大人のハロウィン 3人用台本
ちぃねぇ
第1話 ハッピーハロウィン!
0:玄関先でお化けに出迎えられる男。
父:ただいま~
娘:ハッピーハロウィン!
母:ハッピーハロウィン!
父:うわっ!…なんだなんだ、可愛いお化けが2体もいるぞ
娘:お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!
母:するぞ!
娘:がおー!
父:がおーって(笑)
娘:パパおかえり!ねぇねぇ見てっ、これママと作ったんだよ!
父:ゴーストか
娘:(一回転して)可愛い?可愛い?
父:うん、可愛い。…よくできてるな
母:古くなったシーツをカットしてミシン掛けたのよ。しぃちゃんも手伝ってくれたもんねー?
娘:ねー!
父:でも、全然怖くないけどいいのか?頭にリボンついてるけど
娘:怖いのより可愛いほうがいいもん!
父:そういうもんか?
娘:ねぇねぇパパ!お菓子はー?お菓子がないとイタズラしちゃうぞ!
父:お菓子かぁ~持ってないなぁ~
娘:えええ~!?お菓子無いの~!?
父:……ケーキはお菓子に入るかな?たまたま近所のケーキ屋さんで美味しそうなイチゴのショートケーキが売ってたんだけど
娘:っ…!入るっ!
母:じゃあココア入れてあげるから、しぃちゃんお皿出してくれる?ケーキ、台所に持って行ってくれますか?
娘:はーいっ!
0:台所に走る娘。
父:…助かったよ、メールくれて
母:やっぱり、今日がハロウィンだって…忘れてた?
父:どうにも僕の中ではまだ意識の薄いイベントらしい
母:でも、ケーキ買って来るとは思わなかったわ。てっきりそこら辺のコンビニでお菓子買って来るものだとばかり
父:通りのケーキ屋覗いたらハロウィンっぽい飾りつけのケーキまだ残ってたから、喜ぶかなって。…あんなに喜んでもらえると、買って来たかいがあるね
娘:(台所から)パパー?ママー?何してるのー?
母:はいはい、今行くわ
0:3分後。
娘:いただきますっ
母:こーら、シーツは脱がなきゃだめよ?
娘:ええー?今日はしぃちゃんお化けなんだよ?がおー!
父:その鳴き声は合ってるのか?
母:でも、食べにくいでしょ?
父:そうだぞ?シーツがしぃちゃんのクリーム食べちゃうぞ?
娘:気を付けるもん!
母:ええ~?…ま、いっか。どうせ捨てるシーツだし…(言いながら自分のお化けを脱ごうとする)
娘:ああー!ママも脱いじゃダメー!
母:ええ?ママもこのまま食べるの?
娘:だってママもお化けだもん!
母:そんなぁ
父:大変だなぁ~がおー!
娘:がおー!
母:もう…がおー!!
0:2時間後。
父:お化けさんお化けさん、お疲れ様
母:…他人事だと思って楽しんでたわね?すっごく食べにくかったんだからっ
父:来年は魔女にでもなるんだな
母:それは随分ハードルが上がるわね
父:それは作ることが?それとも着ることが?
母:どっちもよ。魔女は流石に詩織だけに着せることになりそうね
父:えー?結衣さんの魔女姿、見たいのに
母:なら、あなたのヴァンパイアも見てみたいわ。ね、来年はあなたも仮装しない?
父:いいけど…そうすると誰を驚かせることになるんだ?
母:え?
父:トリックオアトリート!…って、誰が誰に言えばいいんだ?
母:それはほら…その場のノリで?
父:お化けがお化けに言ってもいいし、人間がお化けに言ってもいい?
母:そういう事!こういうイベントは楽しんだ者勝ちよ
父:そういうもんかな
母:そういうもんよ
父:…じゃあさ
母:…なあに?
父:トリックオアトリート!
母:…へ?
父:人間がお化けに言ってもいいんだろ?
母:そりゃそうだけど
父:お菓子はありますか?
母:…サラミジャーキー
父:却下。それはおつまみ
母:ええ?
父:第一ハロウィンっぽくない
母:ハロウィンの存在忘れてたくせに
父:…お菓子が無いならイタズラするよ?
母:あ、昨日の食べかけの板チョコが冷蔵庫に
父:却下
母:なんでよ!
父:却下したいから
母:そんな理由あり?
父:だって、選択制でしょ?お菓子か、イタズラか。敢えてイタズラを選んじゃダメ?
母:そんなハロウィンはありません!イタズラはあくまでも代替案(だいたいあん)で
父:(後ろから抱きしめながら)それは子供のハロウィンでしょ?
母:…ハロウィンは子供のための行事よ?
父:じゃあ、なんにも理由がないけどイタズラしていい?
母:…どんなことする気ですか?
父:そりゃ、しぃちゃんには絶対言えないようなことを
母:…………トリックアンドトリート
父:え?…アンド?
母:…私のハロウィンは欲張りなの。…予定外のケーキで摂取したカロリー、責任取って消費させて?
父:…じゃあ今からは大人のハロウィンってことで…イタズラし合いましょうか
母:「今夜は寝かせない?」
父:そんなに若くないよ。…でも、枯れるには早すぎるから…ゆっくり楽しみましょうか(リップ音)
大人のハロウィン 3人用台本 ちぃねぇ @chiinee0207
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