1年 第2学期 14週目

 

 5月21日



 今日もFacebookからおめでとうのメールが、アメリカやイギリス方面の友達とかから来ていた。


「そっか向こうは今日が20日か~じゃぁ私の誕生日も二日間って考えればいいか」


 そうではないと誰かが突っ込むところだが、誰もいないので、一人誕生日を48時間いや日本の時差入れたら49時間とあほなことを考えるくらいには、睡眠不足の深刻化が進んでいた。


 やること沢山で思考も若干鈍っている。


 今日も今日とて管理学は老師Lǎoshīの無双状態――

 まともにプレゼン出来てる班が1つもない。


「この教科私は落とされるだろうなぁ」と若干予感めいたものもある。テストの点数が芳しくないのもあるが、この老師Lǎoshī英語できて当たり前スタンスが若干あり、英語でもいいぞって言われたのだが、「英語より中国語の方が出来ます」と答えたら目を丸くして驚かれた。英語できてたら英語圏の国に行くよ普通。というか英語苦手な子結構いると思うんだけどなぁ~こればっかりは得手不得手に分かれるから何とも言えないけどね。




 5月22日



「眠い、終わらない」


 愚痴をこぼしつつ、今日は今日とてSkypeでの会議があったのだが、一人不参加一人遅刻もう毎度の事なので、何も言わない。平行線の内容にまとまりが見えず終わったのだが、終わり際志豪Zhì háoに「早く資料出してまとめる時間足りない」って言ったのにもかかわらず、詫びもなく送って来たのは22時、今回投資とかのみんなが個々に作った内容をまとめるのが私の当番週で、夕方の6時までの期限で他の物は全部そろっている、志豪Zhì háoのみが未提出の状態だった。皆がした模擬投資の今週分の計算もあるから早くして欲しいと何度も言ったのに、このありさまだ。


「おかしいなぁ計算が合わない」


 出来るところから先に手を付けていて、志豪Zhì háoの分が最後なのだが、いくらやっても計算が合わない。教科書や授業中に教わった公式を当てはめても計算が合わないのだ。


「初めの週からの資料欲しいかも……それとも何か特別なことしてる?とか?」


 専門用語を1つ1つ意味を再確認しながらやったのだが、やはり計算が合わない。仕方なく私はSkypeのチャットで志豪Zhì háo本人に聞いた。「計算が合わないんだけど、何か違う方法で計算してる?それか初めの資料とかあれば欲しいんだけど」ってな感じの内容を送ったのだが、返答が一言「自分で考えて、それよりもこの企業の資料だけど」私は目が点になった。何なら二度読み返した。明日の昼には提出なのでこれが急ぎ、私は計算が合わずに終われていない。なのにもかかわらず、今急ぎでない資料を直ぐによこせという。流石に無理である。自分で考えての一言に私も返したい自分で調べろ!と若干イライラしながら「計算の方が急ぎだから資料は後日今は無理」それだけ返した。

 そこから私は、日本のサイトで株価の見方などを漁る。どこかこれと合うやり方が無いかを調べるためだ。一番初めの資料から見れたら謎が分かるかもしれないのだが、その資料がもらえないので、手詰まり状態で、時間だけが過ぎていく、すると再びチャットからメッセージが因みに今の時刻午前3時を過ぎている。「計算できた?資料をやって欲しいんだけど」さっき断ったのにまた同じ内容……もちろん出来ていないので、「この公式とこの公式どちらにも当てはめたけど計算が合わない。やっぱり前の資料を見たいから欲しい。もしくは公式間違っているのなら教えて下さい」と返信する。これが終わらなければ、明日いやもう今日の提出には間に合わないのだ。すると再び返信があり、内容を見た途端私は画面から眼を反らせなくなった。


lián這個zhègedōu不會bù huì到底dàodǐ這一年zhèyīnián學什麼xué shénme?【これも出来ないなら貴方は一体この一年何を勉強しているの?】」


 異世界とは言語や文化そのすべてが自分の生まれ育った場所とは異なるから異世界なのだ。今まで当たり前に出来ていたものが、言葉1つ違うだけで、出来ることが何1つ出来なくなる。目まぐるしく過ぎる毎日を不安と焦りを抱えて何とかもがいていた私の張りつめていた糸がプツン切れた瞬間でもあった。キーボードに置いていた手に水滴が落ちる。

 自分になのか相手なのに分からない腹ただしさや悔しいとかもう色んな感情がごちゃ混ぜになって、目から涙があふれて止まらない。寮の中は静まり返っている。私は、声を押し殺して膝を抱えて泣いた。


 どれくらいそうしていたのか時間にすれば少しの間だが、携帯が着信を伝えて光っている。確認しなくても誰なのか分かるが、もう話す気力もない。何ならチャットの方には大量に「この資料調べて、後これも急ぎで」みたいな内容が大量に送られてくる。私は半分うつろな目で、Skypeをログアウトした。そして携帯のアラームを6時半に設定して電源を切る。アラームの時間になったら自動的に電源が入るタイプの携帯だったのが幸いだ。今はあの人の名前すら見たくない。


「これどうしよう。計算出来てないの提出できないし、私が公式の意味をはき違えてたらそもそも分からないし誰に聞けば……」


 ふとある人の顔が浮かんだ。私はFacebookのチャットにメッセージを入れる。


「急にごめんなさい。今日の昼提出の投資のプレゼンなんだけど、何度やっても計算合わなくて、私が公式とか間違ってるかもしれないから教えて欲しいです。もしくは前の資料があればくれないかな?6時半には起きているので、いつでも連絡ください」


 という内容のメッセージを送信して、パソコンの電源を切った。そっと立ち上がり顔を洗いに行く、このままだと確実に目が腫れる少しでも目を冷やそうと洗面所へ向かい。布団へともぐりこんだ。仮眠というよりかは目を閉じて目を休ませていただけだが、あれ荒んだ気持ちでやっても何も意味がない。




 5月23日



 寝てはいないが、ベッドから出て身支度を整える。パソコンを開けて、昨日の計算を紙に書きだしていく、7時過ぎ、Facebookからメッセージが「今電話良い?」私はすぐさま「Skype開けるね」と返信し、開けるとメール通知が凄い事になっていた。とりあえず放置して、電話をかける。


安麗Ān lì對不起DuìbùqǐCóng早上zǎoshang安麗Ān lìごめんね。朝から】」

別擔心Bié dānxīn我們也Wǒmen yě一樣yīyàng有不懂yǒubùdǒng的時候de shíhò因為Yīnwèi妳已經nǐ yǐjīng有語言yǒu yǔyánshàng的障礙de zhàngài我很Wǒ hěn高興gāoxìng你依賴我nǐyīlàiwǒ。【いいよ気にしないで、分からないのはみんな一緒だし、ただでさえ言葉の壁があるんだから頼ってくれてうれしい】」

謝謝Xièxiè【有難う】」

我知道Wǒ zhīdào你正在nǐzhèngzài盡力jìnlì先把xiān bǎ全部的quánbù de資料zīliào給我看gěiwǒkàn我檢查wǒjiǎnchá一下yīxià。【頑張ってるの知ってるからね。じゃあそっちにある資料全部送って、1回確認する】」

好的Hǎo de【分かった】」


 私は、まとめた内容のやつとその計算の合わない物の原本を送った。安麗Ān lìが確認しながら問いかけてくる。


上上Shàngshàng禮拜lǐbài跟上gēn shàng禮拜是lǐbài shì志豪Zhì háo?【これ先々週と先週志豪Zhì háoだよね?】」

對啊Duì a所以Suǒyǐ我問他wǒ wèn tā還有跟háiyǒugēn他要tā yào一開始yīkāishǐdào現在的xiànzài de資料zīliào【そうだよ。だから本人に聞いたんだけど、後初めから今現在までの資料欲しいって】」

所以Suǒyǐ他沒tā méi給你gěi nǐ?【それで、貰えなかったの?】」

那個Nàgè……【それが……】」


 私はなんて言おうか迷った。どういえばいいのだろうか?悪口を言いたいわけじゃなくてただ事実を述べたいのだが、そこまで流暢に話せない。


天野Tiānyě可以kěyǐ慢慢mànmanshuō我想wǒ xiǎng知道zhīdào發生fāshēng什麼事shénmeshì你聯繫Nǐ liánxì我是wǒ shì因為你yīnwèinǐ遇到了yùdàole麻煩máfan不是嗎bùshì ma?【天野ゆっくりでいいよ何があったか知りたいの。私に連絡くれたのだって困ってたからでしょ?】」


 私は少し待ってと言い。昨日のチャット内容をスクリーンショットしてそのまま彼女に送った。しばしの無言、そして一言


「ha?這是Zhè shì什麼shénme內容啊nèirónga而且你也Érqiěnǐyě沒拿到méinádào資料zīliào……【は?何この内容……資料も貰えてないし】」

「……Ō他只說Tāzhǐshuō自己去zìjǐ qù思考sīkǎo【……うん。自分で考えろとしか言わないから】」

還有Hái yǒu,「幫我bāngwǒ調查diàochá這個zhège」,幾乎jīhū每天měitiān都在dū zài說嗎shuō ma?【あとさ、この調べてってもしかしてほぼ毎日言われてる?】」

「……對啊Duì a就算Jiùsuàn查了chále也不yě bù知道zhīdào有沒yǒu méi有看yǒu kàn前幾qián jǐ天的tiān de會計kuàijì報告bàogàoshàng很少hěn shǎo用到yòng dào我查wǒ chá的東西dedōngxī。【……うん。調べても見てるのかは分からないし、この間の会計の報告には、私が調べ物は殆ど入って無かったから】」

「……這其Zhè qí他人tā rén有做嗎yǒu zuò ma?【……これ他の人はやってるの?】」

我有Wǒ yǒu問啊wèn a〜【聞いたんだけどさ~】」


 私は何があったのか始まりから淡々と話していく、その間も手は資料探しの続きをやっている。因みに安麗Ān lìも計算が合わないので、一から全部見直すと言って初期のころからの資料を一番初めにまとめた他の子から貰ったらしい。


「ha?因為他Yīnwèi tā打工dǎgōng很忙hěnmáng不拜bùbài託他tuōtā還說Hái shuō工作gōngzuòliàng減少jiǎnshǎo這是Zhè shì 個人事gèrén shì課業上kèyè shàng無關吧wúguān ba!【は?バイトが大変だろうから頼まない?仕事減らす?そんなの個人の都合で、学業に関係ないじゃない!】」

(私だけが変じゃなかった)

首先shǒuxiān你可以nǐ kěyǐ拒絕jùjuéJiǎnqīng其他人qítā rén的負擔de fùdān交給jiāo gěi你也很nǐ yě hěn奇怪qíguài而且érqiě不說bù shuō打工dǎgōng幸苦xìng kǔ的是de shì國外來guówàilái的你們denǐmen沒有Méiyǒu幫助bāngzhù你們nǐmen還給了hái gěile一堆yī duī工作gōngzuò還有Hái yǒu一點yīdiǎn計算jìsuàn錯誤的是cuòwùdeshì志豪Zhì háo【まず断っていいし流石におかしい。他の人は負担減らして天野に渡すのは変だし、バイトとか抜きで大変なのは海外から来た2人で、それをフォローするどころか仕事押し付けるのは間違っている。あともう1つ計算間違えしたのは志豪Zhì háo】」

「え?什麼Shénme什麼Shénme?【え?どういう事?】」

一開始Yī kāishǐ的計算de jìsuàn沒有錯méiyǒucuòdàn上上shàngshàng禮拜的lǐbài d開始kāishǐ全部quánbù有錯yǒu cuò所以suǒyǐ弄錯nòng cuò的是de shì志豪Zhì háo不是妳bùshì nǎi【初めの方の計算合ってるんだよでも先々週から全部間違ってる。だから間違えたのは志豪Zhì háoで天野は悪くない】」


 道理でどれだけやっても答えが合わないわけだ。イヤホン越しに怒っている彼女の声を聞きつつ、私はもう藁にも縋る思いでもう1つお願いをする。


真的嗎Zhēndema那個Nàgè……其他的qítā dì地方也dìfāng yě能幫néng bāng 我看嗎wǒ kàn ma?【本当に?あの……他の所も問題ないか見てくれませんか?】」

等等喔Děngděng ō a這個zhège怎麼寄zěnme jì知道嗎zhīdào ma?【ちょっと待ってね~あ、これの送り方聞いてる?】」

寄到Jì dào老師lǎoshī信箱吧xìnxiāngba?【老師Lǎoshīのメールに送るんだよね?】」

Duì你現在nǐxiànzài人在哪rén zài nǎ?【そう、今どこにいるの?】」

宿舍Sùshè【寮だよ】」

11點shíyīdiǎnzài圖書館túshūguǎn見面jiànmiàn待會Dài huìdàiUSBlái一起在yīqǐ zài學校xuéxiào弄吧nòng ba!【じゃあ11時に図書館で会おう!後でこれUSBに入れて持ってきて、学校で一緒に送ろう】」

謝謝你Xièxiè nǐ【有難う】」


 本当に優しい人だ。他の所は問題ないという事で、学校の図書館入り口で待ち合わせとなった。後で彼女には何か奢ろう。要らないって言われそうだけど、せめてもの気持ちだ。


 私は準備をして、学校へ向かった。とりあえず待ち合わせ前に朝ごはんでも食べようと思ったのだ。

 学校の学食へ続く階段を下りていく。学校が小さいので学食は地下一階にある。階段を下りて、早餐Zǎocāndiàn【朝ごはんの店】へと歩いていく。朝ごはんとはいっても夕方まで空いてたりしてるから店によるし、昼ごはんに食べる人もいる。ふとここからは距離があるのだが視界の先に志豪Zhì háoが見えた。よく見ると背中しか見えないが、夢玲Mèng língの姿もある。すると志豪Zhì háoは私に気づいた見たいだが、手を振るわけでもなく、私の方を指さして夢玲Mèng língに何かを言っている。私は二人に気づいていないふりをして朝ごはんを注文した。


(絶対あることない事吹き込んでる)


 そう確信めいたものがあった。昨日の一件で、私は志豪Zhì háoの事を本当に信用していいのか?もしくは一定の距離を保つべき人ではないのか?と思い始めているのだが、もう今の一連の行動がそれを更に確定づける。そもそも今日の授業は昼からだ。普段ギリギリの二人が、こんな朝早くから来てる方が変だし、何なら私が夢玲Mèng língと何か話をするたびに、傍に張り付いているのだ。むしろ余計なことを言わないように監視しているという方が今までの不可解な行動もストンと腑に落ちる。


 私は朝ごはんを受け取ると、そのまま来た道を戻り図書館の手前にある屋外の椅子に座り朝ごはんを口にした。しばらくして、安麗Ān lìの姿が見え私はそのままギュッと抱き着いた。彼女は驚いていたが、笑って何かあった?っと聞いてくる。二人で図書館内にあるパソコンを立ち上げながら、さっきの出来事を話した。もう悪口とかじゃなくそのまま私が目で見たことを伝える。何を話していたかは知らないと付け加えるが、答えなど簡単に出てくるだろう。


雖然Suīrán我們wǒmen不同bùtóng組時zǔ shí有些Yǒuxiē不能bùnéng幫你的bāngnǐde事情shìqíng很多hěnduō但同一Dàntóngyī組的zǔ de時候shíhòu一起yīqǐ確認吧quèrènba剛剛Gānggāng 弄的nòng de東西dōngxī待會dài huì我教wǒ jiào 你怎麼nǐ zěnme看比kàn bǐ較快jiào kuài這個Zhège禮拜lǐbàigēn下禮拜xià lǐbàide統整tǒng zhěng是你吧shì nǐ ba?【班が違う時は手伝うの難しい事色々あるけど、同じ班の分は、一緒に確認しよう!さっきのやつも後でどう見た方が早いか教えるよ。天野今週と来週当番でしょ?】」

真的Zhēn de可以嗎kěyǐ ma不會給你Bù huì給你gěi nǐ負擔嗎fùdānma?【いいの?迷惑じゃない?】」

不會Bù huì而且Érqiě hěn很快會hěnkuàihuì輪到我lúndàowǒ我不Wǒ bù幫忙bāngmáng志豪Zhì háo但你dàn nǐ的會de huì幫忙bāngmáng【全然!むしろ私もそろそろ当番だし志豪Zhì háoのは手伝わないけど、天野は手伝うよ】」


 悪い顔をして言う安麗Ān lìに声を抑えて笑う。ここが図書館じゃなければ爆笑していただろう。


「(無事送信!)待會Dài huì我要wǒ yào請你qǐng nǐ東西chīdōngxī~【後で何か奢るね~】」

不要謝Bùyàoxiè……那請nà qǐng飲料吧yǐnliàoba我們Wǒmen簡單jiǎndān吃東chī dōng西嗎xī ma?【気にしなくて……じゃあ飲み物で、軽く何か食べる?】」


 12時まで間に合ってホッとする。二人で学校の外にある店で簡単なものを食べた後今日の体育の集合場所であるバレーボールのコート前に行くと、夢玲Mèng língを後ろに連れて志豪Zhì háoがやって来た。二人の顔は無表情を通り越してうすら寒いものがある。志豪Zhì háoが冷めた声で一言。


交了嗎Jiāolema?【提出したの?】」


 私は彼を真っ直ぐ見て言った。


覺得juédé計算jìsuàn不對bùduì請安麗qǐngānlì教我了jiào wǒle怎麼算zěnmesuàn別擔心Biédānxīn已經yǐjīng提交了tíjiāole【やっぱり計算がおかしいと思ったから安麗Ān lìに教えてもらいながらやった。もう提出したからご心配なく】」


 それを言うと二人の顔、特に夢玲Mèng língが侮蔑のような顔を向けられる。一体何を聞かされたのやら私は思う事が多々あるが言わない。噂や陰口など真実かどうかなんて当事者にしか分からないしそれをうのみにする人はそれまでだ。何かを反論したところで、意味など無いのだ。私はここでは異国の人間、どっちの言葉が聞き入れられるかなんて分かりきっているし日本でもこういった事は自分の身に降りかかったことは無いのだが、周りで噂されやすい子がいたのも事実だ。その子は本当に普通の子で、何もしていないのに話に尾ひれがついていたことはよくある。志豪Zhì háoはふぅんと言った顔で結構周りに聞こえるぐらいの声量で一言。


平凡是Píngfánshì自己想zìjǐ xiǎng想的吧xiǎngdeba如果Rúguǒ有人yǒurén幫助你bāngzhùnǐ你將nǐ jiāng無法學習wúfǎxuéxí【普通さ自分で考えてする物でしょ?誰かに助けて貰ってたら勉強にならない】」


 外なので色んな声が飛び交うが近くにいるクラスメイトは、何事かとこちらを見ている。言葉だけを取れば、私が楽して人にやって貰ってると聞こえてしまう。ふと私の手を誰かが軽く握った。


話說Huàshuō回來huílái志豪zhì háo你給nǐ gěi天野的tiānyěde東西dōngxīcóng一開始yī kāisǐ 計算jìsuàn就是jiùshì錯的cuò de他做Tā zuò不到bù dào是很shì hěn自然的zìrán de但總dàn zǒng的來說deláishuō你把nǐ bǎ所有suǒyǒu的事情deshìqíngdōu推到他tuīdàotā身上shēnshangle。【そもそも志豪Zhì háoあんたが天野に渡したの全部あんたの計算が最初から間違ってたのよ。出来なくて当たり前でしょうが、大体あんた何でもかんでもこの子に押し付けすぎ】」

是嗎Shì ma?【そうなの?】」


 謝罪なしである。別に謝ってほしいわけじゃないが何だろうこのかみ合わない感じが絶妙に疲れる。この間まだ何か言っているのだが、早口過ぎてついていけない。なんとなくだが、計算も資料見比べたら出来たのでは?に対して資料渡さなかったでしょ?とかそんな感じだと思う……多分ね。ただ安麗Ān lìの握ってくれた手が心強い。一人でも理解して寄り添ってくれるのが、こんなにも嬉しい事なんだと思う。


今天Jīntiān一起上yīqǐshàng體育課吧tǐyùkèba!【今日は一緒に体育受けよう!】」


 そういって私を彼らから引き離してくれたのは素直に嬉しかった。今はまだ心の整理がついていない。少し距離を置きたい気分だ。嫌でも班は同じなので、そこは離れられないが、授業中くらいはいいだろう。


安麗Ān lì謝謝xièxiè安麗Ān lì有難う】」

Xiè什麼shénmeshì?【何の話?】」


 笑ってとぼける彼女と二人で笑った。




 5月24日



 私は、あの時渡された調べて欲しいの大半を調べ上げて全部一気に送り付けてやった。

 仕事してるのにやってないと言われるのは心外である。


 コンビニで買った臺灣風親子丼を口にしながら一息つく、かつ丼なかったんだよね~

 もう打倒理不尽だよ。


你在吃Nǐzàichī什麼shénme?【何食べてるの?】」

親子丼Qīnzǐjǐng【親子丼】」

懷念huáiniàn日本rìběn食物嗎shíwù ma?【日本食恋しくなったとか?】」

算是Suànshìba〜【そんなとこかな~】」


 因みに今は交流会に来ているので、電話が来ても取らない。出かける前に一気に送って、そのまま出たから何か言われても外にいたで終わらせる。遠慮したらダメなんだよねもっと強気でいないと!


 一人気合を入れ直すのであった。




 5月25日



 今日は例のプレゼンの日発表者は班のリーダーが基本やるので、志豪Zhì háoが話している。そして老師Lǎoshīに向かって、「2週間分の計算が間違ってまして、こちらが正しい内容です」と言っていた。自分がと入れないあたりうわぁ~と思うけど私は出来ることは、やったんだから言われる筋合いはない。




 5月26日



「可愛い!」


 教会終わりに家の近くのセブンイレブンへ立ち寄ったら今やっているシールのキャンペーンで貰えるものが変わっていた。通常商品の溜めたら貰える景品は何とスヌーピー私犬はダメなんだけど、スヌーピー好きなのだ。あ~可愛い。スヌーピーは犬だって?違うスヌーピーはスヌーピーだよ。

 因みに珈琲買ったら貰える景品がミッフィーでこれも好きなので、一人見本の前で釘付けになっていた。ランダムだから何が当たるか分からない。コンプリートは厳しいかなぁ~シール要らない人からもらえないか聞いてみようかなぁ~




 5月27日



 今日は夢玲Mèng língと待ち合わせしていた。理由は彼女の父親が会いたいと言ってたから、水曜日の一件は結局何も聞いてこないので、私も何も言わずにいる。普段通り接するだけだ。


 因みに彼女の父親は、仕事で海外を飛び回っていたらしく、当時の話を色々聞かせてくれた。本当に普通に食事会が終わるので、ある意味笑えて来る。


「今日は招待してくれて有難う!また明日学校でね!」

「うん。また明日」


 そう言って彼女と別れた。


 良く話せるねって?確かにもやもやするけど個人の感情はどうにもならない。もうね言いたい奴には言わせておけ、私は聞かれたら答える。聞かれないなら何も言わないスタンスで行くのだよ。



 

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