第20話 ウイスキー ブラックニッカ・クリア
このようにウィスキーの種類はかなり多いが、値段が手ごろでよく売っているメーカーはそこそこあるので、適当なものを見付けるのには苦労しなかった。
今回選択したのは、ニッカウヰスキーの「ブラックニッカクリア」。
特に何かこだわりがあったわけではないのだが、よく売られていて値段が適度で、尚且つ300mlの物があったことがチョイスの理由となった。
ちなみにニッカウヰスキーの創業者は、日本ウィスキーの父とも呼ばれ、「マッサン」のモデルにもなった竹鶴政孝氏だ。
ブラックニッカのブランドが誕生したのは1956年。この時はウィスキーの原酒に中性スピリッツ(連続式蒸留で作った高濃度アルコール)をブレンドした物だったが、1965年にはモルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドした本物のブレンデッドウィスキーとなった。
現在では、1965年と同じ王道的なスタイルの「スペシャル」、初心者向けの「リッチブレンド」、もっとスコッチに近く濃い味わいの「ディープブレンド」がある。
「クリア」はブラックニッカの中では最も軽いブレンドで、ハイボールなどにして飲むライトユーザー向けとされている。
確かに色はやや薄い琥珀色で、香りにも特有の燻したような雰囲気はない。
変な例えだが、ウィスキーの香りを木で例えるなら、ブラックニッカクリアは白木とでも言えばいいかもしれない。
ハイボールにしてみると一番おいしいのだと思うが、残りが30mlしかなかったのでそのままストレートで一気に飲んでしまった。
ウィスキーの愛飲者であれば物足りないと感じるらしいが、元がライト層向けなのでこれはこれで正しいブレンドなのだろうと思う。
梅酒にした時には、梅と砂糖の味に押し負けてウィスキーらしさが出てこないかもしれない。
もしも物足りないようであれば、来年はバーボンやスコッチなど、もっと個性の強いウィスキーを使ってみようと思う。
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