第50話「龍鬼蛇神」①

 黒龍屋本店、地下。

 因縁絡み合う2人の異形の商人の戦いは続いていた。他の者が見れば意味不明かつ理解不能の超常の闘い。空間を超越して繰り広げられる、文字通り規格外の力のぶつかり合いだった。

「はは、ははは! 叫べ! 爆ぜろ! そして出でよ、私の分身達! 愛する藤吉を思う存分可愛がってあげなさい」

 幽玄斎の負の感情に呼応して、彼の心臓に眠る『賢者の石』が莫大な闇力を呼び起こした。邪悪に染まり上がるそれは周囲に闇の磁場を形作り、そこから生まれ出でる無数の闇の写し身。だが!

「……おっと、そりゃ悪手じゃろうて。『転移』!!」

 藤兵衛が平然としたまま指を鳴らすと、周囲の闇は一瞬で掻き消えた。何事もなかったかのように静まり返る場で、彼は悠然とキセルに火をつけた。

「成る程ね。それがお前の能力か。闇力が形作る前なら幾らでも除去できる、と。……面白い! 実に面白いねえ! はは、ははは!!」

「昔から気が合わんの。儂は不愉快で堪らぬわ。さっさと帰って酒でも飲みたい気分じゃて」

 ふう、と大きく煙を吐き出した藤兵衛を見て、にやけた笑みを浮かべて後ろに飛んだ幽玄斎。更に次の瞬間、彼が元いた場所の地面が大きく弾け飛んだ。にやにやと余裕の笑みを浮かべる彼に、藤兵衛は顔色一つ変えずに術式の残骸を投げ捨てた。

「『エクスプレシオーン』。まあこれ位は読むじゃろうな。むしろやって貰わねば張り合いがないわ」

「文字通り、煙に巻いて術式を隠すとはね。お前のやりそうなことだ。なら……次は私の番だね」

 ぞわり、と幽玄斎に闇力が大幅に高まり、体内から這い出る無数の人影。その全てが彼と同じ体型、顔だった。計7体の闇人形は混じり合い、同化するように同じ表情で笑い、同時に言葉を発した。

「『緑風の大地』。先に形を成せば、厄介な転移術は無効と読んだんだがね。いかにお前とて見分けはつかなかろう? それともお前のことだ、私がどれか分かってしまうのかな? どうなんだい? それ程私のことを理解してくれているのかな?」

「理解なぞしたくはないがの。ただ、儂を舐めて貰っては困るわ。貴様の本体は……そこじゃ!! 『ノヅチ』!!」

 正確に、迷いなく打ち込まれる紫の螺旋。咄嗟に両腕で防御した幽玄斎だったが、右腕は吹き飛ばされ鮮血が飛び散った。それと同時に幻体は本体に戻り、再び睨み合う両者。

「……ほう! 本当に理解しているようだね! それともまた別の能力かな? どちらにせよ私は嬉しいよ。はは、ははは!」

「貴様には『首輪』が付いておる。その為に触りたくもない体に触ってやったからのう。何にせよ、貴様の目眩しは儂には通用せぬわ」

「そのようだね。では、小手調べはこの辺にしておこうか。今度は力尽くでいくよ。いいね?」

「ふん。貴様にそんな指示を受ける謂れはないわ。さっさと冥土に送ってやる故、覚悟するとよいわ」

 狂気を顔から染み出して、幽玄斎は腕を上げ無数の漆黒の龍を形作った。藤兵衛はそれらに照準を合わせ、ゆらりと銃を構えた。じりり、とした僅かな時間の後、突如として始まる騒乱の宴。

「はは、ははは! 本当に面白い! これぞ正しく狂宴、全ての終わりと始まりの輪廻だ! うっ! ……ううううっ!!」

 膨れ上がる闇に身を浸す幽玄斎と相対し、藤兵衛は不快そうな表情を見せながらも、細い目の奥で静かに状況を分析し続けていた。今より先を読む為、目の前の男を超えたと証明する為に。

(一手が終わらばまた一手。深謀遠慮にして臨機応変。さあ、頭を最大に覚醒させるのじゃ! 負ければ儂の今迄の人生は勿論、シャルの夢をも潰えようぞ。今こそ……儂の全精力を注ぐ時じゃ!)

 嵐のような遠距離戦の中、金蛇屋藤兵衛はかつてないほどに集中を高めていた。この場を最後の戦いの舞台と定め、必ず訪れる終末の炎を呼び込むために。そして、自らをもう一度愛してくれた……彼女の期待に絶対に応えるために。


 同時刻、黒龍屋本店地下入口。

 2人の男女がその場で座り込み、和やかに談笑していた。漆黒のローブを頭まですっぽり被った、常軌を逸するほどに痩せ細った男は、実に美味そうに茶をすすっていた。もう1人の、長い黒髪の美しい女は、一口だけお茶に口をつけると、周囲を吹く風にただ耳をすませていた。

「しかし……美しくなったものですね、シャーロット様」

 呪術師バラムは感慨深そうに目を細めて、少し呆れたような名状し難い感情を込めて呟いた。魔女シャーロット=ハイドウォークは、その言葉をふっと風に溶け込ませ、にこりと微笑んで返した。

「ありがとうございます、バラム様。確かに私はこの旅を通して変わりました」

「世辞ではありませんよ。貴女は本当に美しくなられた。そして……お強くなられました。あの頃とは大違いですね」

 シャーロットは床に茶を置くと、静かに微笑んで彼の目を見つめた。美しく、それでいて人の心を浮き彫りにするような笑みだった。

「ええ。今の私には大切な仲間と、何より大切な方がいます。先生の仰る意味はそういうことですか?」

「……それもあるでしょう。ですが、満月の前だというのに、貴女の力は以前とは比べ物になりません。これは一体どういうことでしょう? 不死の術の代償はどうしたのですか?」

「ふふ。先生でもご存じないこともあるのですね。確かに私は彼に不死を与え、代償に“病み”を引き受けました。その瞬間、私の力が大幅に衰えたのは事実です。ただ……今は逆です。私の方が、彼から力を貰っています。彼は本当に素晴らしい方です。あの人のためなら、私はこの命を失っても何一つ悔いはありません」

 堂々と言い放つシャーロットをまじまじと見つめて、バラムは額に手を当てて大きく深く一つため息をついた。

「やれやれ。そういうことですか。まるで……かつてのアガナのようだ。本当に参りましたね」

「お褒め頂きありがとうございます。ですが、私は私です。他の何でもありません」

「……問答はこの辺にしましょう。貴女なら分かると思いますが、今の私はここには居りません。ここにいるのは単なる幻影です」

「ええ。そのようですね。旅の道中、何度かお姿を見受けましたが、本来の半分もお力を感じられません。先生はお兄様の側近中の側近、本体はお近くにいらっしゃるのでしょう?」

「ふふ。貴方に隠し事は出来ませんね。さて、そろそろ本題に入りましょう。私はミカエル様の命で、貴女を捉えねばなりません。例え幻影の身であろうとも、ね。覚悟はよろしいですか?」

「無論です。けれど、申し訳ありませんが、貴方の使命は叶いません。ここに踏み入る者は誰であっても止める。それが私の成すべきことです。例えバラム様であったとしても」

 2人の視線が剣呑を帯び、空間内でぶつかり合った。バラムはローブの裾を持ってゆらりと立ち上がると、極めて真剣な表情で言った。

「では……やるしかありませんね。ただ、1つお願いがあります。私は……今の貴女の力が見たい。月は8割、私は幻影。この時点で私とあなたがぶつかるとどうなるか、それこそが私がここにいるもう一つの理由です」

「……御託は止めにしましょう。すぐに分かることです。けれど……バラム様。今の貴方では、決して私に勝つことは出来ません」

「はは! 誰の影響か知りませんが、よく喋るようになったものです。貴女は少し痛みを知る必要がありますね!」

 シャーロットはそれには答えず、座したまま目を見開いて無数の術式を刻み始めた。バラムもほぼ同時に深い術の世界へ身を投じた。

 周囲には2人の闇力のうねりだけが響いていた。恐らくは世界でもほぼ全ての者が目にしたこともない、巨大にして複雑な術の構築が次々と繰り広げられていた。世界屈指の術者同士が何の障害もない状態で、かつ全ての力を1発のみに絞ったそれは、黒龍屋本店を包み込むほどの規模に達していた。10秒ほどが経過した頃、空間は遂に臨界点に達し、一気に反転して崩壊の気配を見せ始めたその時、2人の術者は同時に叫んだ。

「さあ、シャーロット。貴女の力を見せなさい! 世界の誰よりも貴き力を! ……禁術『コシード』!!」

「私はここで貴方を止める、それが出来るのは私だけです。私は……あの方を信じます。この命に代えてでも! ……禁術『ゲヘナ』!!」

 そして、2つの地獄が降誕した。バラムが召喚した絶対零度にも達する極大結晶は、出現するや否や周囲全てを音もなく白銀の静止空間へと誘った。同時にシャーロットが産み出した黒炎は、空間全てを陽炎で満たし、数億度の熱で世界そのものを歪めていった。そして、その2つがぶつかった瞬間、全ての時間が止まったかの如き静寂、然る後に大地を震わす衝撃波。地震のような揺れがダールの街全体を激しく揺さぶり、人々は恐怖に震えながら街の様子を伺っていた。

 やがて、数分が経過し、そこにいたのは2人の術者のみ。ただその姿には大きな差異があった。息も絶え絶えで全身に多大な損傷を受けているバラムに対し、平然とした表情で座ったままのシャーロット。全ての力を使い果たした彼は、唇を噛み締めて何かを堪えるように話しかけた。

「……やれやれ、完敗ですね。そこまで力が増しているとは思いもしませんでしたよ。主によく伝えておかねばなりませんね」

「お言葉ですが、バラム様。貴方は手を抜いていらっしゃいましたね? 私を舐めて貰っては困ります」

「………。それは貴女の方でしょう、シャーロット? 結界まで張り、私だけでなくこの地自体も守るとはね。あの究極とも言える攻防の中で、それだけの余裕がある……紛れもなくあなたの勝利ですよ」

「私は強くならなければなりません。お兄様を止めるため、世界の平和のため、仲間や人々を守るために。私にはこんなところで立ち止まっている暇はないのです」

 それを聞くと、バラムは無言でフードをより深く顔に被り、自らに掛かった術を解除し始めた。その奥に秘められた感情は、今の彼女には想像も出来なかった。静かに、とても静かに彼の輪郭は朧になり、やがて風になっていった。シャーロットは消えゆくバラムに近寄ると、そっと彼の残骸を抱きしめて美しく微笑んだ。

「……先生。お許し下さい。私は私の道を行きます。例え誰を的に回しても、私は後悔の無いよう生きていくつもりです」

 バラムはそれに答えず、最後に大きな笑みを浮かべた。それは、彼女が今迄見たこともない、不思議な感情の込められた顔だった。それを一言で表すならば、婉曲した愉悦。彼のねじ曲がった口は、いつまでも彼女の脳裏からは離れなかった。

 やがて、彼が闇の粒子となり完全に消滅すると、シャーロットは心を落ち着けるようにふう、と一息着いた。そして、すぐに立ち上がった彼女は、目の前先に開けた坑道の先を見つめた。

「災禍は去りました。待っていて下さい。必ず私が、全てをあるべき場所へ戻します」

 その大きな瞳には微かな潤みがあった。しかし彼女は振り返らない。そんな時間はどこにも存在しない。感傷を捨て、過去を置き去りにし、彼女は今進むべき方向をもう一度見据える。その先にいる、彼女の歩いてきた道を象徴する男、金蛇屋藤兵衛の姿を思い、重く淀む足を一歩ずつ前に進めていった。


 同時刻、コロシアム場外。

 興奮冷めやらぬ場内の二階席の窓が突然勢いよく割られ、1人の大柄な女性が外へと飛び降りた。外には人影は殆どなく、沈黙と闇が支配する世界だった。

 レイは周囲に警戒を払いながら、風のように街を駆け出した。その両

手には2人の人間が抱えられていた。右手には二本の刀を携えた大柄の剣士、左手には子供にしか見えない金髪の少女。軽々と飛ぶように駆け巡りながら、レイは1人大きく舌打ちをした。

「ったく、なんで俺がこんなことを! あのクソ商人め! 最初から俺に戦わせりゃよかったんだ! お嬢様になんかあったら殺しても足んねえぞ! ……しっかし、亜門のバカが! なんでこいつこんなに重えんだ?! リースが軽過ぎてバランスが取れやしねえ。こいつだけここに置いといても問題ねえんじゃねえか?」

 ぶつぶつとレイの不満は続いていた。彼らを安全な場所に届けることが、主人であるシャーロットの命令だった。とはいえその命令は、元はと言えば藤兵衛から発せられたのは明らかだった。ガンジを足止めし、コロシアムから彼らを救う。確かにレイにしか出来そうもない。だが、胸の奥の不満は溜まっていた。先の戦いのこともあり、レイは不完全燃焼の苛立ちを隠し切れなかった。

〈……キミは、本当に闘いが好きなんだね?〉

 耳元で声がする。慌てて立ち止まり周囲を見渡すも、誰の気配も存在しない。レイは軽く舌打ちして耳をほじりながら、再び一気に足を進めた。

〈ボクはここにいるよ。ずっと昔からここにいる。キミが気付いていないだけだよ〉

 今度こそ、確かに聞こえた。幻覚ではなく、自らの内から。レイは再度立ち止まると、その場で1人大声で叫んだ。

「あんだ? どこのキ印か知らねえが、またてめえか! こっちとらそんなヒマじゃねえんだ! ごちゃごちゃ言ってねえでかかってこいや!」

〈ち、ちょっと! なんでそんなに好戦的なのさ?! ボクはキミのためを思って……〉

「うるせえこのチンカス野郎! 俺に上等きる奴は皆殺しだ!」

〈はぁ……。なんでこんなことになっちゃったんだろう? 昔のキミはもっと素敵だったのに〉

 ピクリとレイのこめかみが脈打った。レイはその場にどかりと座り込むと、内側からの不思議な呟きに向けて激しくがなり立てた。

「聞き捨てならねえぞ! てめえが俺のなにを知ってるってんだ!」

〈そ、そんな大声出さないでよ! ……そりゃあ知ってるさ。キミのことなら全て、ね。生まれた時から現在まで、全て〉

「へっ。たいしたストーカー野郎だぜ。だが問題はそっちじゃねえ。俺の失った記憶をてめえは知ってんのか! はっきりしやがれ!」

〈もちろん知っているよ。と言うよりそもそも……っと、それはまあいいか。でもね、世の中には知らなくていいことも山ほどあるよ。知ってしまうことで失うことはものこそ、大切な宝物だったりもするしね〉

「ガタガタぬかすな! さっさと言えこのカマ野郎! そもそもなんのつもりだてめえ!」

〈本当に野蛮だなあ。別に言っても構わないけど……あ! 誰か来た!!〉

 その時急に“通信”は遮断された。我に返ったレイの目に飛び込んできたのは、どろりと溶けた闇の塊だった。それはすぐに姿を成し、1人の男が忽然と現れたが、レイは全く動じることなく座り込んだままだった。

「ほう。シャーロット一味は狂人揃いと聞いていたが、懐刀からして正真正銘のいかれとはな」

「あ? 誰だてめえ? ぶっ殺すぞ」

「成る程。この距離でも分かる。噂通りの凄腕だ。だが、俺はお前には用などない。そこの少女に渡すものがある」

 そう言うと、影の主クロガネは包みをひょいと地面に投げ捨てた。レイはそれが落ちる前に足で引っ掛けて、乱雑に中身を探った。

「あ? こりゃ……薬か?」

「その少女は猛毒に犯されている。取り急ぎの処置はしたが、二次感染が進行している。そのままでは確実に、数日以内に死亡する。その薬はジャコウヤドリギの新芽のみを粉末にしたもの。直ちに飲ませろ」

「……てめえの話は聞いてる。セイリュウ国を裏切って黒龍屋の飼い犬になったクソ野郎らしいな。そんな奴の話を信じろと?」

「どう思っても構わん。だが、真実は1つだ。その毒にはそれしか効かん。彼女を死なせたくば使え。以上だ」

 そう言い残し闇に溶けていくクロガネを、半ば憤慨の表情を浮かべてレイは胸ぐらを掴み上げた。術を中断されぐらつく彼に対し、レイは凄みを利かせながら捲し立てた。

「おい! 話は途中だ! 言いてえことだけ抜かして消えるんじゃねえ! てめえがどういうつもりか知らねえが、こいつがちゃんとしたモンだってのは匂いでわかる。とりあえず礼だけは言っとくぜ」

「……お前らは既に俺の獲物ではない。標的以外を傷付けるのは信条に反する。それだけだ」

「はっ! どの口が言ってんだかよ! 俺らを殺すためだけにボルオンの市民を皆殺しにした分際で」

 不意に、色を落とす影。怒りとも悲しみとも取れる表情を浮かべ、クロガネはその場に立ち尽くしていた。

「やはり……真実か。そこの少女も言っていたが、かの殺戮が主の手によるものとはな」

「……なるほどね。てめえの心変わりはそのせいか。その通りだよ。てめえの主人はな、遊び半分で罪もねえ連中を皆殺しにしやがった。よりによって外法中の外法、降魔『レギオン』なんぞ持ち込んでな」

「……『レギオン』!? となると……まさかあの時から……」

 クロガネは深い絶望を全身で表現し、その場で立ち尽くしていた。レイはふんと一声唸ると、苛立ちを隠し切れずに唾をその場に吐き捨てた。

「どんな目的でどんな主義主張なんだか知らねえが、あのクソは自分の手を汚さずに、大量殺戮用の降魔を使いやがった。てめえが何考えて、お仲間にどう思おうが俺の知ったこっちゃねえ。だが……俺らの邪魔だけはすんな。もういくぜ」

 ゆっくりと足を運ぶレイ。背後では影がぐにゃりと動くのを感じたが、振り返りすらしなかった。これで本当によかったのか? ここで戦っておくべきだったのではないか? レイの中で一瞬の迷いはあった。しかし、今彼が見せた表情、そこには訴えかける何かがあり、レイは本能的にそれに従った。

(ま、考えてもしゃあねえ。こういうのはあのクソの得意分野だ。俺は自分の与えられたことをこなすだけ。……やれやれ、いつの間にか使いっ走りにも慣れちまったぜ)

 レイはそう1人呟き、ふっと小さく笑った。先ほどの声のことはもう頭の片隅にもない。両手に感じる2人の重みだけが全てだった。

(しっかし重えな! 亜門のアホめ! しばらくメシ抜きにしてやらあ)

 闇染まるダールの街中を、レイは駆ける。風を纏いながら光に向けて、レイはただひたすらに駆ける。その行く末に待つものは誰にも分からない。だが駆けることしか今のレイにはできない。そしてその姿は、闇に映し出された輪郭は、太古の絵画の様に美しく気高かった。

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