2 夕日を見つめて
僕らが17の頃の8月。今でも信じられない出来事だが、地球滅亡などという馬鹿げた報道があった。勿論今でも信じていないし、あの頃も信じていなかった。だって、今でも僕は生きているから。ただ、あの頃は。あの頃だけは信じざるを得なかった。
日本では経済が不安定なこともあり、犯罪者数が増加する一方だった。世界では恐れられていた「第三次世界大戦(WWIII)」が始まった。どっかの世界的な科学者が昔言っていた。WWIIIは地球滅亡の危機に迫るような大変大きな最終戦争になるだろう、と。核兵器が大量に使用され、大量虐殺が施されるため、人口減少、多量生物絶滅、地盤の緩み、大気圏破壊などまさに地球滅亡と言う単語が似合いそうな言葉が並べられていた。この頃の僕らはきっと可笑しかったんだろう。戦争で殺されるのはごめんだと言うように、どんどん人間は自殺していった。警察も動きが鈍くなってしまい、さっきも言ったように犯罪者が増えた。その中でも最も多かったのが「殺人」。例年の3倍〜4倍程度増加したらしい。把握できているところでは、ね。まあ、当時のぼくたちは完全に壊れていたって言ってもいいね。
本来の話に戻ろうか。犯罪者が増えた日本で、僕ら高校生はそいつらに狙われていた。連続猟奇殺人。ターゲットは、「16歳〜18歳の男女高校生」。全国各地で行われた殺人事件。もちろんターゲットの中に僕ら2人も含まれていた。そして、殺されたのは、李恋だった。
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