【Date:AY128.1.10 xsEelE3h REC by NearxsEelE3h】

 海を眺めてたらちょっと疲れてきちゃった。だからお部屋に帰ってきたの。

 奇麗だったねぇ。

 ええと。遠くまでちょっとずつ色んな色に広がっていく大海原。太陽の光をキラキラ反射するお水の上をピチャンとはねて銀色に光るたくさんのお魚。

 お魚って泳いでいて楽しいのかな。どうなん?篋咲?う。

「追尾しますか?」

 うーん。やめとく。やっぱりつまらなさそうだし。

 にゃーちゃんはみたいものあるの?

「ありません」

 にゃーちゃんはいつも通りだねぇ。

 じゃあこの間お話しした人と話したいな。繋がる?

「すでに活動を終了しています」


 ……そっかぁ、残念。じゃあその人の子供いる?

「アクセスしましたが拒否されました」

 そっかぁ。つまんないなぁ。

 あ、やっぱり音楽な気分でもないかも。にゃーちゃん誰か探してきて? おもしろそうな人。お願い。


 少し経つくにゃりと意識が揺れて、どこかの人と繋がった。

『こんにちは。はじめまして』

『こんにちはー! 最近おもしろいことありますか?』

『面白いことですかあ。僕はだいたい寝てることが多いですね。夢をランダム設定にすると面白いですよ。予想外のことがたくさん起こります』

『夢かぁ。前に怖い夢を見たので、それから切ってるんです』

『それならいい夢しか見ないよう設定を変更すればいいですよ。ヒトが調整してくれませんか?』

『えと、わたしのことはわたしが調整したいので』

『へぇ、真面目なんですね。そちらはどうですか』

『最近は海を見に行ってます。今日見た海は奇麗でした』

『そうで$B0c。僕はそろそろ寝るので失礼します。こんなに人と話をしたのは初めてです。ではよい生を』

『ありがとう。よい生を』


 さようなら、と言って接続はふつりと切れた。

 こんなに人と話すの久しぶりだなぁ。だいたいは『こんにちは』でおわりだもん。

 にゃーちゃん面白い人だった、ありがとう。

 じゃあわたしも寝ようかな。

 いつもと同じく、ふわりと壁から出てきた泡はポカポカして気持ちいい。

『おやすみなさい』

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