1年 第2学期 16週目

 


 6月4日



 結論から言えば管理学のプレゼンに、私の発表の場は無かった。

 発表に指名されたのは、志豪Zhì háoとこの間ステーキ一緒に食べた子の二人。案の定パワーポイント早送りの質問の回答しかしてないのだが、これで何をどう評価するのだろう?と疑問に思うのも無理はない。


 授業が終わり、もう1つのプレゼン何も聞かされていないメンバーと一緒に再度志豪Zhì háoの元へ


「あ、忘れてた」

「発表今週なんだけど、今日中に内容分かる?」

「夜に送る」


 それだけ言って足早にどこかへ行った。都合が悪くなると最近こんな感じになることが多い。


「夕方までに来なかったら一緒にメールしよう」そう話し合った。


 夕方――


 連絡が来ないので、メールするとこれ表にして、それだけ送られてきた。


「何の表?」


 意味が分からないままどこから集めたのか分からないアンケートをグラフ化していく、因みにタイの同志は、一番最後の参考資料まとめてと言われただけらしい。もう1人も似たような感じだ。


「これ一体何のプレゼンするんだろう」


 私の疑問は増えるばかりだった。




 6月5日



「コーヒー……やっぱり大きいサイズにしよ。あ、けど胃がなぁ~小さい牛乳牛乳」


 朝7時半、私はセブンイレブンでサンドイッチ片手に飲み物コーナーで牛乳を探していた。

 そう今日は微積分4時間ぶっ通しの日、睡眠不足に数字関連は睡魔が襲って来るので、コンビニのホットコーヒーをいつもならスモールサイズだが今日はラージサイズで、ただ胃がやられそうなので、牛乳淹れてカフェオレにしようと思う。レジで会計を済ませ珈琲以外は鞄に入れて微積分の教科書を腕に抱え直し、珈琲もって学校へ、エレベーターを待っていると同級生に後ろから声を掛けられた。挨拶もそこそこにお互いの手に目がいく、同級生も珈琲片手に登校だ。考えることはみんな同じらしいお互い何も言わず笑った。


 1時間目はまだみんな真剣に聞いてた。2時間半を過ぎたころ私の左隣が撃沈した。

 横目で見ると、ノートは途中から白紙で、半分寝ぼけていたのか何を書いているのか解読不能なミミズ文字がぐちゃぐちゃになっている。しかももう寝てる……軽くクラスを見渡すと3分の一が、お休みになられていた。

 3時間目休憩など取ってない、お手洗い行きたいなら自分のタイミングでと授業の初めに言ってたので、休み時間も授業だ。私も含めみんな目が死んできている対する老師Lǎoshīはというと


(時間が過ぎるほど生き生きしてるよ)


 もうね〜すごいのよ。目の輝き度が……これぞ水を得た魚みたいな?

 生徒は魂抜けかけていて、老師Lǎoshīに吸われてるのではと思うくらいテンション高め、本当に好きなんだろうなぁとみていて思った。


 夕方交流会のメンバーの一人が誕生日でお祝いなんだけど、ついでだからみんなで夕飯食べようと誘われて、鉄板焼きのお店へ、鉄板焼きって日本だと高級なイメージ?大阪ならお好み焼きとか、焼きそばとか鉄板って聞くとそちらを想像しちゃうんだけど、「台式Táishì鐵板燒tiě bǎn shāo」と言って結構あちこちにあるんだけど、どちらかと言えば大衆食堂とか大衆居酒屋みたいな雰囲気かな?このお店はメインにするお肉なり魚なりを決めて後はお野菜が付いてくる。それを鉄板の前で作ってくれるのを白米と頂くって感じ、塩コショウだれが絡んで美味しいよ!辛さは調整できるんだけど一番辛くないの頼んだが、私にはまだ少し胡椒辛いからご飯とお水を交互に食べつつだけど、違うものを頼んで友達とシェアしてもいいし色んな食べ方あるよね。お値段もお手頃価格でおなか一杯になるし、他のお客さんを見ているとお酒のあてにしながら会社の人とかと食べてる人もいた。日本で言う居酒屋の一品一品って出し方とまた違って、みんなでワイワイ囲みながら食べるのが臺灣スタイルだ。楽しくていいよね!



 6月6日



 気温30度越え暑いよね~

 そんな炎天下の中体育です。台湾の暑さってジメジメしてるからカラッとした日本の暑さとはまた感覚が違うんだよね~暑い事には変わりないが、みんなダルそうだった。



 6月7日



 今日は結局よく分からないままの企画を作ろうプレゼンの日、私とタイの同志は二人小声で、「結局私たちロクな仕事貰えず蚊帳の外だったよね~」って話をしている。聞いたのに役割を貰えてなければ何も出来ないし、何ならこれどういった経緯でこの企画を?と言われても答えられない。本当に何がしたのか見えてこない企画だからだ。あとあの数週間にわたる意味のなさなかった会議たちは何だったんだろう?とモヤモヤが残る。

 プレゼン中端っこで空気になっていたのは仕方がないよね。



 6月8日



 今日は普通の微積分の授業の日、なんか今週ずっと微積分見てる気がする。

 期末テストも近いし、老師Lǎoshīも単元全部終わらせたいのかスピードがどんどん速くなる。復習確定とノートの端に小さくメモする。授業聞いただけでは理解が出来ないのでまぁ必然的だよね~



 6月9日



 夕飯食べて家で復習していたはいいが、暑すぎて今は扇風機前で涼んでいる。

 臺灣に来て思ったのが、臺灣の扇風機威力が凄い。弱なのに日本の扇風機の強風なみである。因みに強風にしたら風が凄すぎて、教科書の紙がものすごい勢いでペラペラ捲れて笑った。


「ねぇ君家庭用でこんなに風強くする必要ある?」


 思わず扇風機に問いかけてしまった。この扇風機を知ると日本のものがそよ風かってくらい風の風力が凄い。もし臺灣で扇風機見かけたら体感してみてね。



 6月10日



 臺灣は年中無休で冷房が付いている。私がそういうのも暖房がそもそも無いのでは?と問いたくなるくらい冷房器具しかない。夏場は特にその温度が低いので、私は風邪を引きました。喉が若干痛いんだよね。


 そんな私なのだが、台北駅の向かい側新光三越の入り口横のライオン像の前で、人を待っていた。

 私が中学生の時に日本へ留学しに来ていたマレーシアのお姉さんで、卒業後東京方面で就職、出張で台湾に昨日着いたので会わないか?とお誘いが来たのだ。しかも同じ会社にもう一人同じ協会の人が勤めていて、今回二人で来ているらしい。二人とも知り合いだし、日本語話せる!と私はウキウキしながら二人を待った。


「「ひさしぶり~」」


 挨拶そこそこに夕飯おススメある?と聞かれ私が案内したのは、高記Kao Chiってお店。ここは點心などの食事が楽しめるのだが、私のおすすめは上海Shànghǎi鐵鍋tiě guō生煎shēng jiānbāo【焼き小籠包】だ。鉄板で焼かれているので焦げ目部分はカリっと生地はもちっふわっとしてて中から肉汁がぶわっとあふれ出る。これ本当に美味しいんだよ。小籠包は一般的なものと蟹入りの二種類があってどちらも美味。薄皮を少しかじれば蓮華に中の汁があふれ出てくる。点心だけ楽しむもよし!麺やご飯ものも美味しいの沢山あるからお好みで頼んでね!

 ここで1つ日本ではしょうろんぽうって小籠包の事を言ってるけど正しい言い方は、Xiǎo lóng bāo (シャオロンバォ)だよ。日本の発音で言うと通じないこともあるから今のうちに覚えておこう!これで1つかっこよく注文できるよね!


 お姉さんたちは1週間くらい滞在するので、時間が合えばもう一度会おうという話になった。

 美味しいの食べて、寮に帰って勉強だ!もうすぐ夏休み頑張ろう!!


 

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