迎撃
「マジもんの戦争とはこういうことじゃ!。」
スサノオはニヤけていた。
「血で血を洗う戦争じゃ!ああ、命を賭けた決闘じゃ!。」
スサノオは壊れていた。
「おい、バカ。状況をちゃんとみろ。間抜け。」
パチン
ヒメカはスサノオの顔面をスリッパで叩いた。
我に返ったスサノオは、反省の色をみせる。
「あ、危ない。正気を失っていた。」
スサノオは、本物の戦争の恐ろしさを知るのであった。
「ユキ。黒い手を解析して!。どうにか、あれを止めないと。」
「今やってる。」
ユキは、黒い手の成分を、採取して、解析装置で解析していた。
「成分さえわかれば、適切なお経で、浄化できるけど、空襲は止まらないな―。」
「今、戦闘機で必死に国軍も民兵も国を護ろうと戦っております。」
ミカヅチは口惜しそうに、墜落したり、空中で爆散して死んでいく、兵士たちを見守っていた。
涙が流れて来る。
「地上からも、迎撃ミサイルで対応しておりますが、中々、撃墜できませぬ。」
「やはり、戦略オホ声兵器がないと厳しいか―。」
ヒメカは、カナちゃんを、ちらっとみるが、頭を振る。
「ダメだ。カナちゃんは、使えない。使っちゃダメな気がするんだ。」
ヒメカは思いとどまった。
「敵の戦闘機の殆どは無人らしいぞ。今情報が入った。」
ミカヅチは、報告する。
「クソが。こっちは何人死んだと思ってるんだ。」
珍しくヒメカは、怒りを露わにした。
「電磁パルスも、防御されておる。このままでは、時期にオホーヌも灰となる。」
ミカヅチさんは、頭を抱え込んだ。
「魔法は存在しないんだ。秘密兵器も、助けてくれるヒーローだって現実にはいない。」
ヒメカは、愕然としていた。
敗北の味だ。
あの日と同じ光景。
オホ国からすれば3度目の大敗北になるだろう。
「どうして、あたしたちがこんな思いをしなくてはならないのですか。神様…。」
カナちゃんは涙を流し、焦土と化する、オホーヌの街を茫然を眺めていた。
「どうして―、酷いことができるのですか?」
悟ったような虚空の目で、カナちゃんは、茫然としている。
街が破壊されていくのだ。
「ユキ、迎撃装置はないのか?」
ヒメカはユキの方をみる。
「そんな都合のいいものはないよ。兎に角、黒い手の解析に専念させてくれ。」
じりじりと、人が死んでいく。
「逃げるぞ。」
ヒメカは覚悟を決めたようにいった。
「逃げるって、何処にだよ。」
おれは、叫んだ。
逃げ場なんてない。
どこまでも追ってくる。
オホ国はもう終わりだ。
ここで、戦って、やっておかないと終わりなのだ。
「やるしかないのか?逃げることも隠れることもできないのか?」
ヒメカは、膝から崩れ落ちた。
「舐めてた。戦争を。」
ヒメカは激しい後悔の念に苛まれていた。
「あたしの力を使ってください。」
カナちゃんは、翼を広げた。
「それは?」
おれはきく。
「戦略オホ声兵器の第3の機能 撃墜ミサイルです。」
カナちゃんの羽から無数のミサイル砲が飛び出した。
「へえ。そりゃ、どうやって使うんだい?」
なんか、戦争中だってのに、妙に、気が落ち着く。
「本当はあたしが、この羽で飛びながら撃墜するんですけど、武器として他の人が使う事もできるんです。」
「ふうん。いいねえそれ。あそれっと。」
「おれに一丁、貸してくれないかね、そのミサイル砲ってやらを。」
「いいですよ。」
おれはカナちゃんの翼からミサイル砲を取り出して持った。
「重いかと思ったけど、意外!軽いのね。」
「ええ。軽いのよこれ。」
「じゃ、撃墜しますか。」
ヒュ~バコーン。っと音が鳴り、眩しく照らされた一機の敵機が墜落墜落。
「まるで、ピストルを撃つかのように手軽に、撃墜できていいですね。」
「うん。これがオホ声戦略兵器の実力ですの。」
「あ、よいこらせ。」
ヒュ~バコーン。と音が鳴る。
音に合わせて、機体がお散る。
木の葉のようにゆらゆら落ちる。
奇麗だな、ったら綺麗だな。
「ちょっと、あんた何してんのよ。」
ヒメカさん。
驚愕の表情で、あたくすをみる。
似つかわしくない、変顔
かわいらしい驚き顔
「ちょっくら、狙撃やっとるんですわな。」
「え? もしかして、これどうにかできちゃうやつう?ああ、もうわけわかんないんだけどおお。」
あのヒメカも流石に驚き、引いている様子。
「その武器も凄いけど、あんた狙撃の才能あったのね。全部命中じゃない。おかしいわよ。」
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