1年 第1学期 12週目

 


「中間テスト前までは本当にゆっくりめだったんだ……」



 私はどんどん早くなる授業速度に頭を抱えていた。

 科目によっては〇〇上、〇〇下って書いてるんだけど、上はShàng學期xuéqí(1学期)で、下はXià 學期xuéqí(2学期)って意味。一年を通してこの授業があるってことなんだよね

 でもそれが書かれていない教科は、その学期内に授業を終えないと行けないから老師Lǎoshīも駆け足気味になるわけだよ。後5週以内に教科書全部教える必要がある。しかも報告用の時間も取らないといけないし……老師Lǎoshīの気持ちは分かるけど


「復習が追いつかない」


 早い教科だと2コマの時間で3章くらい進む。他の教科の復習もしながら報告の資料を集めたりしていると、テスト前以上に時間が足りない。休み時間とか昼休みとか空いてる時間にノートまとめてるんだけど、それも追いつかないし、もう何から手をつければいいの状態に陥っていた。


 言葉の壁おそるべし……


 日本語なら出来るだろうって事が、言葉1つでここまで出来なくなるっていうのを痛感する。日本語勉強しに来てた外国の人達凄いなぁって自分がその立場になって初めてその苦労が分かる。


 実を言うと同じクラスのタイ国の男の子も学校休学したんだ。「一旦タイに戻って考える」って言ってた。だからクラスに残っている外国人は私を含めて2人だけになった。


「私を1人にしないで〜一緒に頑張ろう〜」


 って私が泣きつけば、本人は笑いながらそっくりそのまま同じ言葉を返してきた。




 金曜日――




 私と夢梨Mèng lí臺北Táiběi車站chēzhànに来ていた。1週間に1回頑張った自分にいつもと違うもの食べようデーを中間テスト後から作っていたからだ。食べてストレス発散です!


 臺北Táiběi車站chēzhànに訪れた事のある人なら一度は思うであろう……


「此処どこ?何処に行けば目的地に着くの?」


 ……である。慣れたらねここいく時はこことか分かるんだけど、まぁ確実に迷うよね。(大阪に行った事のある人なら梅田の地下街で迷子になるあの感じ……因みにJR大阪駅とその他鉄道会社の梅田駅は同じ場所だよ!(未来だけど……2015年には臺北Táiběi車站chēzhànと大阪駅は姉妹駅になったんだって、地下で迷う共通点があるから?と思ったのは私だけだろうか……))


 臺北Táiběi車站chēzhàn臺北Táiběiの主要駅って話はこの間したと思うんだけど、まず駅舎の1階部分から説明するね。四方にそれぞれ3つずつ入口があって、東西南北で分けられているの。それに北一門běi yīmén北二門běi èrmén北三門běi sānmén ってそれぞれ1~3の番号がつけられているんだ。


 よく写真とかに写っている駅舎は南側。忠孝Zhōngxiào西路xī lùって道に面していて、新光Xīnguāng三越sānyuè凱撒Kǎisǎ 大飯店dàfàndiàn【シーザーパークホテル】が道路挟んで向かい側にあるよ。

 北側は、市民Shìmín大道dàdàoって道に面していて、京站Jīng zhàn時尚shíshàng広場guǎngchǎng【Qスクエア】、君品Jūn pǐn酒店jiǔdiàn【パレ・デ・シンホテル】、台北バスターミナルが外からだと連絡橋超えて向こうにある。地下でも行けるけど、迷うなら建物見ながら行ったほうがいいかもね。

 東側は、東二門Dōngèrmén脇は高鐵Gāotiě【新幹線】の切符売り場になっていて、売り場脇の通路は高鐵Gāotiě(南寄り)、台鐵Tái tiě【台湾鉄道】(北寄り)の乗り場へと続くエレベーターがあるよ。駅のホームとかは全部地下にあるんだ。

 西側は、西一門Xīyīmén脇には派出所Pàichūsuǒ【交番】があるよ。


 ここで今の私と少し時間軸を超えて未来の話をしておくと……


 西側には元々、桃園Táoyuán國際guójì機場jīchǎng【桃園国際空港】や私がいつも使っている林口Línkǒuへ行く臺北Táiběi西站A棟【バスターミナル】があったんだけど、2016年10月に東側に移転したの。西側に桃園Táoyuán國際guójì機場jīchǎng【桃園国際空港】行きのMRTが走る駅舎、機場捷運臺北Táiběi車站chēzhànが出来たんだ〜だから桃園Táoyuán國際guójì機場jīchǎng【桃園国際空港】から臺北Táiběi車站chēzhànに来ると西側に出るって覚えてね!


 私が留学に来た今はまだ空港直通の駅作るよ~って徐々に開発が進んでいるところなんだ。


 話を現在に戻すと


 駅舎中央は最上階までの大きな吹き抜け。フロア自体も何もなくて、地べたに座り込んで列車の時間までそこでお弁当食べたりして過ごしてる人もいる。

 中央の西寄りが台鐵Tái tiě【台湾鉄道】の切符売り場だよ。窓口に向かって左は台鐵Tái tiě 服務fúwù中心zhōngxīn【インフォメーションセンター】そのまた左側が、旅遊Lǚyóu服務fúwù中心zhōngxīn【ビジターセンター】がある。



 南一門Nányīménすぐ右と東三門Dōngsānménの脇に郵局Yóujú【郵便局】がある。


 駅舎中央と各出入り口の間に、コンビニとかお土産を売っている店がある。結構日本のお店があったりするよ!


 2階に行くと微風Wéifēng台北táiběi車站chēzhànがある。大きなフードコートって認識でいいのかな?

 面白いのが大まかに分かれてるコーナー

 台湾Táiwān夜市yèshì←台湾の屋台料理の店があるよ。

 美食Měishí共和國gònghéguó ←中華や洋食があるよ。

 咖哩Gālí皇宮huánggōng←カレー料理専門の店があるよ。

 牛肉麵Niúròumiàn競技館jìngjìguǎn←麺専門の店があるよ。

 他にもレストランや日本のラーメン屋とかスイーツの店もあって沢山あるから迷う……


 今日行ったのは2階の微風Wéifēng台北táiběi車站chēzhànじゃなくてK區地下Kqūdìxià。これだけ紹介して行かないんかい!って思った人今日はここじゃないのよね。

 八方Bāfāng 雲集yúnjíっていう餃子のチェーン店。だって餃子が食べたかったんだよ。

 餃子と言えば、焼き餃子に水餃子、蒸し餃子に揚げ餃子とか色々あるよね~

 臺灣に行って驚いたのが、日本でよく見る焼き餃子は日本風だったってこと。臺灣の焼き餃子は鍋貼Guōtiēって言うんだ。

 大きさは春巻きくらいで、完全に包まれている訳じゃなくて両端が摘まんであって、左右は中の具が見えてるよ!それを鉄板に並べて上から蓋して蒸し焼きにしている。だから鍋に貼るって書いて鍋貼Guōtiēだと私は思っている。

 しかも日本だとよく餃子食べるとニンニクが~って言うけど、臺灣の餃子にニンニクは入っていなかった……


 臺灣の餃子は全体的にもちもちの皮でとても美味しい。


 八方Bāfāng 雲集yúnjíっていう餃子のチェーン店なんだけど、中の具材だけでもとても種類が豊富なんだよね。

 焼き餃子の種類は、

 招牌Zhāopái鍋貼Guōtiē(豚肉とキャベツ餡(臺灣ではこの組み合わせをよく見かけるかな))

 韭菜Jiǔcài鍋貼Guōtiē(豚肉とニラ餡)

 韓式Hánshì 辣味là wèi鍋貼Guōtiē(キムチ餃子)

 玉米Yùmǐ鍋貼Guōtiē(トウモロコシ餃子)

 咖哩Gālí鍋貼Guōtiē(カレー餃子)

 田園Tiányuán雞肉jīròu鍋貼Guōtiē

 (赤とうがらしの皮に鶏肉と大根の葉とキャベツをブレンドした餡)

 新蔬食Xīn shūshí鍋貼Guōtiē(オムニポーク(植物で作ったお肉)とキャベツ餡)

 水餃子の種類は、焼き餃子と同じ餡の物と鮮蝦Xiān xiā水餃shuǐjiǎo(エビ餃子)があるよ。

 水餃子の事は水餃shuǐjiǎoって言うよ。


 他にも麺やスープもあって色々食べ比べが出来て楽しい。

 臺灣の餃子の注文の仕方は、一皿じゃなくて餃子の個数を直接注文する。自分がどの種類を何個食べたいのかをお店の人に伝えるの。少食だけど全部の味を試したい人は、1個ずつ頼むのも1つの方法だよね。1個当たり5元くらい店によって少し違ったりするからよく見てね。


 八方Bāfāng 雲集yúnjíで私が好きなのは、招牌Zhāopái鍋貼Guōtiē玉米Yùmǐ鍋貼Guōtiē鮮蝦Xiān xiā水餃shuǐjiǎo古早味Gǔ zǎo wèi乾麵gān miàn(麺にもやしとかネギが乗っててごま油と醤油だけのシンプルな乾麺)この素朴な味が美味しいんだよ。


 あとは、豆乳!この店ならではの豆乳があるの!香濃Xiāng nóng豆漿dòujiāng(一般的な豆乳でこちらは砂糖入り、無加糖って書いてあるのが砂糖なしね)

 因みに豆乳は豆漿dòujiāngって言うよ。

 ここで日本と違うところがもう1つ、味が違う。臺灣で大豆dàdòuもしくは黃豆Huángdòuと呼ばれているんだけど。私の感覚だけれども日本の豆乳はさらっとしていて飲みやすい、台灣の豆乳は味が濃厚だなぁってどっちも好きだし美味しいんだよね。

 そしてこの店ならではの豆乳が、Hēi豆漿dòujiāng(黒豆を使っているよ)これもねすごく美味しいんだよ。


 私が八方Bāfāng 雲集yúnjíに訪れた当初は香濃Xiāng nóng豆漿dòujiāngBái豆漿dòujiāngって名前で売られていて、空耳なんだけど、Bái豆漿dòujiāngが「はい!父ちゃん」Hēi豆漿dòujiāngが「へい!父ちゃん」って聞こえてツボにはいちゃったんだよね。おかげでこの2つはすぐに覚えたよ。


 ご褒美の日に何故餃子?って思った人!それは私が餃子すごく好きだからだ!特に焼き餃子めっちゃ好きです!鍋貼Guōtiē初めて食べた時なんか皮のもちもち感と餡の美味しさにとても感動したんだよ。朝ごはんのお店でも売っているところもあるよ。朝ごはんのお店でメニューに載ってたらとりあえず20個は注文する。ぺろりと食べられるんだよ美味しいから……


 因みにこの日私は、招牌Zhāopái鍋貼Guōtiē20個、玉米Yùmǐ鍋貼Guōtiē5個、鮮蝦Xiān xiā水餃shuǐjiǎo5個に古早味Gǔ zǎo wèi乾麵gān miàn1つとBái豆漿dòujiāngを注文したよ!

 食べ過ぎって?美味しいのがいけない。我慢したら夢に出てくるし……


 夢梨Mèng líにはどれだけ食べる気だって呆れられたけど、あんまり食べないようにしてるんだよ。合計すると結構な金額になるのでね。だからご褒美なんだよ!うん!それに、話しながら食べてたらすぐ無くなるよね~


 その後はK區K qūの地下街を軽くぶらぶらしたよ。比較的最近に出来たから地下街の中では新しい方で、長さも短い方かな。

 台北駅の地下街は大まかに

 ・台北Táiběi 地下街dìxiàjiēY區Y qū

 MRTの淡水Dànshuǐ xiànから出て、上がっていくと「鳥人Niǎo rén愛維斯Ài wéi sī(Aves)」っていう黄色い鳥の被り物をした全身白タイツの人間みたいなオブジェがある。鳥頭人Niǎotóurénって言われているから認識は間違ってないはず。そこからまだ地下に続く道へ降りていくんだけど、この地下街すごく長い。アニメやゲームを取り扱った店に、服やかばん屋さん、激安子ども服、パソコン関連用品、お土産屋とか小物屋さんとかとにかくいろんな店がある。


 ・中山Zhōngshān地下街dìxiàjiēR區R qū

 この地下街は台北駅からずっと歩いていくと中山駅について、さらに進むと雙連駅まで歩いていけるよ!


 ・誠品Chéng pǐn地下街dìxiàjiēK區K qū

 誠品書店が運営している地下ショッピングエリア。誠品書店はおしゃれな書店だよ。


 ・站前Zhàn qián地下街dìxiàjiēZ區Z qū

 忠孝Zhōngxiào西路xī lù一段yīduànという大きな道路の真下にあるんだけど、ここはお土産物屋さんとか食べ物だったり小さなお店が結構あるって印象。



 ざっくりと大まかに説明したけど、本当に沢山お店があるし、道が複雑に入り組んでいるから、確実に迷う。

 アルファベットで表記されているんだけど分からなくなったら近くにある地図で現在地確認が必須かな。


 次の金曜日は、どこへ食べに行こうかって話をしながら(また食べ物の話かい!)

 ぶらぶらしてお互い駅で別れたのだった。




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