第30話 ホワイトラム バカルディ スペリオール
ホワイトラムは「バカルディ スペリオール」を選択。
バカルディは世界最大のラム製造企業で、ホワイトラムの先駆者だ。暑い国の酒であるラムに、寒い国の酒であるウォッカの「活性炭での濾過」という技術を応用した先見性はすごいと言わざるを得ない。
バカルディがホワイトラムを開発したことで、「モヒート」「ダイキリ」「キューバ・リブレ」などの、ラムを用いたカクテルが一気に発展することになったという。
ラムの本場はキューバであることは有名だが、実はバカルディはキューバではなくイギリス領バミューダの企業で、蒸留所はプエルトリコに置かれている。
元はキューバに拠を置いていたのだが、1958年のキューバ革命で社会主義政権が樹立した際、私企業は接収されて国営化されてしまう危険が高かったので、さっさと逃げて難を逃れたという経緯がある。
現在では、バカルディはラムだけでなく他国の有名な酒のブランドをいろいろと買収して傘下に置いており、蒸留酒の世界で特に影響のある存在へと成長している。キューバから離れた判断は実に正しかったと言えるだろう。
ちなみに、キューバ本国には「ハバナ・クラブ」というブランドがあり(商標があっち行ったりこっち行ったりとややこしいが、製造はキューバで行われている)、カクテルを作る際にはバカルディではなく「ハバナ・クラブ ブランコ」をベースとして使うバーテンダーも多いようだ。ハバナ・クラブは750mlしか見つからなかったので、バカルディの350mlを使うことが決定した。
バカルディの瓶はすらっと背が高く、赤丸に羽を広げたコウモリの絵がトレードマークだ。瓶にはうっすらと青緑の色が付いており、さわやかなイメージがある。
ラムを使ったカクテルであるモヒートは飲んだことがあり、かなり気に入った味だったが、ラムそのものをストレートで飲んだことはない。
蓋を開けると、意外と穏やかな、わずかな甘さが感じられた。ウィスキーのスモーキーさ、焼酎の穀物の甘さ、ジンのボタニカルの香りやウォッカ―のアルコール感ともそれぞれ異なる香りだ。グイっと押し返してくるような強さはない。
サトウキビ由来ということを知っている先入観もあるのかもしれないが、穀物を使った他の蒸留酒とは匂いが違うことだけははっきりとわかる。
飲んでみると、口当たりは非常にスムーズ。香りが穏やかなためか、飲むときの抵抗が非常に弱い。
度数40なので相応のアルコールの辛さはあるが、ウォッカのすっきり感とは違う、少し優しさがある味わいをしている。
海賊のイメージとは全然違う緩やかさだ。これは梅酒の方も期待できそうだ。
ちなみにモヒートはおいしいぞ。来年は植木鉢でミントを育てて作ってみよう。
それとラムのコーラ割り、キューバ・リブレは簡単で尚且つうまい。コーラはダイエットではなく、普通のコカ・コーラを使う方が、水っぽさがなくておいしさがアップするように思う。レモンも入れるのだが、レモンジュースや果汁よりも、スライスを入れる方が見た目も味もいける。
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