルは人体に刺さるとその部分の
刺されて死ぬことはないが、あまりの
通常に
ベテラン読者の方はご存知だと思うが、元は
陽葵の
刺されたほうは災難、いや大天災としか言いようがない。
こうして陽葵は盗賊数人を一本の針で
ところで、なぜ陽葵がこんな素早い移動をできるのか読者のみなさんは気になるところであろう。
思い出してほしい。
陽葵がお世話になっていたところを。
何ヶ月も
陽葵の足腰は
陽葵の身体もかつての「そこそこ令嬢」「ぽっちゃり姫」の
巨乳、はそのままに。
そして数々のハードモードを乗り越えた自信から
こうして陽葵は店主のみならず
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