2023/06/15 事件の余波
かれこれ一週間程が経過しているが、「羨ましい事件」の余波が収まらず、ふとした瞬間に心が悲しみに覆い尽くされてしまう。すると何も手に付かなくなる。
言った当人は、私が即座に完膚なきまでに反論したところすぐに謝ってくれたからまだ許せるが、私が取り乱して方々に連絡した結果頂いた言葉には、未だもやもやを感じている。まさかこの感情がこんなに長引くとは……。
「相手にも事情があるから仕方がないよ」
そんなことは最初から分かっている。でもいくら事情があっても言ってはいけない台詞というものがあるだろう。いくら事情があっても擁護しない方が良いことがあるだろう。相手が仕事で参っているという情報を差し引いても尚つらかったからこそ、私はここまで取り乱したのである。
もう、余計なことは聞きたくない。私はただ一言「そうだね」が欲しかっただけ。何なら「そうだね」だけしか言えない全肯定ロボットが相手でも構わないから、そのように労わって欲しかった。「そうだね。でも相手にも事情があるから……」の「でも」以降は一切不要なのだ。何があろうと、あの発言自体には情状酌量など与えたくないのだから。
そう思うのは、贅沢? 我儘? 独りよがり? 自己中心的?
それとも、やはり鬱病のことは当事者でないと分からないのか……?
健常者が鬱病患者を羨ましいと思うのは本当に仕方がない当然のことで、うっかり言ってしまっても患者の方が我慢して許すべきなのだと、そういう認識の人が多いのか……? もしかして私の思いは多数決で負けてしまうのか? 私の方が非常識で、甘ったれで、優しくない人間なのか?
いや……。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
私が嫌だと感じているんだから、駄目に決まっているじゃないか。如何に少数派の人間でも、無闇に悲しませてはいけないのが倫理というものだろう。そしてこれは私の気持ちの問題なのだから、常識だの何だのではなく、私の価値観こそが絶対的なルールなのだ!
もうやっていられない。こうなったらなりふり構うものか。皆、頼むから、私のことをでろでろに甘やかしてくれ……!
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