母川回帰

霧這

ゴーストタウンで待っている

八重桜も散って

葉桜で迎えた春祭り会場

カラオケで流れる

息子を待つ演歌

恋人を待つ歌謡曲


「いつでも帰っておいで」

「辛いなら此処がある」

生物いきものはどれも故郷に帰るんだよ」

「暗くなったから一緒に帰ろう」

「雛は大きくなるために旅に出るんだよ」

「空は繋がっているから」


元凶は全て呪文まじない

自我を代掻しろかきする概念は

溝浚みぞさらえの中身と化し

卯波うなみに持ってかれても

この町は何も気にしない


ビニール袋や

プラスチックだって

胃の中で砕けれる様になったんだ

廃れながら変わり果てる

故郷ふるさとよりも帰りたい場所

見つけたんだろう


居た場所が嫌だから

帰らなくて良いでしょ

それでも戻るなら

最後に手を繋がなくても

私はここで受信する

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母川回帰 霧這 @Sachi8hyA9sya7

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