第21話 アドバイス
「ーーふむふむ。“運命の番 ”が教師だとはなかなか大変だね。お互いに“運命の番”だって自覚はあるのかな?」
「私はありますけど、相手はどうかわからないです」
「まぁ、ぶっちゃけちゃうと“運命の番”のフェロモンにαは勝てません。だから相手が気づいていようがいまいが、誘惑しまくれば簡単に落とせちゃいます」
ばっさりと言い切る六花さんの言葉に私とお姉ちゃんは苦笑していた。
「その辺の詳しいことは同じΩの実に聞いたほうがいいんじゃないかな?私、落とされた側だし」
「え?てっきり六花さんからアプローチしたのかと思ってたんですけど」
「違う違う。実からだよ。私も惹かれてはいたけど、勉強大変だったから恋愛はいいやーって思ってたんだ」
「話がそれてるそれてる。聞きたいのは教師が生徒に手を出すのは法律的にはどうかってことだよ」
「あー、だから私に聞いたんだね。んー、そうだなぁ。基本的にはアウトだけど抜け穴はあるよ。けど、結ちゃんの保護者は同意してくれないだろうなぁ」
「六花の力を借りても無理?」
「さすがに無理かな〜って一昔前なら言ってたね。今はね、だいぶ法律も変わって、“番 ”ならば明確に結婚の意志があると判断するんだよ。ちなみに“運命の番”は国からもお祝い金が出る上に、いろいろ特典があるんだよ」
「て、ことは!?」
「誘惑あるのみだね。ただ、まだ法律で認められたばかりだから認知はされていないし、差別や偏見もある。それなりに覚悟は必要だけどさ。ま、困ったことがあったら私が力になってあげるよ。だって、実の妹ってことは私の妹ってことでしょ?」
その言葉に私は嬉しくなって六花さんに抱きついていた。
☆
放課後になり、ボクは屋上にやってきていた。
「ーーえ?呼び出したのは八重だったの?」
「そうだよ。びっくりしてる?」
「そりゃあね。呼び出した理由は双葉のこと?」
思いつたのはそれだけだった。
「莉乃は双葉のこと好き?さすがに好きの種類はわかるよね?」
「好きだよ、そういう意味で」
「ねぇ、私に譲ってくれない?この前告白したら、莉乃が好きだと振られちゃったのよ」
「人の感情は変えられません」
「ふぅん。じゃあ、またいじめの標的になってもらおうかな。ありさ、またお願いね?」
八重の言葉にありさが姿を現す。
ありさの顔は酷く腫れ、涙を流していた。
「裏切りは許さないからね、ありさ」
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