第22話 ブランデー サントリー V.O
今回の実験では、最初はコンビニで売っているヘネシーのV.Sの200ml瓶を2つ購入する予定でいた。ヘネシーはフランスのコニャックに拠を置くジャズ・ヘネシー社のブランドで、V.Sもコニャックの一つだ。
V.Sはコニャックの等級の一つで、「Very Special」を意味する。フランスのお酒なのに等級名が英語なのは、イギリスに輸出していた関係かららしい。
ブランデーやウイスキーは製品の品質を安定させるブレンドをすることが多く、使う酒の熟成年度が最大で2年以上である物がV.Sと呼ばれる。コニャックを名乗るには2年以上熟成させていることが条件なので、V.Sは一番下ということになる。
しかし、コンビニで売られていると言えどもコニャック。200mlで1000円以上と、そこそこにいい値段がする。
もう少し安い物でもいいかなと思って探していると、酒屋でサントリーV.Oの500mlが850円で売られているのを見つけた(普段なら1000円弱)。
このV.Oはスーパーなどでも普通に売られており、日本で一番よく目にするブランデーだろう。V.OはVery Oldの意味で、熟成年が11~15年であることを意味する(全部が15年熟成ではなく、ブレンドした物の中で一番古いのが15年物という意味だと思うが)。
サントリーのブランデーブランドの中では一番下で、安いし梅酒に使うのにもいい具合だ。何しろ、サントリーのホームページでこのブランデーを使った果実酒の作り方特集がされているぐらいだ。
実は学生の頃にこれと同じ物を1本買って、飲みの集まりに持って行ったことがある。その時はまだブランデーを飲んだことがなかった。
ダラダラとみんなで映画を見て、途中で飲んでみようと思って目をやったところ、すでに先輩に飲まれて空になっていた。
酒が好きな人であることは知っていたが、あの短い時間でどうやって空にしたのか、今でもよくわからない。
40度強の酒500mlをストレートで飲んで短時間で空にしたのに、〝犯人″の顔色は何も変わっていなかった。ありゃどうなってたんだ?
ボトルから梅酒瓶にブランデーを注ぐと、やはり香りが強く漂ってくる。
ブランデーは香りの酒と言われるだけはある。洋酒を使ったお菓子の封を切った時に漂ってくるあの香りだ。ちょっと甘く、少し酒という雰囲気。
飲むときはブランデーグラスに少な目に注いで、ほんの少しずつ香りを楽しみながら飲むものだと言われているが、わが部屋にはそんな洒落た物などないので、普通のグラスで飲んでみる。
やはり香りはいいのだが、味だけの面でいうと、焼酎などに比べてパッとしないところがある。安いブランデーであることが理由か、元々ブランデーがそういう物なのか、私の舌が鈍いだけなのかわからない(多分最後が理由)。
それでもやっぱり香りは素敵だ。ちょっとだけ紅茶に垂らすと、嗅いだ時の華やかさがプラスされる。梅酒にすれば甘みと果実の風味が加わるので、非常におしゃれな味わいになるだろう。
売られている梅酒でもブランデーを使ったものはちょくちょく見かけるので、やはり選ばれるだけの理由があるのだとわかる。
問題は500ml入りのものを買ったせいでまだたくさん残っている点だ。
さて、どうやって消費していこう。
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