1年 第1学期 17週&18週

 


 経済学の教科書を睨むこと早数時間……ふと時計を見ると時刻は22時……


「新年あける時にまで勉強するところだった。危ない危ない」


 私は教科書を机に置き、伸びをする。そのままごろんとソファーに寝そべりテレビをつけた。

 チャンネルを変えつつニュース報道があるところで止める。

 映像には、臺灣各地の中継映像だ。舞台で歌手とかがライブをやっている。

 他の臺灣のチャンネルも音楽番組関連が、多い気がする。


 年末年始って言ったらみんなは何をする??

 大掃除して、年越しそば食べて、おせち食べて、お参りに行く人もいるかな?

 私は家でゴロゴロしながら兄弟たちとゲームしたりして過ごしてるんだけど……


 今日は12月31日土曜日、いつも通り教会行って帰ってきてテスト勉強。何故なら月曜日からテスト


 1月2日は休みじゃないの?って休みじゃないのよ。


 臺灣は旧暦の正月を祝うから基本的に新暦は1月1日だけが休みだから日曜と被ったという事は、半分外れ年かな休み減るしね……

 で大晦日の今日は主要都市とかで、ライブのイベントだったり、区長さんとかも出てきてみんなで新年を迎えている。同級生の中にも見に行ってる子いるよ。人が凄いんだって……

 私は家でのんびりだよ。これには理由もあるんだけどね。


 ぼーっとテレビ眺めてると23時まで2分前――


「5・4・3・2・1!明けましておめでとう!日本!」


 日本と臺灣の時差は1時間、日本が先に年を越すので、私の中では1回目の年越しだ。

 ニュースで日本の映像が映し出されたのを見て


「他国に比べて静かだな~」


 素朴な感想が漏れ出た。日本かなり静かだよ。

 そうこうしてると1時間なんてすぐにたつ、今度はテレビでもカウントダウンが始まった。2回目の年越しだね。


「3・2・1!新年Xīnnián快樂kuàilè!!」


新年Xīnnián快樂kuàilè」は明けましておめでとうって意味もあるしよいお年をって意味合いも含まれているから割と12月末とか旧暦の年末とかその年最後に合う人とかには言ってるよ。

快樂kuàilè」は、楽しいって意味なんだけど。おめでとうって意味合いも含まれてる。

 例えば誕生日おめでとうは、「生日Shēngrì快樂kuàilè」って言うよ。

 単純に試験とかに合格した時とかいい事あったとき等のおめでとうは、「恭喜Gōngxǐ」って言うよ。


 その声と共に花火が打ちあがる。台北101の中継も流れたけど、建物が爆発している‥燃えているようにしか見えない。

 他の国の様子もニュースでは取り上げているのを見ていると結構花火上げている国が多い。祝い事だからかな?

 また臺灣の中継に戻るけど、花火以外の周りの様子も映し出される。


「行かなくて正解だね」


 画面いっぱいの人、みんなの一番の目当ては花火を見ることだ。

 終わった後が大変なんだよ。バイクでこれる距離の人は、離れたとこに留めて花火見て帰れるけれど、他はそうは行かない。駅が尋常じゃないくらい混むんだって、私はそれをお姉さんに聞いていたので、家で大人しくすることに決めた。花火が終わった後駅に詰めかける人の姿が映し出される。駅員の人たちが「まずはお年寄りと、子連れの親から~」って叫んでいるのが見える。なるほどね。若者は最後ってことね。

 バスは?って思うだろうけど、付近は人でごった返しているから近くにバスは無い……

 後々聞いた話だと、知り合いは、友人たちとマクドナルドで朝まで時間つぶしたんだって、楽しいかもだけどしんどいね。


 私の住んでいるところじゃそもそもバスもこの時間じゃないし帰れないのは困るので、家で見ている方が断然楽だよね。それにテスト前だしね~それどころじゃない……


「明日は元旦で、休みなのにテスト勉強……つらい」


 終わらない範囲に、限界が既に近いので、とりあえず寝ることにした。


 1月1日は、勿論明日の試験の勉強だよ。心の中は泣く泣くだけどね。


 そして迎えた試験週間。どうだった?って、決まっているじゃない悲惨よ。


 それに解答用紙がいまだになれない。

 この長さを埋めろという圧が凄いし、2枚目を貰っている人もいるからすごいとしか言いようがないよ。

 そもそも言葉が出てこない困った困った。あれの中国語何って書くくんだっけ~で時間が過ぎちゃうのよ。

 後は、微分とかもこれ習った?って言うような応用問題出てるから泣きそうになったよ。老師Lǎoshī出すなら基礎にして下さい。問題を解く以前に読むのも大変なんです。日本語だったら「これは、引っ掛け」って分かる物でも本当に全部大事に見えるから分からないのよね。そして見事に引っかかるという……


 中間テストの時よりかはましだと思うよ。けどね超えるべき壁がとてもとても高い気がする……


 頑張っていくしかないんだけどね。


 試験が終わって解放されたんだけど、私は、土産物屋やスーパーとかに立ち寄っていた。

 勿論家族へのお土産だよ。試験が終わったらすぐ冬休み。試験結果は冬休み中に出てくるので、ネットでそれを確認するんだって。臺灣の学生の冬休みは旧暦の正月も合わさっているので1ヶ月くらい、2学期の始まりは、学校によって違いが多少あるので、行事予定表を確認しておく。


「冬休みね~暑いから冬って実感がないや」


 臺灣の冬は、寒い時は結構気温が下がるけど、暑い時は暑い。因みに今も20度超えてるので半袖だよ。

 コートやダウンをこっちに来てから着ていないので、日本に帰る日の服装に悩むんだよね。聞いたら10度下回ってるんだって、寒暖差が激しいとかじゃないね。差がありすぎて帰るのが少し怖くなっ……


 久々の故郷に里帰りだ!





 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る