歯医者さんがキライにならなくなるお話

黒兎と黒ビール大好きー

第1話 歯医者さんってキライ?

最近の歯医者さんはキライだと思われなくなった。


そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。

というのも、高齢のお爺さんが奥さんに連れられて来院されたときに

「おれは医者歯医者にかかったことがないのが自慢なんじゃあー

 くぅっ…」

とココロから嫌そうな声を出していたからだ。

ちょっぴり惜しい。

くっコロまでもう一息だった。


しかし歯医者さんに来たことがないというのにこのマイナスイメージはどうしたことなのだろうか。

聞いてみると友人が大変な目にあったというのだ。

さらに友人の友人がとんでもない目にあい

友人の友人の友人がひどい目にあったそうだ

それホント?と思っても口にださないのが空気の読める歯医者さんなのだ。

うっかり失言してしまうと、このご時世大変だ。

「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」というセリフはドクターハラスメントになると講義で習うほど。

ハイ喜んで!と歯医者さんが言う日も近い。


少しつけ足しておくと、セクシャルハラスメントやドクターハラスメントに関しては

学生の頃から、それはもう耳にタコが大繁殖するまで叩きこまれる。

やはり患者さんとの距離が近いとそれなりに問題は発生するからだ。

と、その昔タッチセラピーが流行った時に即セクハラ認定受けた講師が

しみじみと言っていたので間違いはないだろう。

のちにその講師は女子学生にしつこく言い寄り大学から放逐されたので

身をもってセクハラはすべてを失うと証明してくれた。


ドクターハラスメントについては言ってはいけない言葉はア行からリストがある。

「あっ!」「ああっ!」から始まる。

ああっ!めg…いやなんでもない。

確かに処置中に「あっ!」とかはマズイだろう。とてもよくわかる。

しかし「くさい」これは言わないようにって常識でわかるだろう。

常識がないとでも思ってんのかァ~?ナメやがってチクショーッ!


…というような教育が学生時代からなされているため

最近の歯医者さんに行っても不快な気分になることはないだろう。

ないよね?

だから始めのお爺さんのような方は珍しいのだろうと他の方に軽い気持ちで

「歯医者さんは苦手じゃないですよね?(反語)」と聞いてみたところ

なんと8割の方が苦手だと答えた。答えてしまった。

「特にお天気が悪いと足が重くなりますね」とのこと。

風が吹いたら遅刻して雨が降ったらお休みですかそうですか。


幸いにもこのようなご意見も頂戴している。

「ここはいい意味で歯医者さんっぽくないから他より来やすい」

「いい意味で威厳がなくて話しやすい」

いい意味でってつければ、なんでも許されると思うなよ。ぶっ飛ばすぞ。


皆さんも昔に比べて歯医者さんの物腰が柔らかくなってきていると感じていることだろうと思う。

歯医者さんもそれはもう気をつけて発言しているので

おきらくごくらくな感じで接してほしい。


これを読んだ人の歯医者さん苦手意識が、少しでもなくなりますように。

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