第112話 拉致&リリース
その夜はイスラの家の窓が少し隙間が開いていた。
陽葵はセレオラが作ってくれたベッドの上で寝ていたが、寝返りをうってふと窓のほうを見ると、
それはヒキガエル、こちらでは
「ケロケロ、これは可愛いお姫様だ。」
「離して!」
陽葵は抵抗するが、もともとそんなに筋力もなく運動も苦手なそこそこ令嬢ではなす術もなかった。
「ケロケロ、おまえさんは何も心配しなくていい、ワタシの自慢の息子のお嫁さんになるんだよ、ケロケロ。」
陽葵は
陽葵は泳げないしそもそも恐怖で身体が動かない。
もうどうしようもなかった。
「私って何か悪いことでもしたのかな、なんでこんな目にばかりあうの?もうおうちに帰りたいよ。」
陽葵は膝を抱えて人知れず泣いた。
沼にはその様子を見ていた
「
そう言うと、
「頑張れよー!」
「ちょ、私これからどうしたらいいのよー!無責任じゃないの!」
その声はもちろんメダカさんたちには聞こえなかった。
陽葵の乗ったハスは川の流れに乗ってどんどんと流されていく。
陽葵は本気で船酔いしていた。
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