第8話 材料を調達しよう
おおよその条件が決定したら、次は材料の調達だ。梅、氷砂糖、計量道具、そして酒。
梅は紀州産の青梅。比較実験をするので、スタンダードなものがいちばんいい。
条件を統一するため、同じ品種と産地の物を4㎏分購入した。
重さの調節をしやすくするために、サイズは売っていた中で一番小さなLサイズ。
実が熟していると梅酒は濁り(そっちの方が好きな人もいるが)、味にも偏りが出てしまうので、可能な限り青い物が多い袋を選ぶ。腐敗しないように、傷がついていないことも大切だ。
氷砂糖は隣に置いてあったクリスタルの1㎏パックを購入。これには特にこだわりはない。というよりも、どこのスーパーでも似たような物しか置いていなかった。
酒の計量にはいつも使っている計量カップがあるが、梅と氷砂糖の重さを量る道具がない。
安く済ませようと紙コップと割りばしで天秤を作ってみたが、扱いが面倒なうえにいまいち信頼がおけなかったので、観念して安い重量計を買った。値段は1200円。
もったいないので梅酒を作った後も使って行こうと思う。
最後に除菌用アルコールのスプレー。スピリッツを使うので腐敗やカビの問題はないはずだが、ちょっと気になったので台所用の物を買っておいた。
問題は酒。種類は最初から10種類と決めていた。しかし、それぞれに様々なメーカーやグレードがある。価格も味わいもピンキリだ。
酒屋の棚にずらりと並ぶ中から、良さそうなものを選んでいかなければいけない。
第一条件として、値段はなるべく抑えること。私の財布はそれほど大きくはない。
もしも財布が大きくても、高い物はもったいないので、やっぱり安い物を選ぶのがいいだろう。
その次に、小さいボトルでも売られていること。270mlしか使わないのに、750mlのボトルを買うのは無駄だ。梅酒が出来あがっても、原酒の方がなくならない。
200mlのポケット瓶2本、あるいは350mlの小瓶一本で売られている物が望ましい。この量であれば、漬けた後に残った物を味見することができるし、消費するにもそれほど苦労はしない(はず)だ。
最後に、あまり凝った物でない事。梅酒の材料にするのはもったいない。
それに他の同種の酒とは大きく異なった特徴を持つ製品の場合、梅酒にすると個性が出過ぎて、そのカテゴリーの酒で作った物の標準的な結果とは言いにくくなる。
可能であれば、その種類の酒の特徴を有しつつ広く売られている物、つまりはスタンダードな製品であることが望ましい。
適当な品を選ぶため、近所の酒屋、スーパー、コンビニに足を運んで物色した。日本で普通に売られている品であれば広く流通していると考えてもいい。
そうしていろいろと考え、10のボトルを選抜した。安く、それでいて安っぽ過ぎず、200~350mlの間の量で売られているものだ。
せっかくなので、それぞれの種類の酒の情報、選んだ銘柄について、試飲した感想や私個人の体験なども含めて、後ほど色々と記していこうと思う。
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