魔陣 魔法武術「マジックアーツ」 the MONSTER 2章

「それと出会ったのは、私が初めて敗北した者だった」

「そして、私の人生を壊した最愛の者だった」


「幾たびの戦場を駆け抜け、幾たびの勝利を築き上げてきた私の初めての敗北だった」


「私はその者に一太刀も浴びせることができ無かった、苛烈」その戦いはそのひとことで全てが、綺麗にかたづいたのだった。


「なるようになって来た、私の人生で初めて、私は人生の主役になれたそう感じた」

白髪のその淑女は両手両足に魔法陣のような刺青を入れていた。それでただ殴られた。一方的に舞うように殴られ続け私は意識を失ったのだ。


「これが敗北か……」


私は死んだそう確信していた。


暗闇から声がした、それはカナリアのような透き通る声だった。

目を開けるそこは農牧民が使うようなテントの中だった。


「気が付いたようだな」


その淑女はそこに立っていた。

「私が本気で殺しに行って死ななかったのは、お前が初めてだ」


そう言って目線を下げ手刀を私の喉をにあて彼女は質問する。

「聞きたいことがる、今回の戦争お前がしかけたものか?」


「私は私は傭兵だ」

そう旅に出て国を捨て、あまたの戦場を傭兵として渡り歩いていた。

「私は人の醜さが好きだ、人は肌を脱げば獣と変わらぬ。吐き気を催すような邪悪だ」「だが取り繕った偽善よりは何倍もましだ」


「殺すなら殺すがいい、私がお前たちの同胞を殺したように」

「お前にはその権利がある」


淑女は私の言葉に何一つ動揺せず「そうか。ならば死ね」

そう言って手刀が引かれ私のすぐ横をかすって地面を深く貫通した。


「だが、恐怖して死ね」私の同胞がそうだったように。

「お前はガランドウだ何もない、人の形をしたただの人形にしか過ぎない」

「喜びも悲しみも自分さえない、木人だそんなもの壊したところで、私の気は晴れぬ」


おまえは人間ではない。


そんな分かり切ったことを言って、彼女は背を向けた

「まって」

「どうすれば人間になれるこの空白を埋められる教えてくれ」

「頼む、私は死んだ様に生きたくない、生きたように死にたいのだ」

「私はお前に下る」

「私を人間にしてくれ」


淑女の背中はなぜか私に輝いて見えた、私の探していた答えをすべて持っているかのように感じた。

「……ふん、まるで赤子だな」

「だが腕はたつ良いだろう、ここで暮らしてみろお前が、その剣んで切り殺してきたものをまっすぐ見ろ」


「そうすれば……人間になれるだろう」

「その時、私がお前を殺してやる」


そういって少女は去っていった。私は起き上がれぬまま意識は暗闇に落ちていった。

起承転結の展開がやっときた、私の物語はついに始まったのだと。感じた。






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