勉強むずかしいねっ

 以前上司と出張へ向かう道中で、どのように道順を覚えるかという話になった。

 地図を頭の中に浮かべて、カーナビみたいに俯瞰で把握するのが得意なのが上司。初めて通ったときの映像を思い浮かべて照らし合わせるのが私だ。だから、初めて行く場所はグーグルのストリートビューを見て道を覚えるようにしている。


 人によって物事を把握する方法は様々だが、上司と私で何が違うのか? それは「認知特性」が関わっている。

 認知特性とは、ものごとを理解したり記憶したりする際に、五感のどこを一番使っているかというもの。


 例えば、「思いつくだけ、たくさんの野菜をあげてください」と言われたとき、

「きゅうり」「ほうれんそう」など、言葉を頭の中に浮かべていくタイプもいれば

 スーパーに入った映像を浮かべて、野菜売り場をイメージするタイプもいる。


 前者であれば、文章の読み書きから情報を整理することが得意。

 後者であれば、画像や映像など、視覚から得られる情報を整理することが得意。

 そのほかにも音として耳から得た情報を処理することが得意なタイプなど、さまざま。

 上司も私も同じ視覚が優位だけど、3Dでとらえるか映像(あるいは画像)でとらえるかで違いがある。


 ちなみに私は聴覚の認知が一番苦手だったので、ラジオやリスニングが本当に頭に入ってこない。

 口頭で指示されるのもすごく苦手意識があるので、些細なことでもメモをするようにしている。だって口に出したものって目に見える形で残らないじゃん。超不安なんだが~。会議の議事録とか苦痛でしかねえ~。


 なんでこんな話になったかというと、仕事でこれまで全く学んだことのない分野を一か月で仕上げて人前で話せるレベルにしろと言われ、とにかく短期間で猛勉強をする羽目になったからだ。


 勉強するならまだしも、それを人に話せるようにするというのはさらにレベルが高い話で、その分野を理解したうえで自分の言葉でわかりやすく話せるようにならなければいけない。


 しかも通常の業務もこなしながら、だ。

 とにかく詰め込もうとするけれど、なかなか頭に入ってこない‼

 大人になってから勉強するって難しいね‼(大言い訳)

 おいおいおい会社くん~~まぢ無理ゲーなんだが勘弁wwwwwwwwwwwww(怒りの大気圏突破)(宇宙進出)


 とりあえず私は頭の良い同期にならって、ひたすら声にだして覚える、ということをしていたのだが、聴覚が苦手な私にとっては逆効果。記憶されるどころか耳を通りぬけていくばかりなのである。あっれれ~? おかしいな~?


 そんなこんなで発狂していた私がたどり着いたのが認知特性を使った勉強法だった。

 ウェブの簡易診断の結果、写真などの視覚と言語から得られる映像の処理が優位なので、勉強の仕方そのものを変える必要があった。


 覚えるべきことはなるべく図やグラフあるいは簡単なイラストをセットにする。ノートそのものを画像のようにインプットしイメージしやすくする。

(そう考えたらノートの落書きもあながち無駄ではないのかも……? という正当防衛)

 あとは、勉強する時にストーリーや例えを作ったり、その時の出来事と一緒に覚えるようにした。

 つってもハァ? どゆこと? って感じだよなあ。


 そういや、いまやアニメにもなっている話題の「ちいかわ」の作中で、草むしり検定なるものに挑戦するエピソードがある。

 その中で放置するとエリアを壊滅させる「危険草」なんてものがあるのだが(?!)

 例えば私だったら草の写真を手描きイラストにしたり、過去に起きた被害を四コマ漫画みたいにまとめたりして覚える。あとは草にあだ名をつけるとか。

 友達と一緒に勉強したら「あ、あの日あのこと話ながらやったやつだ」なんて思い出すかも。


 あの地獄のような日々から一年くらい経って、ようやく笑い話みたいに思い返せるくらいになったので、備忘録として残そう。


 追伸

 ところでふと思ったけど、これって創作にも同じことが言えるのでは……?

 私は文章から映像を思い浮かべることが多いので、文章にするときは先に映像で組み立ててから文字に起こすことが多い気がする。だから動きの描写が多くなっちゃうんだよな~。

 たぶん、他にもいろんなタイプがいるはずっ……。

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