1年 第1学期 6週目

 

老師Lǎoshī,同學tóngxué大家好dàjiā hǎo我們Wǒmen這一組的zhèyīzǔde報告Bàogào主題是zhǔtí shì――【教授,同級生の皆さんこんにちは。私たちの班のプレゼン内容は――】」


 これは学校でプレゼンする時、一度は言うセリフ。そう今日はある教科のプレゼンの日

 因みに今話しているのは私。基本私の学科はグループでのレポートとプレゼンセットの報告Bàogàoが多い。そうすると異世界から来たチート能力もないごくごく一般な人間は足手まとい確定である。ただ現状足手まといから離脱できるのかと言われたら不可能なので、やれることを先に一緒にグループを組んでくれた子に提示した。こう言った時って出来ることと出来ないことは明確にしておくのが大事だよね。(後々のトラブルを避けるためにも絶対に――)

 私が今現状できるのは、言われた資料を探す事。日本語と頑張らないといけないけど中国語両方の視点で調べられる。文字を打ったり簡単にまとめたりするのは現状出来ないから皆様にお任せするとして、もう1つが前に立ってプレゼンすることだ。資料を探しているので、大まかな内容は分かっているから後は、話したい内容を教えてもらえれば、自分の言葉に置き換えて話すことが出来る。ただし終わりの質問事項の部分はお任せする方向で……

 プレゼンもその時の教授に寄るけど、一人だけが発表とか全員1回は発表しろとか色々ある。私は発表側になるべく行くようにしていた。グループって配点が個人評価じゃなくてグループ評価になるから。異国人だからって何もせずに点数を貰うのは、私は好きではないので、言い間違えたり失敗したりするけど、頑張らせて欲しいってお願いした。


 だから私は、開口文句(他の人が話しているのを聞いて頑張って覚えたよ)を言い終えた後、続けて「私は中国語があまり上手ではないので、聞きにくかったらすみません。」って一言添えるようにした。みんな知ってるけど礼儀として一応ね。


 まぁ前に立つだけで、心臓がバクバクいってるんだけど、私緊張すればするほど真顔になるみたいで、誰も気づいてくれない……


 読み方を間違えて笑われることも通常運転なので、その時は笑った子に「そこの笑った君!今私が間違えたのなんて言うのが正解?」って発表中だろうが聞くこともしばしば、基本他人のプレゼン聞いてない子が多数なんだけど、私が立つときはみんなこっちを見てくれている。私が間違えるのを全力で待機していたりする。面白いからって言うのもわかるし、むしろ気が楽になるよね。学校は失敗しても間違えてもそこから学ぶ事が許されるから。因みに教授に笑われたときは教授にも聞くよ。「老師Lǎoshī笑ってないで教えて下さい」って厳しいって言われている教授にも同じことしてみんなに「大丈夫かおまえ」って心配されたけれど、むしろ教授も楽しんでくれているから良しとしよう。


 学校が始まってからよく聞く「PPT」って言葉。初めは何か分からなかったんだけど、これPowerPointの略称。臺灣では、長いから「PPT」ってみんな言ってる。もしこの単語が話しの中に出てきたらPowerPointのこと?って聞いてみてもいいかも。因みに「Word」と「Excel」はそのままなんだけど、臺灣の人の発音が良すぎて、頑張ってこれは練習した。よく言うのに一人だけ日本語英語とか嫌だし、下手したら通じない。日本人の英語の発音が良くならない要因その1が、外来語はカタカナでそのまま使われることが多いだからね。その2が読むだけで会話練習がほぼないのも1つ。英語を伸ばしたい人は、イギリスないしアメリカに行くべきだと思う。

 言葉は現地で覚えるべき、これが一番の近道。


 お昼――

 午後一番の授業が、教授が出張で無くなったので、一コマ空きが出来てしまった。

 クラスの何人かが臺北駅の方でお昼を食べようと提案したので、交流を深めるために私も行くことにした。

 ここで、1つ問題が発生した。


 私たちのいる場所は善導寺駅そこから臺北駅は一駅でつく、正直に言えば歩く方が早く着くのだが……

「MRT【地下鉄】で行こう」と数人の男子勢が言い出した。因みにこの人たち普段はバイクである。

「歩いた方が早いよ。目の前だし」と私が言えば、「嘘だ~」と言って信じてくれないばかりか、「歩くのしんどい」という始末。こっちが本音だろうと私は思った。

 臺灣ってバイク率がとても高い。すぐそこのコンビニまでバイクを使う人もいる。そのせいか徒歩15分以内でも面倒だという始末だ。

「じゃぁ勝負をしよう」と一人が言い出した。勿論、電車と徒歩どちらが早いかである。

 徒歩勢と電車勢学校で別れて、臺北駅の新光Xīnguāng三越sānyuè【三越百貨店】横の「麥當勞Màidāngláo」【マクドナルド】前で待ち合わせになった。

 結果は、勿論私たち徒歩勢の勝ちである。林口から学校へ行くとき雨の時以外は、臺北駅から歩いて行ってるのだ。行く場所によっての近道くらい知っていて当然である。私一人だともう少し早く着く……「日本の人ってみんなそんなに早く歩くの?」って聞かれたくらいだ。ゆっくり歩いているつもりでも通勤通学でみんな早歩きしていると癖になるって怖いね。


 臺灣とか温かい国の人のあるあるで、時間に結構ルーズなところがある。

 日本って、それこそ幼稚園の頃から集団行動が叩き込まれて、10分前行動5分前集合が教えられているけど、海外だと「生きずらそう」って言われたりする。学校とか会社とかの時間以外で、まず遊びに行くのに待ち合わせ時間があるとして、5分10分の遅刻は許容範囲、一番最長で30分遅刻がいた。もちろん時間前に来る人もいるし、逆もまたしかりである。まぁ1つの要因としては、バスや電車に時刻表がないってところかな。日本だと何分発のに乗れば何分に着くって予想が出来るけど、時刻表がないとまずそこからおおよその時刻を算出して出かけたとして、バスが来なかったりする。遅れるの分かった時点で連絡くれる人もいれば、そうでない人もいるので、みんな待つ羽目になるのだ。

 そういった時は、怒らずに「ここは異世界だしね~」で流そう。どうしてもこの時間にって時は、実際の時刻より早めに待ち合わせ時間を決めるのも1つの策だ。待っている間は近くのコンビニで時間つぶせばいいし、外が熱いので涼しい店内でいる方が熱中症対策にもなるよ。

 本当に親しい間柄の友人だと「最後に来た人罰でみんなに後で飲み物奢ってね」って罰ゲームを作ったりする。これは親しい間柄しかできないけどね~私が最後になることは基本的にないので、飲む側だラッキー!


 臺北市内を歩いていると多分気付くけれど、コンビニ(臺灣では「便利Biànlì商店shāngdiàn」って言うよ)がとても多い。

 これは授業でも教授が言ってたんだけど、臺北市内「100mに1軒」感覚でコンビニがあったりする。

 日本にもあるコンビニだとセブンイレブン(臺灣だとメール打つとき「7-11」で通じる)、後はFamilyMart(臺灣では「全家Quánjiā」って言うよ。家族みんなって意味も同じ漢字だから会話の前後は聞かないとコンビニの話なのか家族の話なのか分からなくなる)が大半を占めていて、他にはOK-MART、 Hi-Lifeの4チェーンでコンビニは占められているよ。

 臺灣は基本的に屋台以外のお店はレジ袋有料だからいろいろ買うときはエコバック持参で、お弁当とか温める物があると、網目の袋じゃないけどネットみたいなものに入れてくれる。火傷しないようにってことだね。段ボールの切れ端くれる店もあるよ。


 臺灣のコンビニで注意した方が良いのは、おにぎりとかお弁当、鮭とか海鮮って書いているものは日本と同じくそのまま食べてもおいしいけど、大抵のおにぎりの具材は温めて食べた方が絶対にいい。お弁当に至っては温め必須!日本のお弁当って冷めていても食べられるように作られているものもあるけれど、臺灣のお弁当は基本温かいのが常識で、コンビニで売っているお弁当も野菜炒めとかどちらかというと油でいためたりしているものが多いので、冷たいままだと油が固まっていて美味しくないから温めて食べよう!(臺灣の弁当箱って結構ステンレスの物が多いんだけど、それは学校とか職場にお弁当の「蒸飯Zhēng fànxiāng」【お弁当の蒸し器】みたいなものがあって、それに入れて置けるようになってるから、食べる時も温かいまま。これ日本にも導入して欲しいよね。お弁当はともかく冷めた給食程不味いものはない)あとは、日本で当たり前にみるサラダとかはあまり需要がないので、あまり見ない。臺灣の水事情の関係もあるけど、基本生野菜とか生ものを食べない人が多い。(果物は食べるよ。それは別らしい)日本で初めて食べたって人もいれば、お寿司屋さんで刺身食べてみたけど生臭さが苦手で無理だったって人もいる。

 後臺灣のコンビニで面白いのが、シール集め!何元買ったら1枚シールがもらえて、それを貯めるとその時コラボしてる景品と交換出来たり、コンビニ商品の割引券になったり、なんなら臺灣でよく見る「買一Mǎi yī送一sòng yī」【1つ買ったら1つプレゼント】まぁ簡単に言えば1つの値段で二つ買えるというお得な商品券に変わったり、シール台紙があってそこに何点で何と交換って書いてあるから欲しいものがあれば、集めてみよう!

 因みに「買一Mǎi yī送一sòng yī」は、お土産物屋さんとかでもよく見かけるよ「買五Mǎi wǔ送一sòng yī」【5つ買ったら1つプレゼント】って数字が変わるのでよく見てから買おうね。お得に買って楽しめるのはいいよね。


 後は日本と違って、コンビニにお手洗いがあるところはあまりないから、道中お手洗いに行きたいってなったらファーストフード店とか駅を探そう。

 そうそうコンビニでの支払いは悠遊卡Yōuyóu kǎ【悠遊カード】でも出来るよ。やっぱり臺灣で旅行するなら1つは持っておくべきだと思う。


 結局その日のお昼は、人数も多いので「麥當勞Màidāngláo」【マクドナルド】で食べてワイワイ話した後、みんなで歩いて学校に戻ったよ。15分なんてみんなで話しながら歩けばすぐだからね。

 因みに6限目の授業でまたレポート提出の宿題出されたよ。教授が報告Bàogào好きすぎて辛い、教室は勿論ブーイングの嵐だった。


 こうして良くない言葉をどんどん覚えていく私である……


 使える言葉を教えて下さい。切実に……


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