第8話ダメ人間はきっかけ(内的要因)じゃ変われない。②
月曜日を迎え、朝9時に訪問介護さんとの最初の面談となった。
担当医や病院からは大まかに症状を聴いているのでこれからの事や薬がちゃんと飲めているかの管理、日常生活での困りごと等を話し合い、毎週この時間に来て頂くこととなった。だが、心のうちの本心は話さなかった。
その週は、袋詰めされた大量のごみやペットボトル、空き缶を処分した。
要らないものをどんどん捨てていくと、心も身軽になってくると行動もしやすくなる。
まずはもうかれこれ20年ぐらい顔を合わせていない父親に電話をかけ本当に他愛のない話をした。内容はまったく覚えていないぐらいの当たり障りのない会話をした。実家に住んでいる時から家族の関係が希薄だったのでわたしは家族というものになにも思うところが無いが、一応の筋みたいなものだけはいつも通していた。それは、家族という他人という認識が強かったからだとおもう。
それから、地元の高校時代の友人で(おそらく親友と呼べるだろう)唯一連絡がついたので、「3月中旬に地元に帰るけど、時間取れそう?」とスケジュールを確認してもらう。
相手は普通に働いているので「週末の夜しか空いてない」けど会えるように調整すると言ってくれた。
「それじゃぁ、また現地で」と、礼を言い電話を切り、パソコンのモニターに映っていた宿泊パックの飛行機の日程を決めた。
「20年ぶりの地元か...」
目じりのしわが深くなり、どこか遠くを見るような視線で宿泊地の文字を見つめた。
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