2年 第1学期 5週目
10月8日
「
そう本だ。明日プレゼンなんだよ。これから急ピッチで読まなきゃならない。朝から手に出来ていれば休み時間や昼休みに読めたのにと心の中で嘆き悲しんでいたが、過ぎた時間は戻らないから仕方がない。詫びれた様子なく手渡された本を手にした時、隣からこれからの悲劇に更なる追い打ちが掛かった。
「
「
声の主は
「
問題ないでしょとでも言いたげな
「
「
(気配が無かった。怖すぎるでしょ。何でニコニコ笑っているのよ)
何かと思えば腕を捕まえられて、「行くよ」と「どこに?」と問えば、ご飯だそうだ。いやあなたのせいで私急いでるんですけど!?という抗議は聞き流され、抵抗虚しく引きづられる様にして連行されていると一人の男性が
(あの時の話のやつか~)
あの時の話って言うのが、新学期が始まって1週間した頃、ホームステイの受け入れを学校が募集しているとの事だった。各国の姉妹提携校の生徒が来るのにあたって、文化交流名目で、ホームステイと学校の授業見学みたいなのをするみたい。話を持ってきたのは
「えっと初めまして、
「初めまして、よく話に聞いてます」
(待てまて何のお話かな?)
私の心情はさておき、典型的な挨拶を互いにかわす。いきなり連れて来られてご飯行こうよろしくと言われましても何話すの?とまどう私――臺灣でよくあるのが、日本人と日本人もしくは日本語話せる人がいた場合、多くの人が何か日本語で話してみてという。いきなり言われても困るんだよ。そして互いに気まずい空気が流れたり、何なら初対面同士でそんな風に言われることも多いので、解決策とも言わないけどとりあえず、自己紹介もしくは笑って「
出会ってしまったので、寮から一番近い餃子とか売ってる店で注文を済ませ、待っている間に、本の内容を確認しつつ会話を始めたのはいいが、
「えっと
「なんか大変そうですね」
同情されたよ。なんだろう辛い。
「臺灣はどうですか?慣れました?」
「暑いなぁ~って」
「分かります。私も毎日暑いなぁ~って思いながら過ごしてます」
寮に戻って本を開けたはいいが、かなり専門的な内容すぎて、よく分からない。頭を抱えているところに「帰ってたの?」と声が掛かった。寮長である。私は天の助けと言わんばかりに、時間があるなら教えてと助けを求めた。どんな内容って聞かれたので本を渡せば、これ夜の9時半までなんだけど……と言えば間に合うの?って聞かれた。好きでこんな短時間になったのではない。
寮長は椅子を引っ張ってきて私の隣に座り、軽く内容を読んで、私が分かる様に本の内容を説明してくれた。それで何とか自身の担当の部分をギリギリ終わらせることが出来たのだ。一人でやってたら間に合わなかった。ものすごく寮長には感謝したよ。しかも時間が許すまで、私がよく分かっていない言葉の意味を教えてくれたりした。
もちろんその後急いでカフェに本持っていったらお疲れと言われた。なんでも私が連行されてるのを見たらしい。軽く愚痴ったのは許されるよね?因みにこれを機に
10月9日
なんとかプレゼンが終わって一安心である。
取りあえずすごく疲れた。そして眠い。昨日は母の誕生日だったのだが、ビデオレターを送っておめでとうと一言伝えることしかできなかった。もっと話したいけど、昨日は忙しかったし、今日は交流会があるので、そちらに向かう。
いつも通り過ごした後、明日の確認をしてその日は解散した。
10月10日
今日は
今どこにいるかと言うと、
台北市内からバスやMRTで約1時間くらいの台北郊外にある700~1000m級の山々が連なる
どういう事かと言うと
見どころ沢山の観光スポット中で、私たちは今
ここは臺灣の中で唯一火山活動を観察できる場所でもあって、噴気が立ち上る噴気孔の特殊な景観が楽しめるよ!そしてここは
今日はハイキングデーなのだ。もちろん運動靴に動きやすい恰好で来たよ。
今度は、花目当てか温泉目当てでも楽しそうだなぁ~
みんなも臺灣の自然満喫しに
10月11日
同じ交流会の先輩は筋肉つだそうです。
「なんでそんなに元気なのよ」って聞かれましたが、体育で走ってるからなぁ後、林口から台北に行くのに家からバス停まで小走り(バスいつ来るか分からないから)だし、台北駅から善導寺まで時間があれば歩いてるし、うん運動してるからだとしか言えなかった。
今日も今日とて授業は英語と中国語の挟み撃ちでよく分からないまま終わり、バイトの空き時間にひたすら英語を訳す作業をしていた。
(テスト本当にどうしよう)
目下一番ヤバイ教科である。内容理解する前の言葉の壁ってすごく高いと改めて思い知らされた。
10月12日
相変わらず高速スピードで微積分を話す老師に、聞いても分からないのは1年の時に学習したので、とりあえず教科書の例題から順番に解くという事を繰り返す。分からなかった問題は、後で、もう一度やり直す。
(高校の微積分から勉強した方が理解できるのかなぁ)
と若干思い始めたので、ノートに小さく「妹に聞く」と書いた。妹は理系科目専攻なので、習っているはずだと信じたい。妹に聞くの?って思ったそこのあなた!知ってる人には、素直に聞いた方が自分の為、年上だからとか要らん見栄を張るのはアカンよ!異世界なんて右も左も知らないことだらけ!小さなプライド守っても後から後悔するよりかは、知らないことは素直に聞く、逆に聞かれて分かることは答えるってやった方が、コミュニケーション取れるし一石二鳥じゃない?これ思ったの私だけかな?
授業が終わり、林口に戻れば、洗濯や掃除が待っている。それを手早く済ませ、今週の授業の内容を整理する。ここ最近の私のルーティンだ。林口の方が、ネットを繋げていない分、恐ろしい数の通知を見ないで済むともいえよう。静かに集中できるので、とても良い環境だ。
10月13日
つい集中しすぎて、寝るのが遅くなったので、眠気がすごい――
(教会終わって軽く勉強したら今日は早めに休もう)
そう思いながら結局お茶をしてから帰った。
我ながらおやつとお茶で釣られているのもどうかと思うが、美味しいのだよ。あと皆が話してるのを静かに聞くのは楽しい。結局家に戻った後は、明日の準備をして、早々に寝たのだった。
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