秘匿文書　ドラニム研究所レベルⅤ管理指定書類　開発機体『エモーション』

ＭＴＸ―０５―７０８９　呼称イヴ　に施す停止プログラムについて

【目的】

　万が一、イヴが他国に渡る、あるいは国内でも民間に漏れるなどした際に、利用されることを防ぐ為の措置である。感情を持つが故に、敵に協力し自ら情報を提供するなどを防ぐことを期待している。

　また、停止プログラムの方法に先だって、アンドロイドであることが露見することへの防止策について追記。現在実用化されているレントゲン装置などは、現行のそのすべてにおいて内部が人間の体内に見えるよう細工がなされている。

【方法】

　遠隔操作で行う他、彼女の感情が一定値以上に達した場合も発動する。恐怖や痛みをはじめとして、愛情や幸福も含まれる。

　発動した場合、イヴは全機能を停止し、正規の手段を用いない限り、再起動は不可能である。また、再起動後も、再び感情値が一定以上に達すると、停止プログラムが発動する。

　計画が順調に進めば、予定では80660714にイヴに対して本停止プログラムを実装する。プログラムは完成済み。残存するもう一方の機体については、今後の運用が期待できない（別紙参照）ため、本件はイヴにのみ行うものとする。

　　　文責　80660710　ポーロ・ルーカス

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