第6話ダメ人間は自分からは自然には変われない③

 規則正しい入院生活開始から2週間ほど過ぎた辺りから、徐々に意識がハッキリしだして、あまりにもやることが無さ過ぎて持ってきた長年積んであった書籍を読みだしたり、スマホで延々と空の世界なのに面倒くさくてサボっていた砂いじりをしていた。この頃から抑えられていた多動性が出始めとにかくじっとしてられなくなりはじめ、担当医に10時から16時までの時間いっぱいの一時帰宅許可を貰い、溜まっていた洗濯物と荷物の受け取り、スマホ3台を取りに戻った。

 病棟に戻ったら空港で行われる手荷物検査と同等以上の財布の中までチェックされて再び入院生活へ。

 今までの鬱状態を取り戻すかのように延々と起きてから寝るまでスマホ4台を駆使し、砂いじりをして残りの2週間を過ごした。

 担当医と退院後の面談をするなかで、また不規則な生活と薬を飲めなくなる事を考慮し、週1回月曜日の訪問看護をお願いした。

これがわたしの人生を変える事になるとは全くなく、その時はただ週の初めに来てもらえれば少しは生活習慣の改善になるかも、と軽く考えていたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る